めまいの原因と対処法:内耳の異常からストレスまで徹底解説!
はじめに
頭がくらくらしたり、まるで世界が回っているように感じたりすることはありませんか?
そのような症状のことをめまいと呼びます。
そして、その原因はさまざまで、場合によっては深刻な疾患が隠れていることもあります。
この記事では、めまいの種類、原因、そしてその対処法について、わかりやすく解説していきます。
ぜひ、参考にしてみてください。
当院では、耳鼻科・内科にてからだの原因を精査し、自律神経やストレスによる影響が疑われた場合は心療内科と連携して診療にあたっています。
めまいでお困りの方は、まずは耳鼻科にてご相談ください。
めまいとは?
めまいとは、自分自身や周囲の物が動いていると感じる感覚を指します。
この感覚は耳、脳、目など、バランスを保つために重要な部分に問題が生じることで引き起こされます。
めまいには、内耳(ないじ)の障害による「回転性めまい」と、脳や血流の問題による「非回転性めまい」の二種類が存在します。
めまいの主な原因
めまいを引き起こす原因は多くみられます。
以下に代表的な原因を挙げ、詳しく説明します。
1.内耳の異常
良性発作性頭位めまい(BPPV)
頭の位置を変えた際に突然起こるめまいで、内耳の耳石が原因です。
耳石が三半規管に入り込むことで、平衡感覚が乱れ、強いめまいを引き起こします。
特に朝、ベッドから起き上がる際に症状が出やすいです。
メニエール病
内耳のリンパ液が過剰にたまることで、めまい、耳鳴り、難聴が同時に現れる疾患です。
ストレスや睡眠不足が発症の要因になることもあります。
症状が突然現れ、数時間から数日間続くことがあります。
2.脳の異常
脳卒中(脳梗塞・脳出血)
脳の血流が突然途絶えることで、めまいやバランス感覚の失調を引き起こします。
これに伴い、しびれや視覚障害、言語障害が現れることもあります。
脳卒中が原因の場合、緊急の治療が必要です。
脳腫瘍
脳にできた腫瘍が平衡感覚をつかさどる部分を圧迫することで、めまいが発生することがあります。
脳腫瘍が自然になくなることはありませんので、時間とともに症状が悪化する場合が多いです。
3.心血管系の問題
低血圧
血圧が急激に下がることで、脳への血流が一時的に減少し、めまいを感じることがあります。
特に長時間座っていたり、急に立ち上がった際に発生しやすいです。
不整脈や心臓疾患
心臓の働きが乱れることで血流が不安定になり、脳への酸素供給が不足してめまいが引き起こされます。
不整脈があると、立ちくらみや一時的な意識障害を伴うことがあります。
4.精神的な原因
ストレスや不安
強いストレスや不安感が自律神経を乱し、めまいを引き起こすことがあります。
特に過換気を伴うパニック発作が原因で、急激なめまいとともに息切れや胸の圧迫感が生じることがあります。
自律神経失調症
自律神経が正常に機能しなくなることで、身体のバランスが崩れ、めまいが発生します。
体調不良や倦怠感、頭痛なども併発することがあります。
5. 薬の副作用
抗うつ薬、降圧薬、鎮静剤など
特定の薬を服用していると、副作用としてめまいが発生することがあります。
薬の影響で血圧が下がったり、バランス感覚が乱れたりすることが原因です。
めまいの症状と診断方法
めまいの症状は多様であり、症状の持続時間や頻度、他の症状の有無(耳鳴りや難聴など)によって異なります。
まず、めまいの診察にあたるのは、耳鼻科や神経内科が多いと考えられます。
患者の症状を詳しく聞き取り、必要に応じて耳や脳の検査を行います。
内耳の機能を評価する「前庭機能検査」や、脳の異常を確認するための「MRI検査」などが診断に使用されます。
めまいの治療法と予防策
めまいの治療は、その原因に応じて異なります。
内耳の異常による場合は、安静や薬物療法、場合によってはリハビリテーションが行われます。
脳や心臓に原因がある場合は、根本的な疾患の治療が必要です。
また、日常生活でのストレス管理や、アルコールやカフェインの摂取を控えることで、めまいを予防することができます。
Q&A: めまいに関するよくある質問
Q1. めまいが突然起こった場合、どうすれば良いですか?
A. 突然のめまいは不安を感じさせるものですが、まずは座ったり横になったりして安静にしましょう。
めまいが数分以内に収まる場合もありますが、頻繁に起こる場合や、頭痛や吐き気を伴う場合は、すぐに医師の診察を受けることをお勧めします。
Q2. どのような検査が必要ですか?
A. めまいの原因を特定するために、前庭機能検査、聴力検査、血液検査、MRIやCTスキャンなどが行われます。
特に内耳の異常が疑われる場合は、耳の精密検査が重要です。
Q3. ストレスがめまいを引き起こすことはありますか?
A. はい、ストレスは自律神経のバランスを崩し、めまいを引き起こす要因となることがあります。
精神的なストレスや不安が強いと、過換気や不安発作とともにめまいが発生することが多いです。
Q4. めまいは何科を受診すればよいですか?
A. めまいが頻繁に起こる場合、耳鼻科や神経内科を受診するのが一般的です。
内耳に異常がある場合は耳鼻科で診断を受け、脳や神経に関する問題が疑われる場合は神経内科での検査が推奨されます。
まとめ
めまいは一時的なものから慢性的なものまでさまざまですが、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
原因を正しく理解し、適切な対応を行うことで、症状を軽減し、健康な生活を維持することができます。
もし頻繁にめまいを感じる場合は、医師に相談して原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。
当院では、耳鼻科・内科にてからだの原因を精査し、自律神経やストレスによる影響が疑われた場合は心療内科と連携して診療にあたっています。
めまいでお困りの方は、まずは耳鼻科にてご相談ください。
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執筆者紹介
大澤 亮太
医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師
日本精神神経学会
精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了
カテゴリー:よくある耳鼻科の症状 投稿日:2025-03-09
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