治験とは?

治験ってなに?

治験イメージ

世の中には様々なお薬が発売されています。それらのお薬が発売される前には、お薬が本当に効果があるかどうかを調べる必要があります。

それが「治験」になります。治験は新薬を開発するためにはなくてはならないものです。

ここでは、治験とはどのようなものなのか、実情も踏まえてお伝えしていきます。

治験の流れ

治験の流れをイラストでご説明します。 治験イメージ

病気に対する効果が期待できる物質がみつかると、それがお薬として本当に有用なのかを確かめていく必要があります。

そのために、まずは培養細胞や動物などを使ってお薬の効果を確かめていきます。

同じ哺乳類であるラットやマウスが使われることが多く、その段階でボツになってしまう物質も数え切れません。

動物での有用性がわかると、こんどは私たち人間でお薬を使っていく段階になります。これが治験です。

治験では、大きく3つの段階に分けられます。

  • 第1相・・・健康な方にお薬を使って、副作用や安全性を調べます。
  • 第2相・・・患者さんにお薬を使って、有効な用法や用量を調べます。
  • 第3相・・・多くの患者さんに使って、有効性や安全性を調べます。

当院で行っていく治験は、第3相が中心になります。

第3相試験とは、新薬としてふさわしいかどうか、最終確認をする段階です。

この段階にくるまでに、すでに5年~10年ほどの年月が立っていることも少なくありません。

日本の治験の実際

治験の皆さんが思っているイメージをイラストにしました。

新薬といわれると、少し怖いイメージがあるかもしれません。新薬には2つの種類があります。

  • まったく新しい世界初のお薬
  • 海外では使われているけれど、日本では承認されていないお薬

実のところ、日本で行われている治験の多くが②になります。

海外ではすでに使われていて、それを日本でも発売するために治験が行われているのです。

このような新薬では、海外の文献などを読めば用法や用量、効果や副作用などはある程度わかります。

日本は安全が最優先されるお国柄なので、海外では10年以上前に発売されているお薬が、「新薬」として治験が行われることもあるのです。

例えば日本で2016年に発売されたイフェクサーという抗うつ剤(アメリカで1993年に発売)は、すでに海外ではプリスティークという改良版のお薬が発売されています。

海外で使われているお薬でも、

  • 日本人に効果があるのか
  • 日本人に副作用がないのか

などをデータとして示す必要があるのです。

治験を通して有効性と安全性が認められれば、医薬品として承認されるのです。