簡易睡眠時無呼吸検査

簡易睡眠時無呼吸検査

簡易睡眠時無呼吸症候群検査(アプノモニター)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を診断するための簡易検査として、当院ではアプノモニターを行うことができます。

夜中にいびきをしていたり、息が止まってしまうような方は、睡眠中に呼吸がうまくできなくなっているかもしれません。放っておくと心臓に負担がかかり、睡眠不足から仕事や私生活に影響もでてしまいます。

睡眠時無呼吸症候群の診断をするためには、まずは簡易検査から行っていきます。簡易検査であたりをつけて、必要な方には精密検査を行っていきます。

当院では、簡易検査はメーカーに外注しています。このため、複数メーカーの簡易検査を行うことができます。

アプノモニター検査の流れ

アプノモニター検査を希望される方は、まずは内科外来を受診していただきます。

医師にご相談いただき、睡眠時無呼吸症候群の評価をしていきます。必要があれば、身体の状態の検査をさせていただきます。

検査を希望される方には、基本的に実施していただくことができます。医師の方から検査メーカーの提案をさせていただきます。当院から検査申し込みをさせていただき、後日メーカーよりご連絡させていただきます。

検査費用については当日に、保険を適応して診察費とともにお会計いたします。

アプノモニター検査の方法

アプノモニター(簡易睡眠時無呼吸検査)は自宅でできるため、検査のために仕事を休んだり、日常生活の予定をずらす必要がない検査です。

検査方法としては寝る前に、

  1. SpO2プローブを指に装着する
  2. 鼻にカニューレを装着する

という2つの準備が必要です。

①のSpO2プローブは、体の酸素状態を見る機械です。睡眠時無呼吸症候群の方は、気道が狭くなることで酸素がうまく取り込めず、低酸素状態になります。低酸素状態になったかを、指につけたSpO2プローブで確認します。

②の鼻のカニューレは、呼吸の空気の流れといびき音を確認します。この2つの検査は、取り付けるだけで全く痛みもないですし、簡単にできる検査です。また特別な準備も必要ないため、気軽にできる検査です。

これによって、

  • 呼吸状態
  • 酸素状態
  • いびきの状態

を調べていくことができます。検査のイメージとしては、以下のようになります。

検査のイメージ

ウォッチパッド

当院では簡易アプノモニター検査がうまくできなかった方に、フィリップス・レスピロニクス社が開発した「ウォッチパット ユニファイド」による追加検査を行っています。

ウォッチパット ユニファイドは、2014年4月に導入された非常に新しい検査です。簡易型アプノモニター同様に、指に機械を取り付けて測定する器械です。

簡易型アプノモニターでは、いびき音を確認するため鼻にカニューラを取り付けました。ウォッチパット ユニファイドはカニューラの代わりに、首にいびき確認センサーを取り付けていただきます。

検査のイメージ

ウォッチパット ユニファイドは、指に取り付けた機械によって、先ほどのSpO2(体の酸素状態)を測定する検査に加えて、末梢動脈波を精度良く測定する機能が加わっています。

末梢動脈派を細かく見ることで、

  • 覚醒
  • 睡眠状態(軽睡眠・深睡眠・REM睡眠)

の区別をすることができます。これによって精度を高めて検査を行うことができます。

従来のアプノモニターは、

  • (低酸素状態になっている低呼吸+10秒以上呼吸が停止した無呼吸)÷測定時間(アプノモニターを装着している時間)=1時間当たりのAHI

を測定するようになっていました。

装着している時間にずっと測定しているため、起きてる時間も含めてカウントしてしまいます。これによって、本来のAHIよりも低い値が出てしまう傾向にあるのです。その結果、本来は治療すべきなのに治療適応のラインを下回ってしまうこともあります。

ウォッチパット ユニファイドは、入院でのポリソムノグラフィー(PSG)と強い相関があることが示されています。

アプノモニターの特徴

アプノモニターは、自宅でできる簡易な検査となります。

また簡易アプノモニターは、そこまで高額な検査ではありません。保険診療にて720点になりますので、3割負担の方は2,160円、1割負担の方は720円で検査できます。

当院はさまざまなメーカーと提携して検査を行うことができます。

  • 帝人
  • チェスト(ソリュウション)
  • フクダ電子
  • 星医療酸器
  • フィリップス

ご希望があればおっしゃってください。

アプノモニターの特徴をまとめると、

  • 自宅で可能
  • 検査も簡単
  • 高い検査ではない

このようになります。

アプノモニター検査後の流れ

アプノモニターでは、おおざっぱな重症度が分かります。

検査結果は、AHIをみていきます。AHIとは、

  1. 低酸素状態になっている低呼吸
  2. 10秒以上呼吸が停止した無呼吸

の合計が一時間に何回あるかになります。

AHIが、

  • 正常・・・AHI 5未満
  • 軽症・・・AHI 5~15未満
  • 中等症・・・AHI 15~30未満
  • 重症・・・AHI 30以上

と診断されます。つまりAHIが5以上あれば、睡眠時無呼吸症候群と診断できるのです。

簡易検査であるアプノモニターでは、

  • 簡易型アプノモニター・・・AHI 40以上

となれば、すぐにCPAPでの治療を行うことができます。

明らかに重症でなければ、終夜ポリソムノグラフィー(PSG)という精密検査を受ける必要があります。

  • ポリソムノグラフィー(PSG)・・・AHI 20以上

でCPAP治療の適応になります。

当院では、

  • 入院での終夜ポリソムノグラフィーのご紹介
  • 在宅での終夜ポリソムノグラフィ―検査

をさせていただきます。

詳しくは、ポリソムノグラフィー検査についてをお読みください。