鼻水が止まらない?原因と見逃せない症状を医師が解説
鼻水が止まらないとき、その原因にはさまざまなものがあります。
しかし、鼻水が出る原因としては、風邪の兆候からアレルギー反応、さらには重大な健康問題のサインである可能性もあります。
この記事では、鼻水の原因と、見逃してはならない警告サインについて詳しく説明します。
鼻水の一般的な原因
それでは、まずは鼻水の一般的な原因について述べていきます。
風邪やインフルエンザ
ウイルス感染が最も一般的な原因で、鼻水、くしゃみ、咳などが伴います。
アレルギー
花粉やハウスダストなどのアレルゲンによる反応で、季節によって症状が出ることが多いです。
副鼻腔炎
鼻の奥の副鼻腔が炎症を起こし、粘り気のある鼻水がでたり、顔や前頭部の痛みを引き起こしたりすることがあります。
原因による鼻水の性状の違い
鼻水の原因について述べたところで、それぞれの原因による鼻水の性状の違いについて解説していきましょう。
風邪の鼻水
透明または白色で、他の風邪症状である、咳やくしゃみとともに現れることが多いです。
アレルギー性鼻炎の鼻水
通常、透明で水のような鼻水が特徴です。目のかゆみやくしゃみも同時に起こりやすいです。
副鼻腔炎による鼻水
色が黄色や緑色をしており、顔の痛みや押さえると痛むという症状が伴います。
急性副鼻腔炎の場合には、発熱をきたすこともあります。
見逃してはならない鼻水の特徴
次に、ここでは見逃してはいけない鼻水の特徴についてご説明しましょう。
鼻血が混じる鼻水
鼻血が混じる鼻水は、単に乾燥や軽い鼻のトラウマによるものであることが多いです。
しかし、鼻腔内の感染や慢性の炎症、時には高血圧のサインとして現れることがあります。慢性的な高血圧と鼻血との関連が指摘されている報告があるのです。
また、特に繰り返し鼻血が見られる場合は、血液の疾患や凝固障害(血が固まりにくい、あるいはすぐに固まってしまう病気)の可能性も考えられ、注意が必要です。
片側の鼻の穴から出る鼻水
通常、鼻水は両方の鼻から均等に出るため、一方の鼻の穴からだけ出る鼻水は何らかの異常がある可能性を意味しています。
原因としては、鼻中隔偏位や異物の存在、副鼻腔炎、または鼻腔内腫瘍やポリープなどがあります。診断と治療のために専門医の診察を受けることが重要です。
臭いがする鼻水
鼻水に臭いがする場合、細菌性の感染症が原因となることがあります。
特に悪臭を伴う場合、鼻腔や副鼻腔の感染症が進行している可能性があります。
この状態は副鼻腔炎の合併症であることが多く、放置するとさらに症状が進んでしまうおそれもあるため、早めに耳鼻咽喉科の受診をしましょう。
鼻水の治療方法と自宅でできる対処法
では、鼻水の治療法と自宅で出来る対処法についてご説明します。
病院で行う治療
以下には、内科や耳鼻咽喉科での鼻水の治療について解説します。
抗生物質
副鼻腔炎や細菌感染が原因の場合、医師は抗生物質を処方することがあります。
処方された薬は、きちんと最後まで飲み切ることが大切です。
抗ヒスタミン薬
アレルギー性鼻炎には抗ヒスタミン薬が効果的で、症状を軽減させます。
点鼻薬
鼻詰まりを解消するために処方されることが多いです。使用は短期間に留めるべきとされています。
ステロイド薬
長期間にわたる鼻の炎症に対して、ステロイドの点鼻薬や内服薬が用いられることがあります。
自宅でできる対処法
鼻水が出る症状に対して、自宅でできる対処法には何があるでしょうか。
ここでは、家庭で行うことができる方法について述べていきます。
適切な湿度の維持
加湿器を使用して室内の湿度を適切に保ち、鼻腔の乾燥を防ぎます。
十分な水分摂取
水分を多く摂ることで、粘膜を潤し鼻水を薄めて排出しやすくします。
温かい飲み物
ハーブティーや温かいスープを摂ることで、喉の痛みを和らげ、鼻詰まりを軽減する助けになります。
蒸気の吸入
熱いシャワーを浴びるか、顔を温かい水の上にかざしタオルで覆うことで、蒸気を吸入します。これにより、鼻の通りが良くなる効果が期待できます。
鼻を優しくかむ
力強く鼻をかむと、耳や副鼻腔への圧力が増してしまうため、ソフトに鼻をかむことが重要です。
鼻水に関連する生活習慣の改善
それでは最後に、鼻水が出る症状に対してできる生活習慣の改善方法についてご紹介しましょう。
タバコを吸わない
喫煙は鼻腔と喉の炎症を悪化させるため、タバコを吸っている場合には禁煙がおすすめです。
タバコは、鼻水以外の呼吸器系の健康にも繋がります。
アレルゲンへの対策
アレルギーの原因となる物質を特定し、それらを避ける措置を講じることが重要です。
例えば、ペットの毛、花粉、ハウスダストなどが挙げられます。
規則正しい睡眠と栄養バランスのとれた食事
副鼻腔炎などの感染症に強い体を作るためには、免疫機能を高めることが大切です。
体の抵抗力を保つためには、質の高い睡眠と栄養が必要です。
まとめ
鼻水が止まらない場合の原因にはさまざまなものがあります。
そして、適切な対処法が求められます。
今回の記事では、一般的な原因から警告サイン、さまざまな治療方法までを解説しました。
特に、症状が改善しなかったり、あるいは悪化したりする場合には、耳鼻咽喉科などの医療機関を訪れることが推奨されます。
日常生活での簡単な対策と合わせて、鼻水の改善・予防に努めましょう。
鼻水が止まらないという症状にお困りの方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
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カテゴリー:よくある耳鼻科の症状 投稿日:2024-07-26
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