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気分変調症の原因とは?

  • 更新日:2020年09月12日 01:02
  • 作成日:2020年09月12日 01:02

気分変調症とは?

気分変調症とは、何だか気持ちが晴れない状態が続き、何だか上手くいかない思いを抱えている病気です。一言で言えば、慢性的なうつの状態が続く病気です。このような経過をたどるので、気分変調症を性格と考えてしまっている方も少なくありません。

気分変調症は、患者さんを長くみている中で気づかれることもあります。多くはうつが深刻になってしまって病院に相談されますが、ある程度はよくなってもスッキリとしない状態が続いてしまうこともあります。

患者さん本人は性格と考えてしまうことがあるかもしれませんが、そこに気分変調症を考えるべき患者さんもいます。気分変調症のきっかけになるのは、どのような原因でしょうか?ここでは、気分変調症につながる原因を考えていきたいと思います。

気分変調症とうつ病の違い

気分変調症は、うつ病ほど重度ではありませんが、慢性的に続きます。うつ病は、社会生活に支障がでてくるほどの気分の落ち込みなどがみられますので、症状の深さで比較すれば軽度にはなります。

では、うつ病の軽いものと考えてよいのでしょうか?その結論は実はまだついていません。気分変調症にうつ病が合併することもあり、二重うつ病(double depression)などと呼ばれたりもします。

気分変調症の症状は、うつ病よりも主観的なものが目立ちます。本人の心の中での苦しみが強いですが、外見は比較的元気そうに見えたりすることもあります。また、楽しいことなどがあると、一時的に気持ちがはれることがあります。ですが、基本的には気持ちは塞いでいて、時間がたつにつれて辛さが増していく方が多いです。ですから、一日の後半に症状が悪くなることが多いです。

治療としては、どちらも抗うつ薬の効果が期待できます。ですが気分変調症の方が、うつ病と比較すると反応性は悪いです。

気分変調症とうつ病の類似点・相違点をまとめます。

 <類似点>

  •  治療の際、抗うつ剤が効果を示す

<相違点>

気分変調症では、

  •  抑うつ状態が和らぐこともある(気分反応性)
  •  症状が一日の後半に悪化する
  •  うつ病に比べて、症状が主観的である

気分変調症の原因

気分変調症の原因としては、どのようなものがあるのでしょうか?

  • 遺伝
  • 環境
  • 性格

にわけて、みていきましょう。

遺伝

気分変調症の原因には、遺伝的要素もあると言われています。

気分変調症の患者の家族を検査したところ、うつ病を患っている割合が高いというデータもあります。兄弟や二卵性双生児の一方が発病している場合も、発症の可能性が高まるといわれています。

とくに若くして発症する気分変調症には、遺伝の要素が大きいと考えられています。

環境

周囲の環境は大きな影響を与えます。特に思春期ですと、性格形成に影響はあります。

  • 自信を持てない
  • 周りに気を使いすぎる
  • 規則正しい生活を意識しすぎる

といった状況に置かれ、慢性的なストレスを感じると気分変調症の原因ともなります。

その他にも、理想と現実とのギャップが生む無力感や、配偶者や家族の死などに起因する喪失感など、いろいろなストレスから気分変調症につながることがあります。このように、現代社会において深刻化しているさまざまな問題が、この病気の原因となっています。

とくに、すぐに終わることのない困難な境遇の影響が大きいです。例えば、学校や職場でのイジメ、子供時代の親との死別、失業、離婚、経済的困窮、認知症を患う身内の介護などです。

性格

思春期の性格形成の中で、環境は大きな影響を与えます。そういう意味では、気分変調症は性格とは関係しています。ですが、本来の性格はもっと違ったものであったかもしれません。

生まれ持ったものを変えることは難しいですが、後からついたものは変えることができます。

詳しく知りたい方は、気分変調症は性格の問題?心の病気?をお読みください。

気分変調症は少しずつ和らいでいく

気分変調症の方で多いのは、先が見えない長いトンネルの中であきらめてしまいます。どうせ私はこんな人間だからと・・・無価値観に包まれている方が多いです。

仮に性格だとしても、性格は時間をかければ生きづらさを和らげることができます。そういう意味では、気分変調症は治療を重ねていけば少しずつよくなっていきます。

またお薬も、一定の役割を果たします。少しでもお薬によって気分が安定すると、自分自身をみつめていく余裕が出てきます。状態があまりに悪いときは、カウンセリングなどをして内面を見つめていくことは困難になります。

抗うつ剤を中心に使われることが多いですが、過敏さが和らいで気分が安定することだけでも、生きづらさが多少なりともやわらぐこともあります。

まとめ

気分変調症とうつ病は、症状に違いがあります。どちらも抗うつ薬は有効ですが、気分変調症の反応はいまひとつです。

遺伝要因は多少あるといわれていますが、環境要因のほうが大きな影響があります。

性格は環境の影響もうけるので何とも言えませんが、本来の性格は違ったものであったかもしれません。

気分変調症は治療を重ねていけば、少しずつよくなっていきます。

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