シングレア(一般名:モンテルカストナトリウム)
シングレアとは?
シングレアはロイコトリエン受容体拮抗薬に分類され、喘息発作を予防するお薬です。
このお薬には以下の特徴があります。
- 1日1回の服用で効果を発揮する
- 長期にわたり有効性を持続し、安全に使用できる
- 軽症〜中等症の気管支喘息の症状をコントロールする
服用回数が少ないため、子どもに飲ませやすい点がシングレアのメリットです。
なお、同じ有効成分を含むお薬として「キプレス」があります。
製薬メーカーが違うためお薬の名前が異なりますが、シングレアと同じ有効成分が配合されています。
シングレアの適応症
添付文書によると、適応症は以下のとおりです。
(シングレアの添付文書参照)
気管支喘息
成人ではアレルギー性鼻炎の治療にも使用されますが、小児では気管支喘息のみに使用されるお薬です。
シングレアの効果
シングレアは、ロイコトリエンの働きをブロックし気管支を拡張します。
気管支喘息は、慢性的な炎症によって気道が狭くなる病気で、咳が出る、息苦しいなどの発作症状があらわれます。
主にアレルギー反応によって起こり、原因に深く関与する物質のひとつがロイコトリエンです。
ロイコトリエンは気管支にあるロイコトリエン受容体に結合することで、気管支を収縮させます。
シングレアは、ロイコトリエン受容体に作用してロイコトリエンの働きをブロックするお薬です。
これにより気管支は拡張し、喘息による咳や息苦しさなどの症状を予防してくれます。
シングレアを成人に投与したときのデータは以下のとおりです。
細粒:投与後約2.3時間後に血中濃度が最大となった
チュアブル錠:投与後約2.5時間後に血中濃度が最大となった
細粒とチュアブルでは吸収に大きな差がなく、服用後2時間ほどで効果を感じられると推測されます。
シングレアの用法
添付文書によると、シングレアの用法は以下のとおりです。
(シングレアの添付文書参照)
細粒:
1歳以上6歳未満の小児
1回1包を1日1回就寝前に服用
チュアブル錠:
6歳以上15歳未満
1回1錠を1日1回就寝前に服用
以下の点に注意して服用しましょう。
- 喘息の症状は早朝に悪化しやすいため、早朝によく効いた状態となるよう就寝前に服用しましょう。
- シングレアは体重によって有効性や安全性に大きな違いがありません。
体重に応じた用量の調節は必要ないため、年齢ごとの1回量を守って服用しましょう。
- シングレアは即時に効果が発揮されるお薬ではないため、喘息発作を抑える作用はありません。
毎日服用することで発作を起こしづらくするお薬のため、飲み忘れないようにしましょう。
シングレアの剤形と特徴
シングレアには、小児向けに「細粒」と「チュアブル錠」の剤形があります。
それぞれ以下の特徴があります。
細粒:
見た目 白色の細粒
味 わずかに甘い
におい 無香料
チュアブル錠:
見た目 直径9.5mm・うすい赤色の錠剤
味 チェリー風味
におい チェリーのようなにおい
このほか錠剤やOD錠も販売されていますが、成人(15歳以上)に処方される剤形のため小児は服用できません。
シングレア細粒を飲みやすくする工夫
シングレア細粒は、苦味がないため飲みやすいお薬です。
粉薬の飲ませ方には、少量の水を加えてペースト状にする服用方法があります。
飲みづらいときは以下の食品に混ぜることもできます。
シングレア細粒は光に不安定なため、開封後はすぐに服用しましょう。
シングレアチュアブル錠の飲ませ方
シングレアチュアブル錠は、お子さまにも好まれやすいチェリー味です。
口で溶かすか、かみ砕いて服用しましょう。
対象年齢が異なるため、チュアブルが飲みづらくてもシングレア細粒へ変更することはできません。
どうしても飲めないときはほかのお薬へ変更する可能性があるため、医師や薬剤師に相談しましょう。
シングレアの主な副作用
添付文書では、以下の副作用が記載されています。
(シングレアの添付文書を参照)
主な副作用(0.1〜5%未満)
- 皮疹
- 頭痛、傾眠
- 下痢、腹痛、胃不快感、嘔気、胸やけ、嘔吐、便秘
- 肝機能異常、AST上昇、 ALT上昇、Al-P上昇、 γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇
- 口渇、尿潜血、血尿、尿糖、浮腫、倦怠感、白血球数増加、尿蛋白、トリグリセリド上昇
副作用頻度は高くありませんが、眠気や下痢などの体調変化がないか注意しましょう。
また、「アナフィラキシー」など重大な副作用の記載があります。
息がしづらい、皮膚の赤みがあるなどの症状があれば速やかに医療機関を受診しましょう。
ジェネリック医薬品について
細粒、チュアブル錠ともにジェネリック医薬品が販売されています。
メーカーごとにお薬の味が異なることがあるため、気になる方は薬剤師に相談しましょう。
まとめ
シングレアは気管支喘息の発作を予防します。
服用後は、眠気や下痢などの副作用が起こらないか経過観察が必要です。