母親に知っておいてほしい知識|発熱時の疑問
子どもが病気になったとき、最もよくある症状が発熱です。
今回、子どもが発熱した際に保護者がよく抱く疑問について、Q&A形式で解説しています。ぜひ参考にしてください。
発熱する理由
Q&Aに入る前に、なぜ発熱するのかという前提をお話します。
結論から言うと、「発熱は体が病気と一生懸命戦っている証拠」と言えます。
人の体は、細菌やウイルスなどの「悪いもの」が体に入ってくると、それをやっつけるために「免疫」という仕組みを使います。
この免疫は、悪いものを見つけると、「炎症」と呼ばれる反応を起こして戦います。
そのときに、体温をわざと高くすることがあります。
体温が高くなると、以下のような2つの良いことがあります。
- 免疫が活発になる
体温が上がると、体の中の「免疫の兵隊さんたち」が元気になり、悪いものを倒す力が強くなります。
- 細菌やウイルスが弱くなる
多くの細菌やウイルスは、体温が高い状態では増える力が弱くなるため、発熱によって体が戦いやすくなるのです。
発熱自体は悪いものではなく、むしろ体にとって必要な働きです。
特に子どもの感染症では、特効薬がない場合も多くあり、その場合は子どもの免疫力に頼る自然回復が基本となります。
発熱すること自体が、体が回復するための大切な過程なのです。
そのため、子どもが比較的元気で、食べたり飲んだりできる場合は、無理に熱を下げる必要はありません。
ただし、熱が高すぎる場合や、ぐったりしている、食べたり飲んだりできないといった症状があるときは、体が戦うのに疲れてしまっている可能性があります。
その場合は、熱を下げたり医療機関で診てもらったりすることで、子どもの体をサポートしてあげる必要があります。
迷った時は、地域の医療相談窓口や、小児救急医療電話相談(#8000)、救急相談センター(#7119)に連絡して症状を伝え、受診が必要かどうか相談することもできます。
子どもの発熱時によくある疑問
Q1「何度の発熱で病院に連れて行くべきですか?」
- 「子どもの熱が38度になったらどうしたらいいですか?」
- 「子どもが39度の発熱なのですが受診したほうがいいですか?」
受診に関する疑問は、子どもの発熱時によくある疑問だと思います。
受診のタイミングは、体温だけではなく子どもの全体的な様子(状態)で判断するとよいでしょう。
【受診の目安】
- 38.5℃以上の高熱が続いている場合
- 生後3ヶ月未満で37.5℃以上の発熱がある場合(すぐに受診)
- ぐったりしている、呼吸が苦しそう、けいれんがあるなどの症状がある場合
- 食欲不振や脱水症状(おしっこの回数が少ない、唇が乾燥している)が疑われる場合
発熱があっても食事をとれていて、比較的元気に過ごせている場合は、すぐに受診する必要はありません。
逆に、受診のタイミングが発熱して間もないと、体内の菌やウイルスの量が少なく、検査で正確に特定できないことがあります。
そうなると後日の再診が必要になることも覚えておきましょう。
発熱してから12~24時間程度経過すると、検査結果がより正確に反映される場合が多いです。
ただし、3ヶ月未満の赤ちゃんに発熱がある場合は早急に受診が必要です。
赤ちゃんは自分の不調を言葉や行動で明確に示すことができず、症状が限定的で分かりにくいことがあります。
発熱が唯一のサインである場合が多いため、感染の進行を見逃さないためにも迅速な対応が必要です。
免疫が未熟で、感染症が重症化しやすい赤ちゃんは、発熱がある時点で早急に受診しましょう。
迷った時の相談窓口
地域の医療相談窓口や、小児救急医療電話相談(#8000)、救急相談センター(#7119)に連絡して症状を伝え、受診が必要かどうかの判断を仰ぐことも役立ちます
Q2「夜間の発熱でもすぐに受診したほうがいいですか?」
- 「夜中に子どもが熱を出したらどうしたらいいですか?」
以下のような症状がある場合は、夜間でも受診しましょう。
- ぐったりして反応が鈍い、または意識が朦朧としている
- 呼吸が浅く速い、またはゼーゼー・ヒューヒューと音がする
- けいれんが起きた
- 顔色が青白くなり、唇や手足が冷たくなっている
- 高熱が続き、体が震えるような悪寒や冷や汗を伴う
- 急激な症状の悪化(激しい嘔吐や下痢)
子どもが夜間に発熱している場合でも、翌朝の受診で問題ないことが多いです。
発熱は、体が病原体と戦っている自然な反応です。
例えば、40℃の発熱でも、子どもがグズったりせず比較的元気で、スヤスヤと眠れている場合は、無理に夜間に病院を受診する必要はありません。
ただし、心配な場合は、救急相談窓口(#7119)や地域の小児救急電話相談(#7119)に相談して、適切な判断を仰ぎましょう。
Q3「何度になったら解熱剤を使うべきですか?」
- 「子どもに解熱剤は使わない方がいいですか?」
- 「熱は下げない方がいいですか?」
解熱剤に関する疑問も、よくある疑問ですね。
解熱剤は、38.5℃以上の発熱で子どもが辛そうな場合に使うことを検討してください。
解熱剤は、熱そのものを下げるより、子どもの負担を軽くするために使います。
「きつくて休みたいのに、体が熱くて眠れない」
「発熱で体力を消耗していて元気がない」
このような場合は、解熱剤を使って子どもの負担を軽くしてあげましょう。
Q4「解熱剤を使ったほうが治りは早くなるのですか?」
解熱剤は症状を緩和するためのもので、病気の治癒を早める効果はありません。
Q5「熱があるときにお風呂に入れても大丈夫ですか?」
- 「汗をかいているけれど、体を拭くだけで十分ですか?」
元気があり、無理なく入浴できる場合は問題ありません。
ただし、長時間の入浴や熱いお湯は避けましょう。
シャワーでさっとすませる、絞った温かいタオルで体を拭くことなどをお勧めします。
体を冷やさないようにご注意ください。
Q6「子供に熱があるとき布団はかけない方がいいですか?」
- 「熱があるのに手足が冷たいのはなぜですか?そんな時はどうしたらいいですか?」
- 「熱がある時、部屋の温度は何度にしたらいいですか?」
発熱時の寝具の調整や、室温の管理は悩まれるポイントかもしれません。
基本的には本人が寒く感じないようにしてあげればよいです。
ただし、厚すぎる布団や重ね着は、体温をさらに上げてしまう可能性があります。
軽めの布団や薄い掛け物を使用し、体温調節がしやすい環境を整えましょう。
熱があるのに、手足が冷たい、ガタガタと震えるというのは、これから熱が上がるサインです。
布団をかけ、体全体が暖かくなるようにしてあげましょう。
部屋の温度は20〜22℃、湿度を50〜60%程度に保てるようにしましょう。
Q7「食欲がないけれど無理に食べさせるべきですか?」
無理に食べさせる必要はありません。
水分補給を優先し、子どもが食べたいものを少量ずつ与えましょう。
Q8「水分が取れていない気がするけれど、どう対応したらいいですか?」
発熱時には、経口補水液、薄めたスポーツドリンク、白湯や麦茶などがおすすめです。
スプーンやストローを使って、少量ずつこまめに与えましょう。
また、ジュースなどの甘い飲み物を欲しがる場合、適度であれば問題ありませんが、毎回の水分補給がジュースになると糖分過多になります。
薄めたり、頻度を調整したりしてバランスよく水分補給をおこないましょう。
飲むのを嫌がる場合、尿が減る、唇が乾燥するなどの症状は、脱水の初期の兆候です。
医療機関にご相談ください。
Q9「熱が下がってからどれくらい休ませればいいですか?」
基本的には、解熱後24時間以上経過し、普段通り元気に過ごせるようになれば登園・登校が可能です。
ただし、感染症の種類によっては、解熱後一定の期間が経過しないと登園・出席が制限される場合があります。
園や学校の感染症対策の規定、医師からの指示に従いましょう。
Q10「37.5℃程度でも登校させてもいいですか?」
37.5℃程度の体温は「微熱」に見える場合がありますが、感染症からの回復途中である可能性が高く、完全に治癒したとは言えない状態と考えられます。
感染症が原因である発熱の場合は、解熱後24時間以上経過し、普段通りに元気に過ごせるようになってから登校・登園するのが良いでしょう。
Q11「子どもの熱はどこに測ればよいですか?」
- 「耳やおでこで測った体温は正確ですか?」
- 「何時間おきに体温を測るべきですか?」
自宅で体温を測る際、最も正確なのは腋窩(わき下)での測定です。
耳やおでこの体温計は便利ですが、外気温や測定位置で誤差が出ることがあります。
発熱時など、熱の経過を正確に把握しなければならない場合は、腋窩(わき下)での測定をおすすめします。
頻繁に測りすぎるとストレスになるため、4~6時間おきを目安に子どもの様子を優先してください。
Q12「子どもが熱を出した時の過ごし方は?」
- 「子どもに熱がある時、外出してもいいですか?」
子どもに熱があっても比較的元気な場合、自宅でどのように過ごせばよいのかと悩まれることもあるかもしれません。
必ずしも布団に入って寝ておく必要はありませんが、体を動かさずにできる遊びや時間の過ごし方を考えましょう。
また、基本的に医療機関への受診以外は外出を控えましょう。
Q13「ただの風邪なのか、インフルエンザや他の感染症の可能性があるのか見分ける方法は?」
インフルエンザの場合、以下の特徴が見られます。
- 突然の高熱(38℃以上)
- 全身の倦怠感や筋肉痛
- 咳や鼻水が急激に出現
Q14「発熱の原因を特定する検査はいつ頃するのがよいですか?」
発熱してから12~24時間程度経過すると、検査結果がより正確に反映される場合が多いです。
逆に、発熱して間もない場合、体内の菌やウイルスの量が十分に増えておらず、検査で正確に特定できないことがあります。
Q15「発熱と一緒に咳や鼻水があるとき、何を優先して対応すべきですか?」
水分補給を優先し、呼吸を楽にするために鼻水のケアや加湿を行いましょう。
咳がひどい、呼吸が苦しそうな場合は早めの受診を検討してください。
症状の改善には、原因菌やウイルスの治療が根本的な解決となります。
Q16「発疹や嘔吐が出てきた場合はどうしたらいいですか?」
基本的に、発熱とともに発疹や嘔吐がある場合でも、様子を見ていてよい場合が多いです。
発疹がかゆい場合は冷やす、嘔吐が一時的な場合は水分補給をしながら様子を見ましょう。
しかし、以下の場合は夜間でも早急な受診が必要です。
【発疹】
- 発疹が突然広範囲に現れ、かつ紫色の点状出血(出血斑)のような特徴がある
- 痛みや腫れを伴い、発疹が水ぶくれや壊死に進行している(皮膚が紫や黒色に変化)
- 発疹に加え、意識の低下やけいれんが見られる
【嘔吐】
- 激しい腹痛や頭痛を伴う
- 繰り返す嘔吐で、水分を摂取してもすぐに吐いてしまう
Q17「病院が閉まっている時間帯の発熱にはどう対応すべきですか?」
緊急性がある場合を除いて、夜間の発熱は家庭での対応が可能な場合が多いです。
ただし、以下の場合は夜間でも受診した方がよいでしょう。
- けいれんを起こした場合
- 呼吸が苦しそうな場合(ゼーゼー音やチアノーゼ)
- 生後3ヶ月未満の乳児の発熱
- 意識がもうろうとしていて、反応が鈍い場合
迷った時は、地域の医療相談窓口や、小児救急医療電話相談(#8000)、救急相談センター(#7119)に連絡して症状を伝え、受診が必要かどうか相談することもできます。
Q18「救急車を呼ぶべきか、救急相談窓口に相談するべきか迷います。」
救急車を呼ぶべきかどうかは体温ではなく、子どもの様子で判断します。
以下の場合は救急車を呼びます。
- 呼吸困難
- 痙攣が続く
- 意識がもうろうとしている
具体的に解説しますね。
呼吸困難:息が苦しくて、うまく呼吸ができない状態
- 息を吸ったり吐いたりするのがとても難しそう
- ゼーゼー、ヒューヒューという音が聞こえる場合がある
- 呼吸が浅く、速くなっている
- 息を吸うために肩や胸が大きく動く
- 息苦しさから、不安そうにしている
痙攣が続く:体が自分の意志とは関係なく、けいれん(ガタガタ震えるような動き)が止まらない状態
- 手や足、全身がピクピクと動く
- 目が虚ろになる、目が上を向くことがある
- 呼びかけに反応しない
- 息を止めたように見える場合がある
- 口から泡を吹いたり、歯を食いしばることがある
- 体が硬直して動かなくなる
意識がもうろうとしている:ぼんやりして、呼びかけに対する反応が鈍い、または全く反応がない状態
- 目を開けていても焦点が合っていない
- 声をかけても反応が遅い、何も返事がない
- ぐったりして、力が抜けたようになっている
- 起こそうとしても目を開けない、または開けてもすぐ閉じる
迷った時は、地域の医療相談窓口や、小児救急医療電話相談(#8000)、救急相談センター(#7119)に連絡して症状を伝え、受診が必要かどうか相談することもできます。
Q19「解熱してもまたすぐに熱が出る場合はどうすればいいですか?」
感染症が治りきっていない場合が考えられます。
症状が悪化する、または3日以上繰り返す場合は医療機関で相談してください。
Q20「何日以上続いたら深刻な病気を疑うべきですか?」
3日以上の発熱が続く場合は医療機関を受診し、5日以上の発熱が続く場合は深刻な病気の可能性があるため、より詳しい検査を受けた方がよいでしょう。
【お願い】
「こころみ医学の内容」や「病状のご相談」等に関しましては、クリニックへのお電話によるお問合せは承っておりません。
診察をご希望の方は、受診される前のお願いをお読みください。
【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。
医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(医療経験を問わない総合職)も随時募集しています。
(医)こころみ採用HP取材や記事転載のご依頼は、最下部にあります問い合わせフォームよりお願いします。
カテゴリー:よくある子供の症状 投稿日:2025-04-04
関連記事
人気記事

【医師が解説】喘息の長期管理薬(吸入ステロイド)の効果と副作用
喘息の長期管理薬とは? 喘息は、気道に慢性炎症が起きて狭くなっている状態です。それが引き金となって気道が過敏になり、ちょっとしたきっかけで咳や息苦しさをくり返します。 喘息の治療は、 炎症を抑え、喘息の悪化や発作を予防す… 続きを読む 【医師が解説】喘息の長期管理薬(吸入ステロイド)の効果と副作用
カテゴリー:喘息の長期管理薬(吸入ステロイド) 投稿日: