ハルシオン(トリアゾラム)診療内容/心療内科

ハルシオン(トリアゾラム)とは?

ハルシオン(一般名:トリアゾラム)は、1983年に発売されたベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬になります。

 

ハルシオンの特徴は、効果の早さと入眠作用の強さです。作用時間が短く、翌日に眠気が残りにくい睡眠薬になります。

 

このためハルシオンは、

  • 入眠障害

に使われることが多い睡眠薬になります。

 

しかしながらその作用の強さは、依存性の高さにもつながります。乱用されたり、犯罪に使われてしまったこともあり、その錠剤が青かったことから「青玉」と呼ばれていました。

 

入眠障害を改善するお薬としては、比較的安全性の高いマイスリ―やアモバンなどの非ベンゾジアゼピン系睡眠薬が発売されてからは、処方されることは減ってきました。しかしながら今でも、その効果の良さから処方されることも少なくありません。

 

ハルシオンは発売から年月もたっており、ジェネリック医薬品としてトリアゾラム錠が発売となっています。

ハルシオンの睡眠薬での位置づけ

ハルシオンの睡眠薬の中での位置づけをみていきましょう。

 

睡眠薬は、その作用メカニズムの違いから2つに分けることができます。

  • 脳の機能を低下させる睡眠薬
  • 自然な眠気を強くする睡眠薬

 

ハルシオンは、脳の機能を低下させる睡眠薬になります。

 

覚醒に働いている神経活動を抑えることで、眠気を促していきます。「疲れきって眠ってしまうとき」に近い状態を作り出し、強引さのある効き方になります。このため、睡眠導入剤と呼ばれることもあります。

 

一方で、自然な眠気を強くする睡眠薬も発売されています。私たちの睡眠・覚醒の周期に関係する生理的な物質の働きを調整し、睡眠状態に仕向けていくお薬です。本来の眠気を強める形ですので、効果が人によっても異なります。

 

ハルシオンなどの脳の機能を低下させるタイプのお薬は、ある程度の効果や副作用が計算できるというメリットがあります。このため、

  • 作用時間
  • 強さ

から睡眠薬を選んでいきます。

 

ハルシオンはその中でも、作用時間が短くて切れ味のよいお薬になります。入眠障害に使われることが多いお薬になります。

ハルシオンの特徴

  <メリット>

  • 即効性が期待できる
  • 入眠障害の効果が強い
  • 翌朝の眠気が少ない
  • ジェネリックが発売されている(薬価がリーズナブル)

  <デメリット>

  • 作用時間が短い(中途覚醒や早朝覚醒に効果が乏しいことがある)
  • 健忘の副作用に注意が必要
  • 依存性が高く、減量が困難
  • 乱用されることがある

 

それではハルシオンの特徴を、

  1. 効果
  2. 副作用
  3. 剤形と薬価

に分けてみていきましょう。

ハルシオンの効果

ハルシオンは、脳の機能を低下させることで睡眠を促す睡眠薬になります。このような睡眠薬は、

  • 効果がある程度計算できる
  • 依存性に注意が必要である

という特徴があります。

 

その中でもハルシオンの特徴は、

  • ベンゾジアゼピン系であること
  • 作用時間が短いこと
  • 作用が強いこと

があげられます。

 

作用時間が短く、入眠障害にしっかりとした効果が期待できます。しかしながら依存性があり、使い続けていると効果が薄れてしまったり、やめられなくなってしまうことがあります。

 

翌朝に眠気も残りにくく有用なお薬ではあるのですが、比較的安全性の高い非ベンゾジアゼピン系(マイスリ―やアモバンなど)の効果が不十分な際に、ハルシオンを使うことが多くなっています。

ハルシオンの副作用

ハルシオンの副作用としては、健忘に注意する必要があります。

 

作用時間が短いということは、急激に覚醒レベルを落としていくことになります。この際に中途半端な覚醒状態にしてしまい、記憶だけが抜け落ちてしまうことがあります。

 

この健忘を、ハルシオン遊びとして乱用されることもありました。そして作用の強さと作用時間の短さのために、依存性も高い睡眠薬になります。

 

ハルシオンの承認時と市販後調査での副作用頻度では、

  • めまい・ふらつき(1.27%)
  • 眠気(1.2%)
  • 倦怠感(0.77%)
  • 頭痛・頭重感(0.7%)

となっています。

ハルシオンの剤形と薬価

ハルシオンのお薬としての特徴についてみていきましょう。

 

ハルシオンの先発品としては、

  • 0.125mg錠
  • 0.25mg錠

の2剤形が発売されています。後発品であるジェネリック医薬品も、この2剤形に対して複数の製薬会社から発売されています。

 

それぞれの薬価をみていきましょう。

  • 0.125mg錠:8.8円(ジェネリック:5.6円)
  • 0.25mg錠:13.0円(ジェネリック:5.8円)

    ※2018年4月現在の薬価になります。

 

これに自己負担割合(1~3割)をかけた金額が、患者さんの自己負担になります。薬局では、これにお薬の管理料などが加えられて請求されています。

ハルシオンの用法と作用時間

ハルシオンの用法は、以下のようになっています。

  • 開始用量:0.125mg
  • 用法:1日1回就寝前
  • 最高用量:0.5mg(高齢者は0.25mgまで)

 

ハルシオンは0.125mg~0.25mgから開始することが一般的ですが、お薬の添付文章では0.125mgから慎重に投与することとされています。

 

通常は0.25mgの用量とされていますが、高度な不眠に対しては0.5mgまで投与が可能となっています。ただし高齢者には、0.125mg~0.25mgまでとなっています。

 

ハルシオンは健忘の副作用があるため、就寝直前に服用してください。そしてハルシオンは即効性が期待でき、「服用まもなく効果が期待でき、気づいたら朝になっていた」というような効き目になります。作用時間は短く、寝つきを改善する目的で使われることが多いです。

【参考】ハルシオンの半減期

お薬の効き方を見ていくにあたっては、

  • 半減期:血中濃度が半分になるまでの時間
  • 最高血中濃度到達時間:血中濃度がピークになるまでの時間

が重要になってきます。

 

ハルシオンは、

  • 半減期(T1/2):2.9時間
  • 最高血中濃度到達時間(Tmax):1.2時間

となっています。

 

ハルシオンの作用時間は非常に短く、お薬の服用後すぐに効果のピークがきて、体からすぐに抜けていきます。このため切れ味が良く、入眠障害に効果が期待できます。

【参考】ハルシオンとアルコール(お酒)

ハルシオンの添付文章では、

精神神経系等の副作用があらわれるおそれがある。なお、できるだけ飲酒は避けさせること。

となっています。禁忌というわけではありませんが、できるだけ控えるべきとされています。

 

アルコールとハルシオンは、どちらも中枢神経を抑制する作用があります。併用することにより、脳の機能を落としすぎてしまいます。

 

このためハルシオンとアルコールを併用すると、

  • 薬やお酒が効きやすくなる
  • 効果が不安定になる

といったことに気をつける必要があります。

 

ハルシオンもアルコールも、どちらも肝臓で分解されます。このためお薬の効果が翌朝までのこってしまったり、意識が中途半端になることでの健忘やせん妄が起こりやすくなることがあります。また、アルコールに酔いやすくなることに注意が必要です。

 

そして飲酒習慣があると、肝臓の機能が変化していきます。このためお薬の血中濃度が不安定になり、効果も不安定になります。

 

そしてハルシオンとアルコールを併用することでの最大の問題は、

  • 双方に依存しやすくなってしまう

という点になります。

 

睡眠薬のハルシオンとアルコールは、近しい作用があります。このため、ハルシオンもアルコールもすぐに身体に慣れてしまい(耐性)、効果が悪くなってしまいます。

 

体からお薬やアルコールが抜けると心身の不調が認められて、精神的にも依存してしまいます。このように、心身に依存が形成されてしまいます。

 

ですから、ハルシオンを服用しながらの習慣的な飲酒はできるだけ避けるべきです。ですが飲み会などの機会飲酒であれば、時間を空ければハルシオンを使うことはできます。

ハルシオンと他剤の作用時間と強さの比較

ハルシオンは、脳の機能を低下させることで催眠作用をもたらします。このようなタイプのお薬の効果は、作用時間によって考えることができます。

 

作用時間によって、大きく4つのタイプに分けられています。

  • 超短時間型:効果のピークは1時間未満、作用時間は2~4時間
  • 短時間型:効果のピークは1~3時間、作用時間は6~10時間
  • 中間型:効果のピークは1~3時間、作用時間は20~24時間
  • 長時間型:効果のピークは3~5時間、作用時間は24時間~

もう少し詳しくみていくと、以下の表のようになります。

 

睡眠薬の作用時間と最高用量についてまとめました。

 

作用時間の違いごとに睡眠薬としての強さの違いを、最高用量で比較してみましょう。

  • 超短時間型:効果のピークは1時間未満、作用時間は2~4時間
    (ハルシオン>アモバン>マイスリー≧ルネスタ)
  • 短時間型:効果のピークは1~3時間、作用時間は6~10時間
    (レンドルミン≧デパス≒エバミール/ロラメット>リスミー)
  • 中間型:効果のピークは1~3時間、作用時間は20~24時間
    (ロヒプノール/サイレース>ベンザリン/ネルボン>ユーロジン)
  • 長時間型:効果のピークは3~5時間、作用時間は24時間~
    (ドラール>ベノジール/ダルメート≒ソメリン)

ハルシオンの副作用と対処法

睡眠薬では、作用時間によって注意すべき副作用が異なります。

  • 作用時間が長い睡眠薬・・・眠気・ふらつき
  • 作用時間が短い睡眠薬・・・健忘・依存性

 

作用時間が長いということは、薬が身体に少しずつたまっていくことにつながります。睡眠薬の眠気が翌朝に残ってしまったり、筋弛緩作用が日中に働いてしまうことがあります。

 

それに対して作用時間が短い睡眠薬は、薬が急激に作用するということになります。このため中途半端な覚醒状態となってしまって健忘(物忘れ)が認められたり、お薬の急激な変化に体が慣れようとしてしまうことで、依存が成立してしまうことがあります。

 

ハルシオンは作用時間が短いお薬ですので、健忘や依存性に注意が必要です。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

ハルシオンと眠気

睡眠薬は、効果が翌朝に残ってしまうことがあります。作用時間が長いお薬ほど、眠気や倦怠感が残りやすくなってしまいます。

 

ハルシオンは作用時間が短いお薬ですので、翌朝に眠気は残りにくい睡眠薬になります。ですからまずは、睡眠をしっかりとれているかを確認します。

 

睡眠時間をしっかりと確保していても、ハルシオンで眠気が残ってしまうこともあります。ハルシオンで眠気が認められた場合の対処法としては、

  • お薬の量を減らす
  • 他の睡眠薬に変える

などがあります。

ハルシオンと健忘

睡眠薬を服用した後に、記憶がなくなってしまうという副作用が生じることがあります。

 

記憶はなくなっているというと怖いかと思いますが、周囲からみると普通にいつも通りのあなたの行動をとっています。友達に電話していたり、お菓子を食べ散らかしていたりといったことで、翌朝になってその痕跡をみつけてビックリします。

 

このような「物忘れ」を、「前向性健忘」といいます。睡眠薬を服用して、それ以降(前向き)の記憶を忘れてしまうのです。

 

このような状態になるのは、睡眠薬が中途半端な覚醒状態にしてしまうことで、海馬を中心とした記憶に関する脳の機能が低下してしまうためと考えられています。

 

ですから前向性健忘は、睡眠薬が急激に作用する時に起こりやすい副作用になります。ハルシオンは作用時間が短く、健忘の副作用は起こりやすいです。

 

健忘の対策としては、

  • 寝る直前に睡眠薬を服用すること
  • 絶対にアルコールと一緒に睡眠薬を飲まない

になります。

 

それでも認められる場合は、

  • 薬の量を減らす
  • 作用時間の長い睡眠薬に変更する

このようにしていきます。

ハルシオンと依存性

睡眠薬は、長期間服用していると体に慣れてしまいます。そして睡眠薬をやめてしまうと不眠が悪化して、やめられなくなってしまうことがあります。

 

ハルシオンは作用時間が短く、切れ味が良いために効果の実感もよいお薬になります。このため、ハルシオンは依存しやすいです。

 

長期に服用していると依存が形成されてしまって、ハルシオンをやめられなくなってしまうことも少なくありません。ですから、漫然とした長期的に使用は避けなければいけません。

 

依存性の対策としては、

  • 睡眠に良い生活習慣を意識する
  • できるだけ少量・短期間で使う
  • アルコールと一緒に服用しない

ことがあります。

 

睡眠薬の用法と用量を守って服用していれば、過度に心配することはありません。同じ量で効果が薄れてきたのを感じられたら、主治医と相談してください。

ハルシオンの反跳性不眠(離脱症状)と減薬方法

ハルシオンは長期間にわたって使っていると、お薬があることに身体に慣れてしまいます。

 

その結果、お薬としての効果は薄れているのに、薬を減らすと不眠が強まってしまうことがあります。このような状態を反跳性不眠といいます。睡眠薬の離脱症状とも言えます。

 

「睡眠薬がないと眠れない」と勘違いしてしまうことが多いのですが、薬がやめられないのは反跳性不眠が原因であることも少なくありません。

 

このような状態になると、睡眠薬の量は増えないけれどもやめられなくなってしまいます。このことを、常用量依存といったりします。

 

ハルシオンは超短時間作用型の睡眠薬ですが、このように作用時間が短い睡眠薬では、反跳性不眠は起こりやすいです。さらにハルシオンは作用も強いため、半跳性不眠などの離脱症状は生じやすいです。

 

以下の図のように、以前にもまして不眠が強まってしまうので、ハルシオンをなかなかやめられなくなってしまいます。

 

睡眠薬の離脱症状である反跳性不眠について、概念をまとめました。

 

このためハルシオンは、いきなり中止することは困難です。まずは、

  • 少しずつ減量していく

が基本となります。0.5錠(0.125mg)ずつ減量していくことが多いです。

 

自信を失わないことが大切ですので、ハルシオンを減量して寝付けない場合はベッドで粘ってはいけません。すぐにあきらめて、元の量になるようにお薬を追加で服用して就寝してください。眠れるタイミングをみて、少しずつ減量していきます。

 

減量が困難なときは、

  • 作用時間が長い睡眠薬に変更していく

ことを考えていきます。併用しながら少しずつシフトしていきます。作用時間が長い睡眠薬は身体からゆっくりお薬の成分が抜けていくので、離脱症状が少なくなります。

睡眠によい生活習慣を心がけることが大切

ハルシオンを使っていくにあたっては、睡眠習慣を見直すことも重要です。睡眠習慣と合わせて取り組むことで、睡眠薬だけに依存することなく不眠の改善を行っていきましょう。

 

ここでは特に、睡眠薬の使い方に関係する部分についてお伝えします。不眠で寝付けないとき、多くの方が間違った対処法を行っています。

  • お酒に頼る
  • なるべく早く寝る

この2つは不眠を悪化させてしまいます。お酒は寝つきを一時的に良くしてくれますが、睡眠の質を落としてしまいます。

 

また、なるべく早く寝てベッドで粘っている方もいらっしゃいます。ベッドでゴロゴロして眠れない時間をすごすことは、「なかなか眠れない」という失敗した認知を強めてしまいます。

 

むしろ睡眠時間は、ギリギリまで絞ってしまったほうがよいです。そして眠れないときは、粘らずに睡眠薬を使ってしまったほうが不眠はよくなります。

 

睡眠時間を5~6時間にしぼってデッドラインを設定し、その時間までは自然な眠気が生じたらベッドに入るようにしていきます。その際にお薬を使っていただき、それでも眠れなければ頓服をすぐに使ってください。

 

このようにして、ベッドに入れば眠れるという認知を作っていくことが大切です。

その他にも、睡眠に良い生活習慣があります。睡眠に関する正しい知識を理解して、生活で取り入れられることは意識していくことが大切です。

 

詳しく知りたい方は、不眠症(睡眠障害)のページをお読みください。

ハルシオンの運転への影響

睡眠薬は、原則的にすべてのお薬が運転や危険作業が禁止となっています。

 

これは眠気やふらつきなどの副作用が生じる可能性があるためです。そういったリスクがある以上は、製薬会社も「運転禁止」とせざるを得ませんでした。

 

ハルシオンの添付文章でも同様に、

本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

という表現となっています。

 

しかしながら、不眠のままで運転する方が悪影響があるかもしれませんし、薬を

服用したら運転禁止とするべきかは悩ましいところです。運転できないことが、社会生活の妨げになってしまうこともあります。

 

ハルシオンは作用時間が短いため、翌朝に残りにくいという意味では影響の少ないお薬ではあります。自己責任にはなりますが、お薬を服用しながら運転されている方もいるのが実情です。

 

ただし、

  • はじめて使ったとき
  • 他のお薬からの切り替えをしたとき
  • 量を増減させているとき
  • 体調不良を自覚したとき

は無理をせず、絶対に運転は控えていただいたほうがよいです

ハルシオンの妊娠・授乳への影響

ハルシオンの妊娠への影響から見ていきましょう。ハルシオンのお薬の添付文章には、

治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること。

このように記載されています。

 

妊娠への影響を考えていくにあたっては、

  • 奇形をおこしやすいか(催奇形性)
  • 薬の成分が胎児に届くことによる影響

を考えていく必要があります。

 

ハルシオンなどの睡眠薬はこれまで、口唇口蓋裂のリスクが高くなるといわれていました。しかしながら因果関係がないとする報告もなされており、奇形を引き起こすリスクは低いと考えられています。

 

しかしながらハルシオンは、後述するFDAの基準では妊娠中は禁忌となっているお薬になります。不眠は命にかかわる病気ではないということから、胎児の安全性を優先した結果になります。特別にハルシオンで、妊娠への悪影響が報告されているわけではありません。

 

ハルシオンは、出産後に気を付ける必要があります。出生直後に離脱症状が生じてしまうことがあります。また、赤ちゃんに鎮静作用が強くでてしまい、生まれた後に元気がないこともあります。産科の先生にお伝えしておけば、過度に心配しなくても大丈夫です。

 

次に、ハルシオンの授乳への影響をみていきましょう。ハルシオンのお薬の添付文章には、

授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。

このように記載されています。

 

しかしながら授乳についても、明らかなネガティブな報告はありません。母乳で育てることは、赤ちゃんにも非常に良い影響があるといわれています。ご自身での判断にはなりますが、ハルシオンを服用していても授乳を続ける方がメリットが大きいようにも思います。

 

母乳を通して赤ちゃんにハルシオンの成分が伝わってしまうことは、実際に確認されています。活性は低下するものの、およそ7割の濃度で母乳に移行するという動物実験の報告があります。

 

ハルシオンを服用しながら母乳で育てていく場合は、赤ちゃんがハルシオンを服用しているのと同じになります。乳児検診で体重が増えていかないといったことがあれば、医師と相談したほうが良いでしょう。

 

赤ちゃんに伝わることで眠気が強まり、哺乳が不十分になることがあります。乳児検診などで赤ちゃんの成長がとまってしまったら、注意していく必要があります。

 

その場合には、以下のような対処法があげられます。

  • 人工乳哺育にする
  • 服用してからの授乳間隔をあける(服用の直前に哺乳する)
  • ハルシオンの量を減らす

海外の妊娠と授乳に関する基準

海外の妊娠と授乳に関する基準をご紹介します。

  • 妊娠への影響:FDA(アメリカ食品医薬品局)薬剤胎児危険度基準

    A:ヒト対象試験で、危険性がみいだされない
    B:ヒトでの危険性の証拠はない
    C:危険性を否定することができない
    D:危険性を示す確かな証拠がある
    ×:妊娠中は禁忌

  • 授乳への影響:Hale授乳危険度分類

    L1:最も安全
    L2:比較的安全
    L3:おそらく安全・新薬・情報不足
    L4:おそらく危険
    L5:危険

睡眠薬の妊娠・授乳への影響をまとめました。

 

ハルシオンは、FDA基準で「×」、Hale分類で「L3」となっています。

ハルシオン錠のジェネリック医薬品(トリアゾラム錠)

ハルシオンは、1983年に発売されたお薬になります。

 

お薬の開発には莫大なお金が必要となるため、発売から10年ほどは成分特許が製薬会社に認められて、独占的に販売できるようになります。(先発品)ハルシオンのジェネリックは、この特許が切れた後に発売となりました。(後発品)

 

従来は様々な名称のジェネリック医薬品が発売されていましたが、近年は薬の一般名をつけることに統一されてきています。ですからハルシオン錠のジェネリックとしては、トリアゾラム錠として発売されています。ハルラック錠のみ、ジェネリック特有の名称で発売がつづいています。

 

ジェネリック医薬品になると、様々な製薬会社が製造を行います。これらのお薬は有効成分は同じですが、それぞれが微妙に異なります。というのも、お薬の製造方法や製剤工夫が会社によって異なるためです。

 

ですがジェネリック医薬品は、先発品と同じように効果を示すための試験をクリアしていて、血中濃度の変化がほぼ同等になるように作られています。

 

ハルシオンは即効性を期待するお薬なので、理論的には大きな差がないとしても、効果に違いを感じる方はいらっしゃいます。その場合はもちろん、先発品を使っていくことも可能です。

【参考】ハルシオンの作用機序

それではハルシオンはどのようにして効果を発揮するのでしょうか。その作用メカニズムを詳しくお伝えしたいと思います。

 

ハルシオンは、ベンゾジアゼピン系に分類されるお薬です。GABA-A受容体(ベンゾジアゼピン結合部位)に作用をすることで効果が発揮されます。

 

これによってGABAの働きが強まり、脳の活動を抑えることで催眠作用をもたらします。

 

GABAはリラックスさせる物質として、GABA入りのチョコレートなど食品でもアピールされたりしています。食品やサプリメントとしての効果はエビデンスが乏しいですが、脳内ではGABAは重要な役割を果たしています。

 

GABAは神経伝達物質として、脳内での情報の受け渡しをしています。神経細胞の活動を抑える方向に働く、抑制性の伝達物質になります。

 

GABA-A受容体には、Cl-の通り道(イオンチャネル)があります。GABAはこのCl- チャネルを開き、それによって神経細胞の中にCl-が入ってきます。マイナスのイオンが入ってくるので、細胞の中が電気的にマイナスになります。

 

神経細胞は、細胞の中が電気的にプラスになることによって興奮して活発になります。このため電気的にマイナスになるということは、神経細胞が興奮しにくくなるということになります。

 

ですからGABAは、Cl-チャネルを開いて神経細胞の興奮を鎮める作用が期待できます。

 

なお、睡眠と覚醒に関わる物質を整理すると、以下のようになります。

 

睡眠に関係する脳内物質の関係をまとめました。

 

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