処方せんの基礎知識

処方せんの基礎知識とお薬を安心して使用するための方法

処方せんの基礎知識

お子さまの治療に必要と判断されたお薬の情報が記載された書類が処方せんです。
医師がお子さまへ診察や検査をして上で作成します。
薬剤師は、医師が作成した処方せんとお子さまの症状を参照し、問題のないことを確認します。
医師と薬剤師によるダブルチェックを経て、お子さまの病気や風邪に適したお薬を受け取ることが可能です。

処方せんに記載されている情報

処方せんには次の情報が記載されています。

  • 保険者番号
  • お子さまの情報
  • 処方した医療機関の名称や医師の氏名
  • 処方されるお薬の内容
  • ジェネリック医薬品への変更可否

処方せんを見るときのポイント

処方せんを見る際のポイントは次の通りです。

  • どんなお薬が処方されているか(お薬の名称や量)
  • お薬の服用方法やタイミング(1日3回毎食後、1日1回夕食後など)
  • お薬の形状(シロップ、粉薬、錠剤など)

お薬と一緒にお薬の説明文書をもらえます。
お子さまにどのようなお薬が処方され、どのように飲ませてあげると良いかを確認しておくと安心です。

お薬について不明な点があれば医師や薬剤師に尋ねてください。
お薬の飲み方に関するよくある質問はこちらを参照ください。

お薬を安心して使用するための方法

かかりつけ薬局をつくる

お子さまがいくつかの医療機関を受診しているときに、お薬の重複投与*や相互作用**による副作用をきたしてしまうことがあります。

* 重複投与:同じような作用のお薬を二重に飲んでしまうこと。
** 相互作用:お薬の飲み合わせによって、お薬の作用が強くなりすぎたり、弱くなったりしてしまうこと。

かかりつけ薬局を持つことで、上記のようなリスクをなくすことができます。
また、お子さまの体質やアレルギー歴を把握してもらえ、お薬の相談も可能です。

お薬手帳を持つ

お薬を安全に使用するためには、お薬手帳が便利です。
お子様が使用しているお薬を記録することができるため、次のようなメリットがあります。

  • お子さまにどのようなお薬が処方されたのか把握できる
  • 処方されたお薬の使用方法や注意点を確認可能
  • 医療機関に提出することで医師や薬剤師にお子さまが使用しているお薬を正確に伝えることができる
  • 連絡先が記載されているので緊急時の連絡に使える

上記の通り、お子さまのお薬手帳を持っておくことで多くのメリットがあります。
スマートフォンなどにデータを保管できる電子版お薬手帳もあるので、持ち運びが気になる方にも安心です。

電子処方箋を活用する

電子処方せんとは、これまで紙で発行されていた処方箋を電子化したものです。
このメリットは次の通りです。

  • 複数の医療機関を受診している場合、処方されている薬剤の情報を医療従事者間で共有できる
  • 飲み合わせの悪いお薬の処方を避けることができる
  • 処方せん紛失のリスクがなくなる

電子処方せんを利用することより、これまで以上にお子さまへ安心してお薬を飲ませてあげることができます。

お薬に関するよくある質問

Q. お薬を飲ませるのを忘れてしまいました。次回、2回分を服用しても良いですか?

A. 決められた用量を超えてお薬を内服することで、副作用が出ることがあります。
そのため、飲み忘れたからと言って次の内服時に2回分のお薬を飲ませるようなことは控えましょう
次の服用までに時間がある場合には、気づいたときに飲ませてあげると良いです。

Q. 両親や兄弟姉妹に処方された風邪薬を他の子供に服用させても良いですか?

A. 本人以外に処方されたお薬を別の方に飲ませることは控えましょう
お薬の種類(何に対するお薬なのか)や用量は、症状や体重に応じて決められています。
仮に同じような症状に見えても、異なる原因によって症状が引き起こされていることもあります。
お薬の種類によってはお子さまの症状を悪くさせてしまいこともあり、注意が必要です。

Q. お薬を飲まずに寝てしまいました。起こして飲ませた方が良いですか?

A. しっかりと睡眠をとれているのであれば、睡眠を優先してください。
お子さまが起きたタイミングでお薬を飲ませてあげましょう。
起きた時間と次のお薬の時間が近い場合には、お薬を1回分スキップして良いことが多いです。
あらかじめ医師や薬剤師に確認しておくと安心です。

処方せんの基礎知識とお薬を安心して使用するための方法に関するまとめ

この記事では次のことを解説しました。

  • 処方せんの基礎知識
  • お薬を安心して使用するための方法

処方せんとは、医師がお子さまの治療に必要と判断したお薬の情報が記載された書類です。
処方せんを見る際のポイントは次の通りです。

  • どんなお薬が処方されているか(お薬の名称や量)
  • お薬の服用方法やタイミング(1日3回毎食後、1日1回夕食後など)
  • お薬の形状(シロップ、粉薬、錠剤など)

お薬と一緒にお薬の説明文書をもらえます。
お子さまにどのようなお薬が処方され、どのように飲ませてあげるかを確認すると良いです。

お薬を安心して使用するための方法は次の3つです。

  • かかりつけ薬局をつくる
  • お薬手帳を持つ
  • 電子処方せんを活用する

お子さまの症状に応じて適切なお薬を正しく使用することが、お子さまの回復へつながります。
処方されたお薬が何のためのお薬なのか、どのような注意点があるのかについても関心を持つようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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