クラリス（一般名：クラリスロマイシン）の効果と副作用

クラリス（一般名：クラリスロマイシン）

クラリスとは？

クラリスは、マクロライド系に分類される抗生物質です。
体内で細菌が増えるのをブロックします。

クラリスは以下の特徴をもつお薬です。

抗生物質は苦味のあるお薬が多いため、服用回数が少ないお薬はお子さんへの負担が少ないというメリットがあります。

なお、同一の有効成分を含む「クラリシッド」というお薬が販売されています。
製薬メーカーが異なるためお薬の名前も異なりますが、クラリスと同じクラリスロマイシンを含むお薬です。

クラリスの主な適応症

添付文書によると、小児に対する主な適応症は以下のとおりです。
（クラリスの添付文書参照）

クラリスは主に、呼吸器や耳鼻科領域の感染症治療に使用されます。

クラリスの効果

クラリスは、細菌のタンパク質合成をブロックします。
タンパク質合成ができないと、細菌は生命を維持したり増殖したりできなくなります。

クラリスは、細菌の増殖を抑制することで感染症を改善するお薬です。

小児を対象に行われた一般臨床試験では、以下の結果が報告されています。
（クラリスのインタビューフォーム参照）

クラリスは、血中濃度よりも高い濃度が体液・組織に移行する特徴をもち、感染部位で優れた効果を発揮します。

クラリスの用法

添付文書によると、小児に対するクラリスの用法は以下のとおりです。
（クラリスの添付文書参照）

1日体重1kgあたり10〜15mg（力価）を2〜3回に分けて経口投与

空腹時でも食後でも服用できます。
保育園や学校に行っていて、昼間にお薬が飲めない場合は1日2回で処方されることも多いお薬です。

飲み忘れたときは

クラリスを飲み忘れたときは、気がついたときに1回分を服用します。
次にお薬を飲むまで、5時間以上の間隔をあけて服用しましょう。

クラリスの剤形と特徴

小児には「ドライシロップ」と「小児用錠剤」という2つの剤形からお薬が選択されます。

クラリス錠小児用は、比較的小さな錠剤です。
錠剤を飲むときは、水でそのまま服用するか、服薬補助ゼリーを使用する方法があります。

5歳以上であれば小さな錠剤を飲めるお子さんもいますが、錠剤が飲めるようになるまではドライシロップの方が飲みやすいでしょう。

クラリスドライシロップを飲みやすくする工夫

クラリスは比較的苦味が強く飲みづらいお薬です。
ドライシロップはそのまま粉薬として服用したり、溶かしてシロップ状にしたり、お子さんに合わせた方法で服用しましょう。

飲みづらいときは食品に混ぜることができます。

食品に混ぜるときは、以下の注意が必要です。

なお、クラリスドライシロップは、ほかのお薬と一緒に飲むと苦味が強くなることがあります。
ほかのお薬と混ぜたい場合は薬剤師に相談しましょう。

クラリスの主な副作用

臨床試験では、小児1,009例のうち以下の副作用が報告されています。
（クラリスのインタビューフォームを参照）

クラリスの服用後は、特に下痢の副作用に注意が必要です。
便が柔らかくなったり、排便回数が多くなったり、異常が見られるときは医師に相談しましょう。

また、重大な副作用として、ショック（頻度不明）やアナフィラキシー（頻度不明）のような副作用が報告されています。
はじめてお薬を服用するときは経過を観察しましょう。

ジェネリック医薬品について

クラリスには、ジェネリック医薬品が販売されています。
製薬メーカーによって味や見た目が変わることがあります。
ジェネリック医薬品について気になる方は、薬剤師に相談しましょう。

まとめ

クラリスは、体内で細菌が増えないようにするお薬です。
口の中にお薬が残って苦味が出るのを防ぐために、服用後は水やお茶を飲みましょう。
副作用の頻度は比較的少ないですが、体調変化がないか経過観察が必要です。