リラクゼーション法(漸進的筋弛緩法)とは?
- 更新日:2019年08月30日 19:51
- 作成日:2019年09月26日 22:00
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なかなかリラックスができない…という方へ
「リラックスしてください」といきなり言われても、なかなかリラックスができるものではありません。力を抜こうとしても、人の身体には自ずと力がはいってしまいます。
それでは、どのようにしたらリラックスができるのでしょうか?実は、一番筋肉の緊張がとれやすいのは、意識的に筋肉を緊張させた直後なのです。これを利用したリラクゼーション法が、『漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)』という方法です。
漸進的筋弛緩法とは?
- 筋肉は緊張させてから力を抜くと、脱力しやすくなります。『漸進的筋弛緩法』は、これを利用してリラックス状態を身に着けていく方法です。
普段、私たちの体には自ずと力が入っています。何かがおきた時、すぐに動けるように筋肉が緊張して備えているのです。動物としての本能が残っているのでしょう。
ですから、そのまま筋肉を緩めてリラックスしようとしても難しいものです。しかし反対に、意図的に筋肉を緊張させると力が抜きやすくなります。
漸進的筋弛緩法は、そんな筋肉の特性を利用したリラクゼーション法で、アメリカのエドモンド・ジェイコブソンによって開発されました。
この方法では、身体の特定の筋肉に意識を向けながら、意図的に強く緊張をさせ、その後一気に力を抜いて脱力します。筋肉が緩む感覚を味わうことで、身体の緊張状態とリラックス状態の違いを身体にしみこませていきます。
リラクゼーション法の効果
自分の体の緊張やリラックスの状態を意識する中で、自分の身体に対する感覚が敏感になっていきます。
続けるうちに、自分の緊張状態に気づけるようになります。どんな時に緊張し、身体に力が入ってしまうのかがわかってくると、不安や恐怖へのとらわれが薄れていきます。
そして、自分で体をリラックスさせられるようになると、身体の緊張をコントロールできる自信につながります。肩こりや身体のこわばりが改善される方もいらっしゃいます。
漸進的筋弛緩法のやり方
基本は全身の筋肉を順番に意識していきますが、必ずすべての部位で行わなくても、緊張が強いところだけでも結構です。大事なのは、ひとつひとつの筋肉を意識しながら行っていくことです。
①できるだけリラックスできる環境で行いましょう。部屋の明かりは薄暗くし、アロマやヒーリングミュージックなどをかけてもよいかもしれません。寝転んでも、イスに腰掛けても結構です。楽な姿勢をとりましょう。
②準備が完了しましたら、まずは腹式呼吸で呼吸を整えましょう。お腹の下あたりに手をあて、時間をかけて息をゆっくり吐き切り、その後お腹を膨らますように鼻から自然に息を吸いこみます。(腹式呼吸の詳細は、『リラックスする呼吸法とは?』をお読みください)。
③腹式呼吸を数回行ってひと通り落ち着きましたら、まずは手からはじめていきます。片手ずつ行っていきましょう。親指を中にいれて包むようにしてこぶしを握りこみます。この時も呼吸を大事にしてください。息を吸いながら力を込め、吐くときに力を抜くようにしましょう。
④力を抜くときに、筋肉が緩んで緊張がほどけていく感覚を十分にゆっくりと感じてください。これを2~3回繰り返します。
⑤手が終わったら、腕(力コブを作る)、肩(肩をすぼめる)、背中(肩甲骨をよせる)、首(左右にひねる)、顔(全体をすぼめる)、お腹(手を当てて押し返す)、太もも(足を延ばす)、足(そらす)とすすめていきます。
⑥最後に全身をチェックして、緊張が残っていないかを確認します。
セルフケアは心強い味方
漸進的筋弛緩法以外にも、腹式呼吸や自律訓練法など、自分自身でストレスや不安に対応できる方法があります。
どの方法も身に着けてしまえば、自分でリラックス状態をつくりだすことができ、日々の生活での心強い味方となってくれます。ぜひ、試してみてください。
※漸進的筋弛緩法以外のセルフケアについては、『薬に頼らずに不安を解消する4つの方法』をお読みください。
執筆・監修
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磁気刺激による新たな心の治療、東京横浜TMSクリニック併設!
こちらの記事は、下記の精神科医が執筆・監修しております。

大澤亮太
- 役職:医療法人社団こころみ理事長/(株)こころみらい代表産業医
- 資格:精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医
- 学会:日本精神神経学会