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漢方薬はなぜ「食間・食前」の服用になっているの?

  • 更新日:2020年01月24日 12:02
  • 作成日:2019年12月27日 22:00

漢方薬は食後に飲んではいけない?

お薬を処方されるとき、「食前」「食後」など服用のタイミングが指定されていることがありますよね。これはお薬の効果を十分に発揮するためなので、原則として守ることが大切です。

「食前」や「食後」は分かりやすいですが、中には「食間」の服用が指定されているお薬も。その多くは漢方薬です。

なぜ漢方薬は食前や食間に飲む必要があるのでしょうか?

「食間」「食前」ってどのタイミング?

「食間」という書き方は、わかりづらいですよね。食間ってどのタイミング?いつ飲めばいいの?と、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。「食前」についても、どれくらい前に服用すればよいのか迷われる方もいらっしゃるかと思います。

食間とは、「空腹時」に服用する必要があるということです。食後2~3時間をすぎ、胃での消化が終わった頃を指します。

食前とは、およそ30分ほど前に服用することを意味します。多くの場合、食前も「空腹時」に服用する必要があることを意味します。

ですので、基本的に空腹時であれば問題がありません。食間のお薬は、食前に飲んでも大丈夫なことがほとんどです。

漢方薬を食間に飲んだ方がいい理由

食間に飲むお薬は、その多くが漢方薬です。

その理由は、空腹時には胃の中が胃酸によって強い酸性であることに関係があります。

漢方薬では、

  • アルカロイド
  • 有機酸

という2つの生薬成分が効果を発揮します。

空腹時の胃酸は、

  • 作用の強いアルカロイドの吸収をやわらげる
  • 作用の弱い有機酸の吸収を高める

働きをします。その結果、

  • 副作用は軽減される
  • 全体の効果は高まる

と、漢方薬をより効果的で安全に吸収させる働きが期待できるのです。

アルカロイドの性質

漢方成分のアルカロイドは作用が強く、それが副作用となってしまうことがあります。例えば、「麻黄」という生薬に含まれるエフェドリンは、交感神経を刺激します。

アルカロイドは塩基性(アルカリ性)であるため、空腹時の胃酸によって成分が中和され、吸収を穏やかにすることができます。

有機酸の性質

一方、有機酸はその名の通り酸性で、作用が穏やかな生薬成分です。

酸性の成分は胃酸によって吸収が高まるため、空腹時に飲むことで、作用の弱い有機酸の効果を強めることができます。

まとめ

漢方薬は、食間(空腹時)に飲むことで

  • 副作用を緩和する
  • 効果を高める

と、身体へちょうどいい作用をもたらすことが期待されます。

お薬を飲むときは用法・用量を確かめ、それを守るようにしましょう。

お薬の服用については、食前薬や食後薬は守らなきゃダメ?お薬と食事の関係にも詳しく書かれています。

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