タイミング療法について

夫婦で妊活をがんばっているんだけれど、なかなか授からないとお困りではありませんか？
通常では、女性は月に１度しか排卵が起こりません。
１回の月経周期において女性が妊娠可能である時期は数日間に限られているので、やみくもに行為を行ってもなかなか結果に結びつかないことがあります。
婦人科での簡単な検査を受けていただくことで、妊娠しやすい日を推定することができます。
婦人科ではこうした妊娠の確率を上げる診療も行っております。
このような治療法を「タイミング療法」と言います。
この記事では、タイミング療法について解説していきます。

妊娠しやすい日とは？

性行為を行うと、精子は子宮の出入り口である子宮頸管（けいかん）から子宮の中へ侵入し、卵管で卵子と出会うと受精します。
精子は頸管内に一度、蓄えられた後に少しずつ子宮内へ放出されると言われています。
このため排卵日よりも前の性交が多い方が、妊娠の確率が上がります。
排卵日の５日前の性交から妊娠する可能性はあります。
最も妊娠しやすいタイミングは、排卵日の２日前です。
次に可能性が高い日は排卵日の前日です。
排卵日の翌日以降の性交では妊娠の可能性はないとされています。

どうやって排卵日を推定するか？

内診台に上がっていただき、経腟超音波検査を行います。
超音波検査では、子宮内膜の状態や卵胞の育ち具合を見ています。
月経３日目頃、卵巣内には10㎜以下の小さな卵胞が数個見えます。
この中で一つの卵胞が少しずつ育ち大きくなっていきます。
卵胞は、20〜22㎜くらいの大きさになると排卵します。
子宮内膜は受精卵が着床する場所であり、妊娠するには内膜の状態が良いことも大切です。
月経終了直後は、内膜は薄い状態です。
排卵日が近づくにつれて子宮内膜は少しずつ厚みを増していき、準備をすすめていきます。
排卵の時期になると、子宮内膜は植物の葉っぱのように見えます。
厚さは8㎜を超えていると好ましいとされています。
尿中LHを測定することによっても排卵日を推定することが可能です。
卵胞が16㎜を超えた頃より測定を開始するといいでしょう。
１日２回程度測定を行い、陽性が出たらその日に性交を行うようにしてください。

タイミング療法の実際

赤い出血が始まった日を月経１日目とカウントします。
月経10日目前後にクリニックへお越しください。
超音波検査を行い、子宮内膜と卵胞のサイズをチェックします。
卵胞のサイズが15㎜以下であれば２－３日後に再度来ていただきます。
卵胞は１日で1.5〜2㎜成長すると言われています。
卵胞のサイズが20㎜近くになれば、いよいよタイミングをとる時期です。
こちらから日付をお伝えするので、毎日または１日おきに夫婦生活を行ってください。
ご夫婦それぞれの都合があると思いますので、無理のない範囲内で大丈夫です。