風疹ワクチン

風疹について

風疹について

風疹(rubella)は、風疹ウイルスによって起こる感染症で、発熱、発疹、リンパ節の腫れが主な症状です。
妊娠初期の女性が風疹に感染すると、赤ちゃんが耳や目、心臓に病気を抱えるリスクが高まります。
この記事では、風疹の概要と予防接種の重要性についてわかりやすくお伝えします。

名称 麻疹・風疹(MR)混合ワクチン
定期 / 任意 定期接種
ワクチンの種類 生ワクチン
接種方法 皮下注射
接種開始時期 1歳から可能
費用 定期接種:無料
任意接種の場合、一部の自治体では助成制度あり

風疹ってどんな病気?

風疹は、風疹ウイルスによって起こる感染症です。
麻疹(はしか)と症状が似ていますが、風疹のほうが軽症のことが多く「三日はしか」と呼ばれることもあります。

風疹の症状は?

風疹に感染すると、2〜3週間の潜伏期間を経て、発熱や発疹、耳の後ろや首のリンパ節の腫れなどの症状が現れます。
まれに重症化し、脳炎や血小板減少性紫斑を引き起こすことがあります。

風疹はどうやって感染するの?

風疹の主な感染経路は飛沫感染で、感染者のくしゃみや咳、会話によって飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。
1人の感染者から5〜7人にうつるほど、感染力が強い病気です。

多くの場合、症状は軽度で自然に治癒しますが、特に注意すべきは妊娠中の女性への影響です。

妊娠中の女性への影響:パートナーも予防接種を

妊娠初期に風疹に感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群(CRS)を発症するリスクがあります。
CRSは赤ちゃんの発育に深刻な影響を与え、難聴、白内障、心臓病、精神や身体の発達の遅れなどが現れることがあります。

特に妊娠20週未満での感染は赤ちゃんへのリスクが高まるため、注意が必要です。

母体が妊娠1か月で風疹に感染した場合、赤ちゃんに影響が出る確率は50%以上、2か月で約35%、3か月で約18%とされています。

赤ちゃんを守るためにできること

先天性風疹症候群(CRS)は予防接種によって防げる病気です。
妊娠を考えている女性は、早めに風疹の抗体検査を受け、必要であれば予防接種を受けましょう。
風疹は感染力が強く、抗体がない人は家庭内や職場で感染してしまうリスクがあります。
これから生まれてくる赤ちゃんを守るために、パートナーや同居の家族も、積極的にワクチン接種を受けましょう。

妊婦さん

風疹の発生状況

日本でMR(麻疹・風疹)ワクチンの2回接種が定期接種として導入されたのは、2006年です。
それ以前は、女性のみが定期接種を受けていた時期や、定期接種が1回だけだった時期がありました。
そのため、十分な抗体を持っていない人も多く存在します。

2011年にアジアで大規模な風疹の流行が発生し、日本でも感染者が急増しました。
日本における風疹の感染報告数は、2010年には87人でしたが、2013年には14,344人にまで増加しました。

現在、日本での風疹感染者数は非常に少ないですが、風疹の免疫を持っていない世代があるため、今後も注意が必要です。

風疹の予防接種

風疹と麻疹を予防するMR混合ワクチンが定期接種(無料)として行われています。

定期接種のスケジュール

定期接種は第1期と第2期にわかれており、それぞれ1回ずつ接種します。

  • 第1期:1歳から2歳の誕生日の前日まで ※1歳を迎えたら早めに接種しましょう
  • 第2期:小学校入学前の1年間(年長児)

麻疹についてはこちらの記事を参照してください。

風疹ワクチンの効果と副反応について

赤ちゃんとお母さん

風疹ワクチンの効果は非常に高く、1回の接種で約95%、2回の接種で約99%の予防効果が得られます。
長年にわたり多くの国で使用されており、安全性も十分に確認されています。

副反応としては、接種部位の痛みや発熱がみられることがありますが、通常は数日で治まります。
重篤な副作用は非常にまれであり、風疹ワクチンによるリスクは感染するリスクと比べてはるかに低いと言えます。

妊婦さんへのワクチン接種について

風疹ワクチンは生ワクチンで、弱毒化された風疹ウイルスを含んでいるため、妊娠中は接種できません。妊娠中に抗体価が低いことが判明した場合は、出産後にワクチン接種を受けましょう。

風疹ワクチン接種後に妊娠がわかったら

風疹ワクチン接種後は、2ヶ月間の避妊が推奨されています。
しかし、もし風疹ワクチン接種後に妊娠が判明しても、過去のデータでは先天性風疹症候群の報告例はなく、妊娠の中断は必要ありません。不安がある場合は医師に相談しましょう。

風疹かな?と思ったら

風疹が疑われる場合は、受診をする前に医療機関に連絡してください。

個人の健康だけでなく、特に妊婦さんや赤ちゃんへの影響を考慮する必要があります。

学校や保育園への対応:出席停止の対象

風疹は学校保健安全法で第二種学校感染症に指定されており、発疹が消失するまで出席停止と定められています。登校・登園許可証の提出を求められる場合が多いので、学校や園に確認してください。

風疹予防接種の費用助成

多くの市町村で、妊娠を計画している女性やパートナー、同居家族に対し、風疹の予防接種や抗体検査の費用助成があります。
ワクチン接種が非常に低価格、もしくは無料で受けられる場合があるため、各自治体の制度を調べてみてください。

ワクチン接種で先天性風疹症候群をなくそう

赤ちゃんを抱くお母さん

この記事では風疹の症状やリスク、特に妊娠中の女性と赤ちゃんに及ぼす影響についてお伝えしました。
風疹の予防にはワクチン接種が重要です。
家族や周囲の人への感染を防ぎ、これから生まれてくる赤ちゃんを守るためにも、予防接種を受けましょう。

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カテゴリー:こどものワクチン  投稿日:2024-11-23

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