モビコール（一般名：マクロゴールほか）の効果と副作用

モビコール（一般名：マクロゴール4000、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム散）

モビコールとは？

モビコールは、慢性便秘症の治療薬です。
腸内の水分量を増やして便秘を改善する効果があります。

モビコールの特徴は以下の通りです。

欧米では長い間使用されているお薬で、日本では2018年に発売されました。

モビコールには以下の2種類の規格があります。

モビコールは個包装された粉薬で、LD 2包がHD 1包に相当します。
モビコールLDを2包ずつ服用している方などに、HDが処方されることがあります。

モビコールの適応

添付文書によると、モビコールの適応症は以下の通りです。

離乳食をはじめたとき、ミルクをやめたときなど、子どもは食事内容の変化から便秘を起こすことがあります。
また、入園や引っ越しなど、環境の変化も便秘の原因となります。
硬くなった便の排便時はお尻の痛みを生じやすく、子どもは排便をいやがり便秘が悪化しやすいため注意が必要です。
自分の力で便が出せないときは、お薬で排便を促しましょう。

モビコールの効果

モビコールは以下の4つの成分が配合されたお薬です。

便秘改善作用がある成分は、「マクロゴール4000」です。
水分保持効果があるため大腸に水分が届けられ、硬くなった便が柔らかくなります。
柔らかくなった便が大腸の動きを活発にすることで、便秘を解消する効果を発揮します。

モビコールの用法

初めて服用するときの用法は以下の通りです。

上記の量で便秘が改善しないときは、服用量を増やすことができます。
増量は2日以上の間隔をあける必要があるため、毎日増やさないように注意しましょう。

増量後は1日1〜3回に分けて服用します。
なお、増量できるお薬は以下のように決まっています。

モビコールの飲み方

モビコールは、1包あたり以下の量の水に溶かして服用しましょう。

なお、服用の際は以下の点に注意しましょう。

酸化マグネシウムとの比較

小児の慢性便秘症には、「酸化マグネシウム」というお薬もよく処方されます。
モビコールと酸化マグネシウムには、それぞれ以下のような特徴があります。

どちらのお薬も効果発現までの時間には個人差があります。
効果がすぐに出ないときも、自己判断で服用を中止しないようにしましょう。

モビコールの副作用

臨床試験では、以下のような副作用が報告されています。
（モビコールのインタビューフォームを参照）

また、重大な副作用として以下が記載されています。

主成分である「マクロゴール4000」が配合されたほかの薬で、重篤なアナフィラキシーの報告があるため記載されています。
なお、国内で行われたモビコールの臨床試験では、192例で重大な副作用は報告されていません。

ジェネリック医薬品について

モビコールのジェネリック医薬品は発売されていません。
モビコールは2018年に販売開始されたお薬で、一般的には特許が切れるまでに約10年かかります。
ジェネリック医薬品の発売はもう少し先になりそうです。

まとめ

モビコールは便を柔らかくする効果があります。
お腹が痛くなりにくい特徴をもつ便秘薬です。
ゆっくりと作用するお薬のため、効果が出ないときも自己判断で服用中止しないようにしましょう。