月経異常(月経困難症/PMS・PMDD、過多月経、不正出血)

月経異常(月経困難症/PMS・PMDD、過多月経、不正出血)

月経異常について元住吉駅前院の婦人科医が詳しく解説します。

月経困難症

月経困難症とは、月経に伴って生じる下腹部痛や腰痛、悪心・嘔吐、頭痛などが原因で社会生活(就労や就学など)に支障を来たす状態のこと

症状

  • 腹痛
  • 頭痛
  • いらいら
  • 吐き気
  • 憂鬱
  • 倦怠感

種類

器質性月経困難症 と 機能性月経困難症があります。

器質性月経困難症

子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症など、子宮に何らかの疾患を伴うタイプです。

機能性月経困難症

病気を原因としない、体質による月経困難症です。10−20代の若い方に見られることが多いです。

治療

  1. 低用量ピル
  2. 漢方薬
  3. 薬物療法
  4. 黄体ホルモン剤
  5. ミレーナ

月経前症候群(PMS)

月経(生理)が始まる3~10日ほど前から身体や心にいろいろな症状が起こる病気です。これらの症状は月経の開始とともに弱まったりなくなったりします。

月経のある女性のおよそ70~80%は月経の前に何らかの不快な症状を感じるといわれていますが、PMSはその症状の程度が強い状態です。症状は軽いものから、日常・社会生活に支障をきたす重いものまでさまざまです。

イライラや気分の落ち込み、不安感がある、怒りっぽいといった精神症状、下腹部や乳房の張り・痛み、頭痛、手足のむくみといった身体症状が代表的です。

治療法

  1. 生活習慣の見直し
  2. 低用量ピルを使ったホルモン療法
  3. 漢方薬療法

 などがあります。

PMDD(月経前不快気分障害)

PMSのなかでもとりわけ精神的不調の程度が重く日常生活に支障をきたすほどの状態は月経前不快気分障害と呼ばれます。

治療法

  1. 鎮痛剤
  2. 漢方薬
  3. 低用量ピル

 生活習慣や職場環境、家族関係も深く関係しています。

過多月経

「経血にレバー状の塊が混じることがある」、「昼でも夜用ナプキンを使う日が3日以上続く」、「動悸、息切れ、めまいがする」ような場合には、過多月経を疑う必要があるかもしれません。過多月経の結果、日常生活に影響を及ぼすだけでなく、鉄欠乏性貧血がみられることも多くあります。

原因

  1. 子宮筋腫
  2. 子宮腺筋症
  3. 子宮内膜ポリープ
  4. 子宮内膜症
  5. 子宮がん
  6. ホルモンバランスの乱れ

治療

  1. ミレーナ
  2. 低用量ピル
  3. 黄体ホルモン製剤・ジェノゲスト

不正出血

ホルモンの異常やさまざまな病気により、月経(生理)時以外に性器から出血することを不正出血といいます。子宮がん検査やおりものの検査、超音波検査を行う場合があります。

検査

  1. 子宮がん検査
  2. おりものの検査
  3. 尿検査
  4. 超音波検査

 を行う場合があります。

婦人科の情報発信

当院を運営している医療法人社団こころみでは、婦人科の情報発信を積極的に行っています。

産婦人科専門医が執筆・監修しています。ぜひ治療にあたりまして、参考にしていただければ幸いです。