【医師監修】鼻づまりの原因と解消法|子ども・妊婦の安全な対処まで
鼻づまりの原因となる主な病気
風邪を引いたときなどによく現れる「鼻づまり」。
鼻づまりは風邪以外にも現れることがあり、鼻がつまるのには大きく3つの原因があります。
- 鼻の内側の粘膜が腫れて、通り道がせまくなる
- ねばい鼻水がたまって、空気の通りをふさぐ
- 鼻の形や骨などの構造の問題で、空気が通りにくい
この記事では、鼻づまりの原因となる主な病気について解説します。
風邪(急性鼻炎)による一時的な鼻づまり
風邪をひくと、鼻の粘膜がウイルスによって炎症を起こして腫れます。
そしてウイルスを身体の外に排出しようと鼻水が増えます。
風邪の時の鼻水は、風邪が進行するにつれて、水のような鼻水から黄緑色っぽい粘りのある鼻水へと変化するのが特徴です。
多くの場合は、数日〜1週間程度で自然に改善するため、特別な治療をしなくても治ることがほとんどです。
アレルギー性鼻炎・花粉症による慢性的な鼻づまり
花粉やハウスダストなどのアレルゲンに反応して鼻粘膜が腫れることで、鼻づまりを感じます。
くしゃみや鼻水を伴うこともありますが、鼻水はサラサラした水のような鼻水で、鼻をかんで鼻水を出し切っても鼻づまりが解消しない感覚があることが特徴です。
花粉の季節にだけ起こる「季節性」と、ハウスダストなどが原因で起こる「通年性」があり、日常生活に支障が出やすい鼻づまりです。
副鼻腔炎(蓄膿症)による頑固な鼻づまり
風邪やアレルギーをきっかけに副鼻腔(下図の緑色部分)に炎症が起き、膿(うみ)がたまってしまうのが副鼻腔炎です。
粘り気のある黄色や緑色の鼻水と一緒に、強い鼻づまりが続くのが特徴です。
鼻づまり以外にも、頭痛や顔面痛・顔面圧迫感を伴う場合もあります。

鼻中隔湾曲症など鼻の構造の問題による鼻づまり
鼻の真ん中を仕切る壁(鼻中隔)が曲がっていると、片側の鼻が狭くなり、常に同じ側に鼻づまりを感じることがあります。
これは生まれつきや成長の過程で起こるもので、市販薬では改善が難しい場合が多く、手術によって治療することもあります。
妊娠をきっかけに起こる鼻づまり
妊娠中はホルモンバランスの変化や血流の増加により、鼻粘膜がむくみやすくなります。
その結果として鼻づまりを感じやすくなるのです。
これを「妊娠性鼻炎」と呼びます。
妊婦さんの約5人に1人が経験するといわれ、多くは出産後に自然と治まりますが、妊娠中は薬を使いにくいため、安全なセルフケアが大切です。
子どもの鼻づまり
子どもの鼻は大人に比べて狭いため、少し腫れたり鼻水が出たりするだけで空気の通り道がふさがりやすくなります。
さらに、子どもは自分で上手に鼻をかめないため鼻水がたまりやすく、アデノイド(咽頭扁桃)の肥大も鼻づまりの一因となります。
数日たっても鼻づまりが良くならない、呼吸が苦しそう、授乳や睡眠に支障が出ているなどの場合は、小児科や耳鼻科を受診させましょう。
その他の原因(鼻ポリープ・腫瘍・薬剤性鼻炎など)
鼻の中にできるポリープ(鼻茸:はなたけ)が空気の通り道を塞いだり、まれに腫瘍や異物が鼻づまりを引き起こすこともあります。
また、市販の点鼻薬を長期間使いすぎると、「薬剤性鼻炎」といってかえって鼻がつまりやすくなる場合もあります。
特に片側だけ続く鼻づまりは注意が必要です。
鼻づまりがある時に行われる検査
鼻づまりが長引いたり、片側だけ続いたりする場合には、耳鼻科で検査を受けることがあります。
ここでは代表的な検査方法を紹介します。
視診(鼻鏡検査・ファイバースコープ)
医師が鼻の中を直接観察する基本的な検査です。
鼻鏡や細いファイバースコープ(カメラ)を用いて、粘膜の腫れ、鼻中隔のゆがみ、ポリープや腫瘍の有無などを確認します。
痛みはほとんどなく、数分で終わることが多いです。
画像検査(X線・CT)
副鼻腔炎(蓄膿症)や腫瘍、構造的な異常を詳しく調べるときに使われます。
特にCT検査は副鼻腔の状態を立体的に確認できるため、慢性副鼻腔炎や手術前の評価に役立ちます。
症状が強い場合や長引く場合に行われます。
アレルギー検査(血液検査)
花粉症や通年性アレルギー性鼻炎が疑われる場合に行われます。
少量の血液で複数のアレルゲンを一度に調べることができるのが特徴です。
アレルゲンが明確になるので、治療方針や生活習慣の工夫につなげやすくなります。
結果が出るまで数日かかる場合があります。
自宅でできる鼻づまり解消法
鼻づまりは薬に頼らなくても、自宅での工夫でかなり楽になることがあります。
原因に応じて効果が異なりますが、無理のない範囲で取り入れてみましょう。
蒸しタオルで鼻を温めて血行を促す
濡らしたタオルを電子レンジで軽く温めて、鼻の付け根にのせる方法です。
温熱と蒸気で鼻の周りの血流が良くなるので、鼻の中の腫れが引きやすくなり、鼻づまりがやわらぐことがあります。
火傷に注意して、1〜2分ほど当てるのがおすすめです。
鼻うがい(鼻洗浄)で鼻の中をすっきりさせる
生理食塩水や市販の洗浄液で行う鼻うがいです。
鼻の中を洗い流すことで、たまった鼻水や花粉などのアレルゲンが取り除かれ、通りが良くなります。
ぬるま湯を使い、1日1〜2回程度にとどめると安全です。
やりすぎると逆に粘膜を傷つけることがあるため、正しい方法で行いましょう。
部屋を加湿して鼻の粘膜の乾燥を防ぐ
乾燥は鼻づまりを悪化させる大きな要因です。
加湿器を使ったり、濡れタオルを部屋にかけるなどして、湿度を40〜60%に保ちましょう。
鼻粘膜のうるおいを守ることができます。
冬やエアコンを使う時期は特に効果的です。
子どもの鼻づまりを和らげる鼻吸引
子どもは自分で上手に鼻をかめないため、鼻水吸引器でこまめに吸い取るのも効果的です。
綿棒で鼻の入り口を掃除するのもよいですが、奥まで入れすぎないよう注意が必要です。
夜眠れないときの姿勢の工夫
鼻づまりで寝苦しいときは、枕やタオルで上半身を少し高くしたり、横向きになって寝ると鼻の通りがよくなります。
乳児の場合は、ベッドのマットレスの下にタオルを入れて緩やかな傾斜をつける方法もありますが、安全面に十分配慮しましょう。
まとめ:早めに対処してつらい鼻づまりを解消しよう
鼻づまりは「そのうち治る」と放置しがちですが、長引くと生活の質に大きな影響を与えます。
- においが分かりにくくなる
- 眠りが浅くなる
- 集中力が落ちる
など、仕事や学業、育児にも支障が出てしまうことがあります。
早めに対処することが、回復への近道です。
受診の目安としては、
- 数週間以上鼻づまりが続く
- 片側だけが常につまる
- 膿のような鼻水や顔の痛みを伴う
- 子どもの場合で、苦しそう、授乳や睡眠に支障が出る
- 妊娠中・基礎疾患があるなど
があげられます。
まずは原因に合ったセルフケアを試してみて、それでも改善しなければ耳鼻科を受診しましょう。
特に子ども、妊娠中の方、基礎疾患のある方は、早めに医師に相談すると安心です。