サワシリン(一般名:アモキシシリン水和物)
サワシリンとは?
サワシリンは、ペニシリン系の抗生物質です。
体内で細菌が増えないようにする作用をもち、細菌による感染症の治療に使用されます。
サワシリンには以下のような特徴があります。
- 服用量の調節がしやすく、子供から大人まで服用できる
- 小児では、急性中耳炎や急性咽頭炎などの疾患で第1選択薬として使用
なお、サワシリンと同じ有効成分のお薬は、ほかの製薬メーカーでも販売されています。
製薬メーカーごとに商品名やお薬の含有量が異なります。
サワシリンの適応
添付文書によると、サワシリンの主な適応症は以下の通りです。
(サワシリンの添付文書より一部抜粋)
このほか、サワシリンの効果が期待できる複数の感染症治療に使用されます。
サワシリンの効果
サワシリンは、細菌のもつ「細胞壁」を作れないようにする効果があります。
細胞壁が作れなくなった細菌は増殖できず、体内に感染している細菌の数が減少します。
サワシリンは、細菌の増殖を抑えることで感染症を改善するお薬です。
インタビューフォームによると「作用発現時間・持続時間」に関するデータはありません。
一方、血中濃度については以下の記載があります。
- サワシリン細粒を小児へ空腹時単回経口投与すると、1 時間後に6.58μg/mLの最高血中濃度が得られた
サワシリンは、服用後1時間でお薬がもっとも効いている状態となるようです。
また、服用4時間後には血中からほとんどのお薬が消失します。
サワシリンは、定期的に服用することで体内の細菌を減らしていくお薬です。
はじめは効果を感じづらいかもしれませんが、飲み忘れないように時間を決めて服用しましょう。
サワシリンの用法
サワシリンは以下の用法で服用するお薬です。
- 小児
アモキシシリン水和物として
通常1日20~40mg(力価)/kg を3~4回に分割経口投与
年齢や症状によって増減が可能ですが、1日あたり最大90mg(力価)/kg を超えないように服用します。
なお、抗生物質を処方されたときは、もらったお薬を飲み切るようにしましょう。
抗生物質が効きづらい「耐性菌」の発生を予防するためです。
飲み忘れたときは
サワシリンを飲み忘れたときは、気がついた時点で1回分を服用します。
次の服用まで4時間以上の間隔をあけて、1日の服用回数を守って飲むことが必要です。
お薬の効果を低減させないように、飲み忘れには十分注意しましょう。
サワシリンの剤形と特徴
サワシリンには、「カプセル」「錠剤」「細粒」の3つの剤形があります。
小児には、主に「細粒」という粉薬が処方されます。
サワシリン細粒は以下のような特徴があるお薬です。
- 色:うすいだいだい色
- におい:オレンジの香り
- 味:甘い
サワシリン細粒を飲みやすくする工夫
サワシリン細粒は甘い味がついていますが、1回あたりの服用量が比較的多いお薬です。
そのまま飲みづらいときは、水と混ぜてシロップ状やペースト状にする服用方法があります。
また、子どもは味覚が敏感なため、お薬を飲みたがらないことがあります。
サワシリンの服用を嫌がるときは、以下の食品に混ぜて服用しましょう。
上記の方法でもお薬を嫌がるときは、以下の服用方法もおすすめです。
- お薬に水を1滴ずつ加えてペースト状に練ります。
- お薬のペーストを少量ずつアイスやチョコクリームに包んで服用しましょう。
サワシリンの副作用
臨床試験では、1,553例のうち以下のような副作用が報告されています。
(サワシリンのインタビューフォームを参照)
主な副作用
- 発疹 43例(2.8%)
- 下痢・軟便 33例(2.1%)
- 悪心・嘔吐 18例(1.2%)
- 腹痛 17例(1.1%)
- 食欲不振 11例(0.7%)
また、添付文書には「重大な副作用」として以下が記載されています。
特に、サワシリンが分類されるペニシリン系の抗生物質は、お薬によるアレルギー反応を起こしやすいと言われています。
服用後は、皮膚の赤み、かゆみなどが出ないか様子を見ましょう。
なお、通常より多い量を服用する「高用量投与」では、下痢などの副作用が出やすい可能性があります。
副作用の程度によっては服用が中止となる可能性があるため、気になることがあれば早めに医師や薬剤師に相談しましょう。
ジェネリック医薬品について
サワシリンのジェネリック医薬品が販売されています。
製薬メーカーによってお薬の味が変わることがあるため、気になる方は薬剤師に相談しましょう。
まとめ
サワシリンは、殺菌作用のある抗生物質です。
お薬を服用するときに苦味を感じることがありますが、工夫をすることで飲みやすくなります。
1日3〜4回の服用が必要なため、お薬の飲み忘れに注意しましょう。