HDS-R(長谷川式認知症スケール)診療内容/当院の検査・超音波検査

HDS-R(長谷川式認知症スケール)とは?

聖マリアンナ医科大学の長谷川和夫先生によって開発された認知症のスクリーニングテストです。

 

かつては「長谷川式簡易知能評価スケール」と呼ばれていましたが、2004年に痴呆症から認知症に変わったため、長谷川式認知症スケールと呼ばれるようになりました。

 

1974年に作成されて一部改訂がありましたが、ほとんど同じ形式で現在にいたるまで使用されています。

 

長谷川式認知症スケールは、検査者からの質問に答える形式となっています。さまざまな認知機能を簡易的に幅広く検査することができるので、認知症が疑われる場合などでは日本で最も多く実施されているスクリーニング検査になります。

長谷川式認知症スケールの目的

長谷川式認知症スケールは、認知症のスクリーニングに有効な検査として作成されました。

 

高齢化すると物覚えが悪くなったり、人の名前や物の名前が出ずらくなったりということは誰にでも起きるのですが、そのレベルではない場合に認知症が疑われます。その際に長谷川式認知症スケールを実施し、認知症の程度を推定します。

 

高齢化に伴い、認知症の割合は増加しています。認知症といっても様々なタイプがあるのですが、まずは認知機能のレベルが病的なレベルかを判断する必要があります。長谷川式認知症スケールは、スクリーニング検査として認知機能のレベルを推定するために行われる検査です。

 

実際の認知症の診断は、CTやMRIによる画像診断や症状の特徴などによって行っていきます。長谷川式認知症スケールで診断できるわけではなく、認知機能の低下が認められるかを図るために行う検査になります。

 

長谷川式認知症スケールは、その方法は特別な専門性を必要する検査ではありません。身の回りの物を使えば、だれにでも行うことができる検査になります。ですから、家族などの身近な人が検査をすることもできます。

 

このように長谷川式認知症スケールは、スクリーニング検査として認知症かどうかを疑うために使われる検査になります。認知症の程度を点数化することで、認知機能低下が認められる場合は専門家がその他の検査も参考にし、診断していきます。

長谷川式認知症スケールの料金

長谷川式認知症スケールはこれまで、保険請求ができない検査のひとつでした。しかし2018年度の診療報酬の改定により、現在では保険診療できる検査の一つに認定されました。

 

これまでは診察の中に含まれているという判断でしたが、長谷川式認知症スケールを行うには一定の時間がかかってしまいます。これからも増加が予想される認知症の診断をしっかりと行うために、しっかりと診療報酬として評価されるようになりました。このため医療機関としても、検査が行いやすくなりました。

 

認知機能検査などの心理検査では、検査の複雑さによって診療報酬が異なります。長谷川式認知症スケールはそこまでは労力を必要としないため、簡易検査となります。このため、80点になります。

 

80点は800円になり、3割負担の場合窓口で支払うのは240円となります。高齢者の場合は1~2割の負担が多いので、80円か160円になると思われます。

長谷川式認知症スケールの検査をする際の注意点

長谷川式認知症スケールは点数で認知機能を評価していきます。ですが認知機能低下は様々な原因で起こりますし、検査を行っているときのコンディションによっても数字は前後します。

 

たとえばうつ病が認められるときは、認知機能は低下します。高齢者でうつ病によって認知機能低下している場合は、仮面認知症といったりします。認知症と間違えられてしまうこともあります。

 

認知症は、前段階にはありとあらゆる症状が認められることがあります。高齢者で何らかの精神症状が認められた場合は、認知症の可能性も疑う必要があります。症状がある程度落ち着いてから、長谷川式認知症スケールなどを行うことで、認知機能を評価していきます。

 

このように長谷川式認知症スケールは、検査を受ける方の状態によっても変わります。ですから落ち着いているときに実施することが必要で、本当に認知症かどうかは専門家の判断が必要になります。

 

ご自宅などで長谷川式認知症スケールを行っていただき、認知機能低下を疑うことは大切です。もしも認知機能低下が疑われた場合は、専門家の診察をうけてください。

 

耳の聞こえが悪い場合は、聞き間違えをしてしまったため答えが正確にならず、認知機能を正しく評価できないことがあります。耳の聞こえが悪いなどの問題がある場合は、事前に伝えておくなどの配慮が必要です。

 

また検査を受ける人が協力的な姿勢で質問を受けていないと、正しい点数をつけることができません。認知症かどうかを疑われることは、本人のプライドを傷つけてしまうことがあります。「お年を召されると誰でも物忘れが出てきてしまいますから・・・」といった形で、検査の導入に配慮も必要です。

 

このように長谷川式認知症スケールは、あくまでスクリーニングの検査です。このテストだけで認知症を診断したり、重症度を決めることはありません。

長谷川式認知症スケールの検査・採点方法

長谷川式認知症スケールは自宅などでも簡単に実施しやすい検査になります。

 

家族や身近な方が認知症なのでは?と思った時には、検査をしてみるのも認知症の発見が早くなるきっかっけの一つになります。

 

長谷川式認知症スケールは、9つの設問から構成されています。

 

質問の答えが正しかったときは1点、間違えてしまったり質問に答えられない場合は0点になります。すべてに答えられたときは30点満点になります。20点以下の場合、認知症の可能性が高いと言えます。

 

時間は10分から15分程度になります。男女差は特にありません。9つ設問は、年齢、日時、場所、言葉、計算、数字などを聞いていきます。

 

それでは実際に、長谷川式認知症スケールをご紹介していきます。

検査の前に用意するもの

長谷川式認知症スケールを行っていくにあたっては、以下の3つをご用意ください。

  • 長谷川式認知症スケールの評価用紙
  • 筆記用具(鉛筆と消しゴム)
  • 5つの道具(定規・ブラシ・時計・歯磨き粉・皿など)

 

5つの道具がない場合は、身近な他のもので代用いただいても大丈夫です。

長谷川式認知症スケール(HDS-R)

各設問の補足

  • チェック設問1【年齢】

「あなたの年齢はいくつですか?」と聞いてみましょう。満年齢が正確に言えれば1点なります。この際2年までの誤差は正解と判断してください。

 

  • チェック設問2【日時の見当識】

「今日は何月何日ですか?」「何曜日ですか?」「今年は何年でしょう?」と順に尋ねます。各正答に対してそれぞれ1点を与える(順不同に尋ねても可)。また、年については和暦でも西暦でも正解とします。

 

  • チェック設問3【場所の見当識】

「私たちが今いる場所はどこですか?」と聞いてみます、被験者が、現在いる場所がどこなのか自発的に答えられれば2点になります。(場所が本質的にとらえられていればよい)。

 

病院名や施設名、住所などは正確に答えられなくても正解とします。もし中々正しい答えが返ってこないならば、5秒程度おいて「ここは家ですか?病院ですか?施設ですか?」のようにヒントを出してみましょう。ヒントを出し正しく選択できれば1点とします。

 

  • チェック設問43つの言葉の記銘】

「これから言う3つの言葉を言ってみて下さい。また後で聞きますのでよく覚えておいて下さい」と伝えます。3つの言葉は「桜・猫・電車」あるいは「梅・犬・自動車」のどちらか一方にしてください。

 

ゆっくり切って発音し、被験者にも後に続いて繰り返し発音してもらい、一つの言葉に対して各1点です。もし、3回以上繰り返しても覚えられない場合はそこで打ち切り、次の設問へと進んでください。

 

  • チェック設問5【計算問題】

100引く7はいくつですか?」と問います。正しい答えが出たら「それからまた7を引くといくつですか?」と問います。正解したら各1点になります。

 

最初の計算に失敗したらその場で打ち切り、次の設問に進んでください。なお、最初の引き算を終え引き続いて質問をする際「93から7を引くといくつですか?」というように〝93〟という数字は出さないように気を付けてください。

 

  • チェック設問6【数字の逆唱】

「私がこれから言う数字を逆から言って下さい」と伝え、ゆっくりと間隔をおいて数字を発音してください。数字は正解した場合は各1点づつになりますが、最初の逆唱に失敗したらそこで終了し、次の設問へ進んでください。

 

  • チェック設問73つの言葉の遅延再生】

「先ほど(設問4)覚えてもらった言葉をもう一度言ってみて下さい」と伝えます。3つの言葉のうち自発的に答えられたものに関してはには2点をとったことになります。

 

答えられなかった言葉に対しては、少し考える時間を与えた後、それぞれ別々にヒント(例:ひとつは(植物 or 動物 or 乗り物)でしたね)を与えてください。

 

ただし、「植物と動物がありましたね」といったように一回に二つの言葉を連ねるようなヒントはやめてください。ヒントによって答えられたものには1点とれます。

 

  • チェック設問85つの物品記銘】

「これからあなたに5つの品物をお見せします。それを隠しますから、今ここに何があったかを答えて下さい。順番はどうでも構いません」と教示します。物品は特に指定はありませんので自宅にあるもので構いません。

 

しかし相互に無関係なもの(例:定規・ブラシ・時計・歯磨き粉・皿など)を用意するようにしてください。一つずつゆっくりと名前を言いながら並ベて下さい。正解したら各1点にづつ点数を入れてください。

 

  • チェック設問9【言葉の流暢性】

「知っている野菜の名前をできるだけたくさん言って下さい」と言います。答えてもらった野菜の名前を検査している人は用紙に記入してください。

 

5個までは採点せず、6個以上に1点ずつ加算(6…1 / 7…2 / 8…3 / 9…4 / 10…5点)します。

 

野菜の名前は重複しても良いのですが、重複分は採点しないように気を付けてください。また、途中で言葉に詰まり、約10秒待っても出てこない場合はそこで終了としてください。

検査のあとのフォローを忘れずに

検査を行った後のアフターケアはとても重要です。

 

周りからするとそんなに気にしてないようにみえても、実際には最近物忘れが激しいことや以前と違っているのではないかと、本人自身がとても気にしている場合もあります。

 

検査が終わった後は、「疲れていませんか?」などの声掛けや、検査の感想から話題を広げたり、「年を取れば、誰でも物忘れはしてしまいますよ」など、本人が安心できる状況作りを心がけることも大切です。

長谷川式認知症スケールの設問の意味

認知症を患うと見当識、記憶、理解力などが低下します。長谷川式認知症スケールでは、認知機能の様々な側面を検査するために9つの設問があります。9つの設問からチェックしたことをみていきましょう。

 

  • 設問1【年齢】

見当識と遠隔記憶を評価しています。

 

自分の年齢が正式にわかっているということは、自己について理解しているといえます。また自分自身が重ねてきた記憶も把握しているといえます。

 

  • 設問2【日時の見当識】

見当識の中の日時を問う設問です。

  • 設問3【場所の見当識】

見当識の中の場所を問う設問です

 

  • 設問43つの言葉の記銘】

記憶には、記銘ー保持ー想起の3つの段階がありますが、短時間での記銘力について評価する設問になります。

 

  • 設問5【計算問題】

記憶力ととワーキングメモリーを確認するための設問です。ワーキングメモリーとは作動記憶と呼ばれ、パソコンのメモリーのようなものです。

 

同時に入ってきた情報を脳内に取り込み、どのように処理するのかを判断するのに重要です。「さらに7を引くと・・・」という形で質問することで、記憶のうち「保持」を評価することができます。

 

 

  • チェック設問6【数字の逆唱】

2つの課題に対する短期間の記憶と、指示に対する理解力の設問です

 

  • チェック設問73つの言葉の遅延再生】

記銘したことをしばらく保持し、それを即時に記憶を呼び起こせるか、想起できるかを評価する設問です。認知症では、遅延再生から苦手となっていくことが多いです。

 

  • チェック設問85つの物品記銘】

目で見たものに対する記憶と即時にその記憶を呼び起こせるかを評価する設問です。

 

  • チェック設問9【言葉の流暢性】

野菜という単語から想起する能力と、流暢に話が進められるかを評価する設問です。

長谷川式認知症スケールでわかること

長谷川式認知症スケールは、認知症のスクリーニングを目的に作成された検査です。

 

長谷川式認知症スケールによる点数と認知症の重症度を対比すると、

 

長谷川式の点数と認知症の重症度の関係をご紹介します。

 

このように、正常から重症度の点数には違いがあります。高齢者の中からサンプルを抽出して検査した結果、このように相関関係が表れています。

 

カットオフの点数としては、20/21にすることでの統計的な妥当性が得られています。21/20にすることにより、認知症の傾向がある人とない人を分けることができます。

 

長谷川式認知症スケールは認知症のスクリーニングをし、認知症の診断や治療方針決める一助として役立つ検査です。しかし高齢者は喪失体験が多いため、うつ病になってしまうケースも少なくありません。うつ病の意欲低下や思考抑制、身体の症状などによって、点数が低くなってしまうことがあります。

 

そのため実際に実施するにあたっては、専門家による生活歴の聞き取りや他の検査も行ったうえで、長谷川式認知症スケールの検査結果も踏まえ診断します。

診療内容

当院では患者さまをできるだけお待たせしない快適な医療のために、予約システムを導入しています。心療内科は完全予約制です。

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