緊急避妊法(アフターピル)について
「今は妊娠を望んでいないのに、無防備な性行為をしてしまった。」
「もしかしたら避妊に失敗してしまったかも。どうしよう。」
望まない妊娠の可能性を減らすためにはできるだけ早く緊急避妊薬を内服することが必要です。
少しでも気になることがあれば、「私は大丈夫。」と思わずに婦人科へご相談ください。
本日は緊急避妊法についてお話しします。
緊急避妊薬;レボノルゲストレル
レボノルゲストレルという緊急避妊薬を72時間以内に内服することで高確率に妊娠を阻止することができます。
性行為後、内服する時間が早ければ早いほど効果が高いです。
1錠内服しそれで終了ですので、早く手に入れて早期に内服しましょう。
正しく内服することで約98%の避妊率、約85%の妊娠阻止率が期待できます。
効果はかなり高いですが、100%ではないことに注意しましょう。
レボノルゲストレルの副作用
レボノルゲストレルを内服すると、吐き気、頭痛、下腹部痛、乳房痛などの副作用が起こることがあります。副作用が起こる頻度は10%程度です。
内服後3-4日目頃に性器出血が起こり、一時的に月経の周期が乱れることがあります。
妊娠の可能性について
レボノルゲストレルの効果はかなり高いですが、100%妊娠しないわけではありません。
次の生理の予定日よりも1週間以上経っても出血がみられない場合や出血が少ない場合には、妊娠している可能性があります。ご自身で妊娠検査薬を用いて妊娠の有無を確認してください。
通常とは異なる出血や腹痛がある場合には、必ず婦人科を再度受診してください。
レボノルゲストレル内服後の避妊について
レボノルゲストレル内服後、再度無防備な性行為を行うと妊娠するリスクがあります。しっかりと避妊をするようにしてください。
避妊することが難しいという場合には、レボノルゲストレル内服直後より低用量ピルの内服を開始し、妊娠するリスクを下げることができます。すぐに低用量ピルを開始した場合には、性行為から3週間後に来院して頂き妊娠の有無をチェックすることをおすすめします。
レボノルゲストレルを内服しなければならないような事態が続く場合には、低用量ピルや子宮内避妊器具を挿入することによって持続的に避妊を行うことができます。詳しく知りたいという方は遠慮なくお申し付け下さい。
レボノルゲストレルを内服できない場合
以下の項目に当てはまる場合にはレボノルゲストレルを内服することができません。
- 妊娠中
- 授乳中(内服後24時間は授乳を中止する必要がある。)
- 肝機能障害がある
- ピルやホルモン剤に対するアレルギーを持っている
まとめ
今は妊娠を望んでいないのに、危険な性行為をしてしまったという場合には、緊急避妊薬を早めに内服することで、高確率に妊娠を阻止することが可能です。
緊急避妊薬は、緊急時に使う方法です。低用量ピルや子宮内避妊具を用いて計画的な避妊をされることをおすすめします。
ご自身の大切なお体を守るためにも、ひとりで悩まずに早めに婦人科へご相談頂けると幸いです。
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カテゴリー:よくある婦人科の症状 投稿日:2024-06-10
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