子宮体がん

子宮体がんの原因・症状・診断・治療

子宮体がんとは?

子宮体がんは子宮体部という子宮の奥にできるがんです。

子宮頸(けい)がんと体がんは名前が似ており、混同されている方がたくさんいらっしゃいますが、病気ができる場所や特徴が違いますのでしっかりと区別するようにしてください。

子宮体がんは子宮内膜にできる病気です。がんができると不正性器出血が起こります。「更年期や閉経後の不正性器出血」というのが子宮体がんの典型的な症状です。閉経前においても月経不順や不正出血を繰り返している方は要注意です。

子宮体がんでは不正出血という自覚症状が出やすいので、比較的早期で発見されることが多いがんです。早い段階で診断することができれば、手術だけで根治を目指すことができます。

不正出血がある場合には放置せず早めに婦人科を受診されることをおすすめします。

本日は子宮体がんについてお話しします。

原因

子宮体がんは子宮内膜にできる病気です。

子宮内膜は女性ホルモンの作用を受けて、厚くなったり薄くなったりすることを繰り返しています。内膜が厚くなり、はがれて出血することで月経の周期を作っています。

子宮体がんにおいても女性ホルモンの作用を受けてがんができます。

何らかの理由により月経がうまく起こらず内膜が毎月リセットされない方においては、子宮内膜で異常な細胞が増殖してしまいます。そして子宮体がんができてしまいます。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や肥満・高血圧・糖尿病、未妊・未産は子宮体がんのハイリスクです。

遺伝的な要素によって子宮体がんを発症することもあります。「リンチ症候群」という遺伝性の病気があります。リンチ症候群の方では若い年齢で大腸がん、子宮体がん、胃がん、卵巣がんなどを発症します。血のつながっている家族に、50歳未満で大腸がんや子宮体がんを発症している人がいる場合は要注意です。

症状

不正性器出血がみられることが多いです。赤い出血が起こらず、茶色やピンク色のおりものが出るだけのこともあります。

もともと月経不順がある方は、月経なのか不正出血なのか判断が難しいかと思います。月経不順は子宮体がんのリスク因子です。迷うような症状がある場合には婦人科を受診されることをおすすめします。

診断

経腟超音波検査を行い、子宮内膜の状態を確認します。内膜が分厚くなっている場合や腫瘍(できもの)が見られるときは子宮体がんを疑います。

実際に子宮体部から細胞や組織を取って、顕微鏡で観察しがんであるかどうかを調べます。子宮口から子宮の奥の方へ向かって器具を挿入します。器具を挿入するときには軽い生理痛のような痛みを伴います。痛みが強く十分な検査ができないときがあります。そのようなときには麻酔を併用して検査をすることを検討します。

高齢の方で子宮口が閉じてしまっているときや子宮筋腫があって子宮が変形しているときにはうまく器具が挿入できず検査ができないことがあります。

子宮頸がんの検査では、子宮の入り口を検査しています。実際に目で見えるところをこすって検査しており、検査の難易度は高くありません。一方、子宮体がんの検査は子宮の奥を検査しています。目では見えないところをこすって検査しています。このため一度の検査ではうまく細胞が取れていない可能性があることはご理解ください。

検査の結果は2週間程度で判明します。

※子宮頸がんでは数年に一度の検診を受けることで死亡率を減少できたというエビデンスがあります。

一方で、子宮体がんでは無症状の方に検診を行うことに効果があるとは証明されていません。検査に痛みが伴うことや検査の精度が低いことから、何も症状がない場合に子宮体がんの検査を受けることはおすすめしません。

治療

手術を行って、子宮と卵巣・卵管を全摘するのが基本的な治療方針です。

早い段階で診断された子宮体がんでは手術だけで治すことが可能です。

残念ながら、がんが全身へ広がり、肺や肝臓など子宮から離れた臓器に転移がある場合には手術で治すことは難しくなります。このような場合には抗がん剤治療を行いますが、がんを完全に治すことは難しくなってしまいます。

妊娠可能年齢の方で妊娠を希望されている場合には、子宮を温存してホルモン治療を行うことがあります。

まとめ

  • 「生理以外に出血がある」
  • 「茶色や赤いおりものが出る」
  • 「閉経したのに出血がある」
  • 「月経不順がある」
  • 「家族に若年で大腸がんや子宮体がんになった人がいる」

このような場合には子宮体がんのハイリスクです。

子宮体がんは早期発見できれば治すことができる病気です。気になる症状があるときには放置せず婦人科へご相談ください。

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カテゴリー:子宮がん  投稿日:2024-05-30

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