アルコールについてこころみ医学

アルコール(お酒)の薬への影響とは?

  • 更新日:2019年09月20日 13:01
  • 作成日:2019年09月05日 22:00

お酒の好きな方へ

お酒を好きな方は多いかと思います。晩酌を楽しみにしていたり、友達や同僚との飲み会が何よりの息抜きという方もいるでしょう。

お酒は身体の負担にはなるのですが、ほどほどを守っていれば問題はありません。ストレスも発散され、むしろ良い側面も多いかと思います。

しかしながら、お薬を飲まなくてはいけないときは注意が必要です。お酒、すなわちアルコールは、お薬との相互作用があるのです。

お薬での治療中は、禁酒していただくのが理想的です。しかし、長期飲み続けなければいけないお薬の場合、ずっと禁酒というのは厳しいこともありますので、アルコールの薬への影響を正しく理解し、付き合い方を考えていきましょう。

アルコールの妊娠・授乳への影響が気になる方は、『アルコール(お酒)の妊娠・授乳への影響とは?』をお読みください。

アルコールの薬への影響

  • アルコールは薬と相互作用をおこし、お薬の効果を不安定にしたり、肝臓に負担をかけたりします。
  • とくに、お酒とお薬を同時に飲む「チャンポン」は危険なので避けてください。

お薬を服用したときに、お酒を飲むとよくないことは多くの方が理解されていると思います。

アルコールとお薬を併用したときの影響は、そのときすぐに出てくる急性の影響と、ジワジワ出てくる慢性の影響とがあります。

お酒の薬への影響をまとめました。

それぞれの影響を見てみましょう。

薬の吸収が急激になる

お酒とお薬を同時に飲むと、お薬の吸収率が一気に上がってしまうので危険です。

お酒とお薬を一緒に飲む「チャンポン」は絶対にやめましょう。

薬とお酒の両方が体内に残りやすくなる

お薬もアルコールも、同じ肝臓で分解します。

ですから、お薬とアルコールを併用すれば両方の分解が遅れ、どちらも体内に残りやすくなってしまいます。

薬の作用が強まってしまう

鎮静や催眠作用がある精神科のお薬では、お酒と相互作用して効果が強く出てしまうものが多いです。

お酒は少量ですと気分が高まりますが、量が増えると眠くなったりします。

その作用がお薬に影響し、抑える効果が強く出過ぎることがありますので、注意しましょう。

肝機能障害の原因になる

お酒は肝臓によくない…ということは広く知られているかと思います。

お薬を飲んでいるときに慢性的な飲酒を続けていると、お薬とお酒の両方を代謝する肝臓に大きな負担がかかり、肝機能障害がおきやすくなります。

薬の血中濃度が不安定になる

肝機能が障害されると、お薬の分解は遅れ、解毒機能の低下で有害物質がたまりやすくなってしまいます。

しかし、肝機能障害がおこる手前までは、むしろ肝機能が亢進し、アルコールが血中にないときの薬の分解は早くなり、お薬の血中濃度は不安定になっていきます。

肝臓は、とても頑張り屋の臓器です。お酒とお薬を同時に分解しようと身を削って働いてしまうため、一時的に機能が上がります。

この状態がしばらく続き、限界を迎えると肝機能障害が認められるようになります。

悲しいかな、働き過ぎで発病する古典的うつ病と似たようなことが肝臓にもおこってしまうのです。

アルコールは依存を生じやすい

アルコールは、飲み続けていくことで身体に慣れてしまう耐性という特徴があります。

すると同じ量では酔えなくなってしまい、少しずつ量が増えていきます。

それだけでなく、アルコールが体から抜けるとむしろ体調が悪く感じられる身体依存が認められます。

精神科のお薬も抗不安薬などには似た作用があります。アルコールは、効果の実感が強いため、精神的依存もしやすいので注意が必要です。

薬が必要なときのお酒との付き合い方

  • 慢性的な飲酒習慣は改善していく必要があります。
  • 付き合いなどで飲むときは、飲み方に注意しましょう。

継続的にお薬を飲む必要があるとき、一番の理想はアルコールを控えていただくことです。しかしながら現実的には、付き合いで飲みに行かなければいけないこともあるでしょうし、ちょっとの晩酌が、大きなストレス発散になっている方もいることでしょう。

そのようなときは、以下のことに注意していきましょう。

  • お薬とアルコールを一緒に服用しない
  • お酒はゆっくりと飲み、いつもの半分ほどにする
  • 飲み続ける必要のあるお薬をスキップしない

薬とアルコールを一緒に服用しない

これは上でもお伝えしましたが、お薬とアルコールを同時に服用しては絶対にいけません。

お薬とお酒が胃腸で同時に吸収されないように、少しだけ時間をあけるようにしましょう。

お酒はゆっくりと飲み、いつもの半分ほどにする

お薬と併用することで、アルコールは体内に残りやすくなります。

いつもより酔いが早くなりますので、ゆっくりと飲むことを心がけてください。そして、量もいつもの半分くらいに控えるようにしましょう。

飲み続ける必要のある薬をスキップしない

「今日はお酒を飲んだから、薬は止めておこう」。そう考える方もいらっしゃると思います。

睡眠薬や精神安定剤など、即効性があって必要な時だけに使うお薬は、患者さん自身が飲まなくて大丈夫と感じるならば控えたほうが良いですし、中止できそうならその方が望ましいでしょう。

しかしながら、飲み続けていくことが重要なお薬は、服薬をスキップしてはいけません。

精神科では抗うつ剤、内科では生活習慣病のお薬などは、スキップしてしまうと血中濃度がガクンと落ちて効果が激減してしまいます。

お酒を飲んでしまったというときは少し時間をあけ、服薬するようにしましょう。

お薬を飲み忘れたときの血中濃度の推移をグラフにしています。

まとめ

原則的に、お酒と薬を一緒に服用してはいけません。ただし、定期的に服用することが重要なお薬で、完全な禁酒が難しい場合はお酒の飲み方に注意し(同時に飲まない、ゆっくり飲む、量は半分に控える)、お薬の服用をスキップしないようにしましょう。

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