1歳を迎えたら受ける予防接種について
1歳を迎えるお子さんを育てる親にとって、予防接種は大切なスケジュールの一部です。
しかし仕事復帰のタイミングと重なり、予定が組みづらいと感じるママやパパもいるでしょう。
この記事では、1歳になったら受けるべき予防接種とその必要性を詳しく説明します。
忘れずに接種を受けて、赤ちゃんの健康をしっかり守りましょう。
1歳になったら受ける予防接種
1歳を迎えたら受ける予防接種は以下の通りです。
- 麻疹・風疹ワクチン
- 水痘(水ぼうそう)ワクチン
- おたふくかぜワクチン
- 小児用肺炎球菌ワクチン
- 5種混合ワクチン または 4種混合ワクチン+ヒブワクチン
麻疹・風疹(MR)混合ワクチン
1歳を迎えたらすぐに打ってほしいワクチンが「麻疹・風疹ワクチン」です。
「Measles(麻疹)」と「Rubella(風疹)」の英語名の頭文字を取って「MR」と呼ばれています。
接種する時期 | 初回接種(第1期) : 生後12ヶ月から24ヶ月の間に行う 2回目接種(第2期): 小学校就学前の1年間(年長さんのとき) |
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ワクチンの種類 | 生ワクチン |
接種方法 | 皮下注射 |
ポイント | 小児用肺炎球菌、5種混合、水痘、おたふくかぜワクチンと同時接種できます |
麻疹(ましん、はしか)について
麻疹の主な症状は「高熱」と「体中の発疹」です。
感染力が極めて高く、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症すると言われています。
麻疹を発症すると、先進国であっても1,000人に1人は亡くなる怖い病気です。
1,000人に1人の割合で脳炎を発症し、10万人に1人の割合で亜急性硬化性全脳炎(SSPE)※という重篤な後遺症を引き起こします。
麻疹には現在も治療薬がないため、ワクチン接種による予防が大切です。
ワクチンを2回接種すると97〜99%の確率で免疫を得ることができます。
※亜急性硬化性全脳炎(SSPE):麻疹ウイルス感染後数年経ってから発症する予後が悪い病気です。
脳の炎症と硬化が進行し、知能低下、痙攣、運動障害などの症状を引き起こします。
最終的には昏睡状態に至り、致命的となることが多いです。
予防には麻疹ワクチン接種が有効です。
風疹について
「発熱」「体中の発疹」「リンパ節の腫れ」が主な症状です。
麻疹の症状と似ているため、「三日はしか」とも呼ばれます。
数千人に1人の割合で急性脳炎を引き起こします。
風疹が特に怖いのは、妊婦さんが感染したときです。
赤ちゃんに先天性風疹症候群(CRS)を引き起こす可能性があります。
先天性風疹症候群の3大症状は「先天性心疾患」「難聴」「白内障」です。
先天性風疹症候群には治療法がありません。しかしワクチン接種により防げる病気です。
水痘(水ぼうそう)ワクチン
接種する時期 | 初回接種 : 生後12ヶ月から36ヶ月(3歳の誕生日の前日まで)の間に行う 2回目接種 : 1回目の接種から6ヶ月あけて行う |
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ワクチンの種類 | 生ワクチン |
接種方法 | 皮下注射 |
ポイント | MR、小児用肺炎球菌、5種混合、おたふくかぜワクチンと同時接種できます |
水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる発疹性の病気です。
年間100万人が発症し、20人ほどが亡くなっています。
大人が水ぼうそうになると重症化するリスクが高いと言われています。
1歳になる前に水ぼうそうにかかった場合は免疫を獲得していると考えられ、水痘ワクチンの定期接種の対象外となります。
おたふくかぜワクチン
接種する月齢 | 初回接種 : 生後12ヶ月を迎えたら 2回目接種 : 小学校就学前の1年間(年長さんのとき) MRと一緒に |
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ワクチンの種類 | 生ワクチン |
接種方法 | 皮下注射 |
ポイント | MR、小児用肺炎球菌、5種混合、水痘ワクチンと同時接種できます |
おたふくかぜワクチンは流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)を予防するためのワクチンです。
ムンプスウイルスによって引き起こされる感染症で、耳下腺の腫れと痛みが特徴です。
髄膜炎や脳炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。
おたふくかぜワクチンは、日本では任意接種(費用がかかる)ですが、WHOは定期接種にすべきワクチンと位置づけています。
重篤な合併症のリスクを減らすために重要なワクチンです。
接種をおすすめします。
小児用肺炎球菌ワクチンの4回目(追加接種)
小児肺炎球菌ワクチンは0歳のときに3回接種し、1歳になったら追加接種を行います。
接種する時期 | 4回目の接種(追加接種): 生後12か月〜15か月の間に行う |
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ワクチンの種類 | 不活化ワクチン |
接種方法 | 13価:皮下注射 15価:皮下注射または筋肉注射 |
ポイント | MR、5種混合、水痘、おたふくかぜワクチンと同時接種できます |
肺炎球菌による感染症を防ぎます。
感染すると、細菌性の中耳炎や髄膜炎(脳の周りの膜の感染)、肺炎、菌血症(血液中の感染)などの病気を引き起こすことがあります。
乳幼児は重症化しやすいため、ワクチンによる予防が大切です。
5種混合ワクチンの4回目(追加接種)
5種混合ワクチンは0歳のときに3回接種し、1歳になったら追加接種を行います。
接種する時期 | 4回目の接種(追加接種): 生後12か月〜15か月の間に行う |
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ワクチンの種類 | 不活化ワクチン |
接種方法 | 皮下注射または筋肉注射 |
ポイント | MR、小児用肺炎球菌、水痘、おたふくかぜワクチンと同時接種できます |
5種混合ワクチンは「ジフテリア」「破傷風」「百日せき」「ポリオ」「Hib(ヒブ)」の5つの異なる感染症を予防します。
「4種混合ワクチン」と「ヒブワクチン」で接種する場合もあります。
かかりつけの小児科で確認しましょう。
4回目の接種(追加接種)はなぜ必要?
「小児用肺炎球菌ワクチン」と「5種混合ワクチン」は、それぞれ4回ずつ接種が必要です。
最初の3回の接種は基礎免疫を形成するために行われます。
4回目の接種は、形成された基礎免疫をさらに強化し、長期間にわたって持続させるために必要です。
追加接種により免疫記憶が強化され、病気に対する防御力が確実に維持されます。
同時接種について
上記でお伝えしたワクチンは同時接種が可能です。
同時接種とは、一度の診察で複数のワクチンを接種する方法です。
同時接種するワクチンの数に上限はなく、副反応のリスクが高くなることもありません。
「何度もクリニックに行くのは大変」という方には、同時接種がおすすめです。
「一度の診察で5〜6回も注射を受けるのは心配」という方もいるかもしれません。
その場合は複数回にわけて接種することもできます。
詳しくはかかりつけの小児科で確認してください。
予防接種の重要性とスケジュール管理
1歳を迎えたら、忘れずに予防接種を受けられるよう事前に日程を調整することが大切です。
仕事復帰の時期と重なり大変な人も多いですが、計画的に予防接種を進めましょう。
適切な時期にワクチン接種を受けることで、重篤な病気を防ぐことができます。
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カテゴリー:こどものワクチン 投稿日:2024-11-23
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