食前薬は食後に飲んじゃダメ?
- 更新日:2020年01月17日 13:14
- 作成日:2019年12月25日 22:00
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「食前薬」の理由は?
お薬は多くが「食後」の服用になっています。しかし、中には「食前」と指定されているものがありますよね。
食前薬は服用を忘れがちで、飲む前に何かを食べてしまった…ということも多いのではないでしょうか?
どうせ胃に入るんだから、食後でも別に同じではないかと思われるかもしれませんが、お薬によっては食事の影響を大きく受けることがあります。用法を間違えてしまうと、著しく効果が落ちてしまうものもあるのです。
食前に飲まなければいけないお薬は?
食前に飲まなければいけない代表的なお薬には、
- 吐き気止め
- 糖の吸収を抑える糖尿病薬(α‐GI)
- 骨粗鬆症でよく使われるビスホスホネート製剤
があります。
吐き気止めと糖の吸収を抑えるお薬は、食後に飲んだのでは意味がありません。食事を摂る前に飲むようにしましょう。
ビスホスホネート製剤は、食事内のミネラル成分によって吸収を妨げられてしまいます。必ず食前でなければいけないわけではありませんが、空腹時に飲むことが大切です。
吐き気止めを食前に飲む理由
食事をしたら消化をしなくてはいけませんので、胃腸の働きは当然活発になります。
そうなると困るのが、吐き気などの胃腸症状があるときで、食後に飲んだのでは吐き気止めの効果が発揮されません。
糖の吸収を抑える糖尿病薬(α‐GI)を食前に飲む理由
食事をすると糖質が吸収されて血糖値が上がります。糖尿病の患者さんでは食後に高血糖となるのを避けるため、糖の吸収を抑えるお薬(α‐GI)を服用することが多いです。
食事を先にすれば糖の吸収は進んでしまうので、α‐GIは食前に飲むことが重要です。
ビスホスホネート製剤を食前に飲む理由
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療ででよく使われるビスホスホネート製剤では、食事中のカルシウムやマグネシウムなどと一緒になると吸収が妨げられてしまいます。
そのため、朝食前に服用するのが一般的になっています。
まとめ
食前に飲むお薬は、食後では効果が十分に発揮されません。
- 吐き気止め
- 糖の吸収を抑える糖尿病薬(α‐GI)
- 骨粗鬆症でよく使われるビスホスホネート製剤
などは食事を摂る前の空腹時に飲むようにしましょう。
食前薬は忘れがちですので、食卓にかならず置いておくなどの工夫をしてみてください。
※食事がお薬に与える影響について知りたい方は、『食前薬や食後薬は守らなきゃダメ?お薬と食事の関係』をお読みください。
執筆・監修
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こちらの記事は、下記の精神科医が執筆・監修しております。

大澤亮太
- 役職:医療法人社団こころみ理事長/(株)こころみらい代表産業医
- 資格:精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医
- 学会:日本精神神経学会