血糖値とは?糖尿病で血糖値が高くなる原因について
糖尿病は血糖値が高くなる病気です。
そもそも血糖値とは何なのでしょうか?
この記事では、血糖値の意味、食前血糖値、食後血糖値の定義、糖尿病で血糖値が高くなる原因について解説します。
これを読めば、血糖値の概略が分かります。
血糖値が気になる方は役立ててみてください。
血糖値とは
血糖値とは、血液中のブトウ糖の濃度のことです。
ブドウ糖とは、穀類・果物などに含まれる単糖類(それ以上分解されない糖類の基礎単位)です。
ブドウから発見されたためブドウ糖と呼ばれます。
ご飯、パン、めん類に含まれる炭水化物の中の糖質は、小腸で分解されてブドウ糖に変わります。
ブドウ糖は脳や体を動かすエネルギー源です。
果糖、脂質、タンパク質などもエネルギー源として使われますが、脳はブドウ糖しか利用できません。
1日に消費するエネルギーの約20%は脳で使われるため、ブドウ糖は最も重要なエネルギー源です。
血糖値は、ホルモンの働きで一日中一定の範囲に保たれます。
インスリンは、血管から細胞へブドウ糖を運び入れて血糖値を下げます。
また余分なブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓・筋肉に蓄えられます。
空腹時に血糖値が下がると、グルカゴンというホルモンの働きでグリコーゲンがブドウ糖に分解され、エネルギー源として使われます。
食前血糖値・食後血糖値とは
血糖値は食事の影響で変化します。
食事をとると高くなり、空腹時は低くなります。
食前血糖値
食事前の血糖値を食前血糖値と呼びます。
食前血糖値は比較的低値ですが、食事の間隔によって値が異なります。
そして食後10時間以上経過した空腹時の血糖値が最も低くなります。
これを 空腹時血糖値 と呼びます。
空腹時血糖値の判定基準
- 110mg/dL未満:正常型
- 100~109mg/dL:正常高値
- 110~125mg/dL:境界型(正常型にも糖尿病型にも含まれないもの)
- 126mg/dL以上:糖尿病型
食後血糖値
食事後30分、1時間、2時間における血糖値を食後血糖値と呼びます。
炭水化物を摂取すると、食後2時間以内に血糖値がピークを迎えます。
健康な人では、食後血糖値は140mg/dL未満であり、140mg/dL以上を食後高血糖と呼びます。
また 随時血糖値 として以下のように判定されます。
- 140mg/dL未満:正常型
- 140~199mg/dL:境界型(正常型にも糖尿病型にも含まれないもの)
- 200mg/dL以上:糖尿病型
糖尿病で血糖値が高くなる原因
インスリンは、血糖をコントロールするホルモンです。
インスリンは血管から細胞へブドウ糖を運び入れ、血糖を下げてくれます。
このインスリンが不足、もしくはうまく働かなくなると血糖値が高くなります。
そして高血糖が長く続く状態が糖尿病です。
インスリンの分泌不足
インスリンは膵臓(すいぞう)のβ細胞で作られます。
この膵β細胞が破壊される、もしくは機能が低下することにより、インスリンの分泌が減少すると血糖値が高くなります。
1型糖尿病が代表的な疾患であり、持って生まれた遺伝に関する要素に、ウイルス感染などの誘因が加わって発症します。
インスリンがうまく働かなくなる
インスリンがまずまずの量で分泌されていても、肥満で内臓脂肪が増えるとインスリンが効きにくくなる物質が多く生産されます。
そのため血管から細胞へブドウ糖が入りにくくなり、血糖値が上がります。
2型糖尿病が代表的な疾患であり、さまざまな遺伝に関する要素に、過食、運動不足などの生活習慣が加わって肥満となることが主な原因です。
まとめ
血糖値とは、血液中のブトウ糖の濃度のことです。
ブドウ糖は穀類・果物などに含まれる単糖類であり、脳や体のエネルギー源として使われます。
インスリン・グルカゴンといったホルモンの働きにより、血糖値はコンロールされます。
食事前に検査した血糖値が食前血糖値、食事後に検査した血糖値が食後血糖値です。
糖尿病になると、インスリンが不足、もしくはうまく働かなくなって、食前血糖値および食後血糖値が高くなります。
糖尿病は、さまざまな遺伝に関する要素に、ウイルス感染などの誘因もしくは肥満が加わって発症します。
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カテゴリー:糖尿病 投稿日:2025-06-14
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