特定健康診断(特定健診)
当院の特定健康診断について
当院は医師会に入会しており、特定健康診断(特定健診)を実施しています。特定健診とは、おもに生活習慣病の早期発見を目的としている健診になります。
医師からも結果を説明させていただき、必要がある方には適切な治療を行っていきます。
国民健康保険(川崎市にお住まいの方)・被用者保険(会社で入っている保険)のご家族の方(扶養に入っている方)、当院ではすべての方の特定健診が可能です。
費用につきましては、各健康保険組合によって補助額が異なります。保険組合にご確認ください。
当院では、できるだけ電話予約をお願いしております。
※当院では、「動機づけ支援」などの保健指導は行っておりません。
当院の特定健診の流れ
特定健診をご希望の方は、受付でその旨をお伝えください。そして、以下をご提示ください。
- 特定健診の受診券・利用券
- 窓口負担額変更通知書(届いている方のみ)
- 保険証
その後、初診時問診表にご記入をお願いします。内科を受診された際の問診表と同様のものになりますが、病歴やアレルギーなどを把握するためにお願いしています。
記入が終わりましたら、受付にご提出をお願いします。受付より、
- 血圧測定のお願い
をさせていただきます。
血圧に関しては、内科待合室に自動血圧計がございます。そちらで測定いただき、結果の用紙を受付にご提出ください。(高い値が出た場合は、2回測定してください。)
終わりましたら医師の診察になりますので、番号が呼ばれるまで待合でお待ちください。
診察がおわりましたら、残りの検査を処置室にて行います。スタッフの準備が整いましたらお声掛けさせていただきます。処置室にて、身長・体重・腹囲の測定、心電図 (必要時)、採血などを実施いたします。
以上で特定健診は終了となります。結果は、後日に説明させていただきます。
特定健診の目的とは?
特定健診は、メタボ健診ともいわれています。
糖尿病や高血圧、脂質異常症などといった生活習慣と密接に関係している病気は、すぐに症状にあらわれるわけではありません。
徐々に体をむしばんでいき、動脈硬化がすすんでいきます。その結果として重要な血管が詰まってしまったり、出血してしまいます。例えば心筋梗塞や脳梗塞など、死にも直結する病気にもつながります。
それだけでなく、様々な合併症を引き起こすことがあります。それによって健康に生活することができなくなり、苦しい余生を余儀なくされる方もいらっしゃいます。
こういった生活習慣病から重大な病気に発展するのを予防するために、平成20年4月より特定健診がはじまりました。
特定健診の対象者
特定健診は、40歳~74歳の国民健康保険に加入されている方 または扶養に入っている方が対象になります。健康保険のご状況によって、特定健診の流れが少し異なります。
それぞれの状況によって、以下のようになっています。
- 国民健康保険の方 :6月ごろに受診券が送られてきます。翌年の3月末までにお近くの医療機関で受けることができます。
- 扶養に入っている方:保険組合から特定健診の案内が届き、医療機関で特定健診を受けることができます。
特定健診の費用
特定健診の費用については、それぞれの保険組合によって異なります。
特定健診と同様の検査を行う場合、本来ならば9,000円弱の費用がかかっています。(医療機関によって差はありません)それを保険組合が助成してくれるのですが、その金額が保険組合によって異なるのです。
国民健康保険の例としては、当院の所属する川崎市を例に挙げてみましょう。※当院では、川崎市にお住まいの方のみとなります。
- ほとんどの方・・・1,200円
- 市・県民税非課税世帯等の方・・・400円
- 特定被災区域に居住していた方・・・0円になる場合あり
このように、収入によって自己負担額の減免があることが多いです。「〇〇歳以上は無料」といった形で、年齢によって減免をしている自治体もあります。
被用者保険(企業の保険)は、組合によっても様々です。完全に無料になるような保険組合もあれば、それなりの金額が必要になる保険組合もあります。お知りになりたい方は、ご自身が加入されている保険組合にお問い合わせください。
保険組合は、加入者が毎月支払う保険料で運営されています。特定健診は早期発見・早期治療することで、将来の病気を防ぐ目的があります。長期的な視点では医療費の抑制が期待できます。
その一方で、目の前のお金がかかってしまいます。このため、それぞれの保険組合の財政状況や考え方によって、助成額が異なっているのです。
特定健診の検査項目
特定健診の検査項目は、以下の項目になります。
- 質問票(喫煙歴・服薬歴など)
- 身体測定(身長・体重・腹囲)
- 血圧測定
- 血液検査(脂質・血糖・肝機能)
- 尿検査(尿糖・尿蛋白)
- 身体診察
具体的な血液検査の項目としては、以下が基本とされています。
- 脂質検査・・・中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール
- 血糖検査・・・空腹時血糖 or HbA1c
- 肝機能検査・・・GOT、GPT、γ-GTP
必要があれば、以下の項目も調べることが望ましいとされています。
- 腎機能・・・血清クレアチニン
- 痛風・・・尿酸
そして医師が必要を認めた場合、以下の項目も追加で実施することができます。(追加で自己負担が発生する場合もあります。)
- 心電図・・・不整脈の有無
- 眼底検査・・・糖尿病性網膜症や緑内障の有無
- 貧血検査・・・赤血球、血色素量、ヘマトクリット値
当院では眼底検査は行えないため、必要に応じて他院をご紹介させていただきます。それ以外の検査につきましては、すべて実施することができます。
当日に必要なもの
特定健診当日には、以下の3つをご持参ください。
- 特定健診の受診券・利用券
- 窓口負担額変更通知書(届いている方のみ)
- 保険証
採血の結果は当日に測定できることもあります。できれば、
- 前年度の健診や直近の採血の結果
をお持ちいただけると、より適切な保健指導を行うことができます。
特定健診のアフターフォロー
特定健診を実施したのち、健康リスクの高い方が保健指導の対象となります。医療機関から保険組合にデータが送られ、それをもとに3つのステップでリスクを評価していきます。
【①内臓脂肪の程度とBMI】
- 腹囲♂≧85㎝ ♀≧90㎝
- BMI≧25で上の条件を満たしていない
まずはこの条件を満たすかどうかで判断します。どちらかの条件を満たしていれば、 生活習慣病のリスクを判断します。
【②生活習慣病のリスク】
- 血糖:血糖値>100mg/dl、HbA1c>5.2、薬の治療中
- 脂質:中性脂肪>150mg/dl、HDL<40mg/dl、薬の治療中
- 血圧:上の血圧>130mmHg、下の血圧>85mmHg、薬の治療中
- 喫煙歴:喫煙歴あり(上の3つのどれかがある時にカウント)
血糖・脂質・血圧は、凝られのいずれかを満たせば「リスク1つあり」と判断します。
【③保健指導のレベル分け】
①番のどちらかによって、レベル分けが異なります。
- ①1の場合:
リスク2以上→積極的支援
リスク1→動機づけ支援
リスク0→情報提供 - ①2の場合:
リスク3以上→積極支援
リスク1~2→動機づけ支援
リスク0→情報提供
これに基づいて、特定保健指導が行われます。
特定保健指導の流れ
お伝えした流れで、保健指導の対象者かどうかが判断されます。保健指導対象者には、保険組合から保健指導の利用券が送られてきます。
それをもって保健指導を行っている医療機関に受診いただき、保健指導をうけることができます。
初回は、看護師や栄養士による保健指導を20分あまり行います。その中で生活習慣の目標を明確にしていきます。動機づけ支援と積極支援によってかかわりを行っていきます。
- 動機づけ支援:初回の保健指導+6か月後の実績評価
- 積極支援:初回の保健指導+3カ月間の継続的サポート+6か月後の実績評価
このような保健指導が行われますが、保健指導はすべての医療機関が行っているわけではありませんし、大きな病院でなければ積極支援までは行っていません。事前にご確認ください。
当院では、特定保健指導は実施していません。
動機づけ支援では、
- どうして、禁煙が必要か
- 脂質、糖尿病、高血圧を放置するとどうなるか
- 実際の目標腹囲、体重、血圧はどれ位か
- 一日の目標エネルギー量、必要運動量
を行っていき、6か月後に再度面談で評価する形となります。動機づけ支援を実施している医療機関でご相談ください。