小児喘息を和らげる方法
小児喘息を和らげる方法を6つにしぼり、くわしく解説します。
吸入薬を使用する
小児喘息の発作が起きたときは、発作時用の吸入薬を使用しましょう。
発作時の薬を使用すると、症状がおさまることがあります。薬の使用の頻度や使用方法は医師の指示通りにおこなってみてくださいね。
吸入薬を使っても以下のような症状がある場合は、早めにかかりつけ医や救急外来の受診を検討しましょう。
- 眠れない
- 脈が早い
- 話せない(遊べない)
- 顔色や唇の色が悪い
- 食べられない(飲めない)
- ゼーゼーが聞こえる
- 呼吸のときにろっ骨の間がへこむ
- ぼーっとしている または 興奮している など
発作時の薬がない場合や、ご両親から見てお子さまの様子が「いつもと違う」と感じる場合にも早めの受診をおすすめします。
姿勢を工夫する
小児喘息の症状が出てるときには、身体を起こした姿勢がおすすめです。呼吸がしやすくなるからです。
お子さまを縦抱きしたり、ご両親がソファに座り抱きかかえたりするなど、からだを起こした姿勢をとることで、症状が軽減される場合があります。
座れるお子さまは、背中にクッションや枕を入れからだを起こすのも効果的です。
症状がよくならないときには、かかりつけ医や夜間救急の対応病院に受診の必要性を病院に確認してみましょう。
腹式呼吸を意識してもらう
小児喘息の発作が起きると、慌てて呼吸をしようとして浅い呼吸になるため、腹式呼吸を意識することが大切です。
腹式呼吸は、お腹の筋肉も使って呼吸をするため、より効果的な呼吸が期待できます。
つぎのことをお子さまが意識できそうであれば、試してみてください。
- ゆっくり鼻から息を吸い、お腹を膨らませる
- ゆっくり口から息をはき、お腹をへこませる
発作が起きていないときに腹式呼吸の練習をしてみましょう。
ダニやほこりなどのアレルゲンを除去する
小児喘息を悪化させないためには、こまめな掃除が大切です。小児喘息の約70-90%がダニやハウスダストなどのアレルゲンが原因だと言われているからです。
具体的な掃除の方法をみてみましょう。
- 部屋の換気をおこなう
- シーツや枕カバーを洗う
- ふとんを干す、またはふとんクリーナーを使う
- ぬいぐるみはこまめに洗濯するか、こまめに洗濯する
- 掃除機をかける(とくに寝室はできる限り毎日が望ましい)
- 観葉植物は湿度上昇につながるため、置かないか、ベランダに置く など
室温20度以上・湿度60%以上でダニが繁殖しやすいため、室温や湿度も注意してみてくださいね。
空気清浄機を使用する
空気中のアレルゲンを取り除く働きがあるため、空気清浄機の使用は効果的です。
小児喘息の場合、できる限りペットを飼わないことが望ましいですが、どうしても屋内で飼育する場合には空気清浄機を使用することをおすすめします。
適切な生活習慣を送る
小児喘息の症状を和らげるために、適切な生活習慣を送ることが大切です。免疫力が高まり、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなるからです。
では適切な生活習慣についてくわしくみてみましょう。
- 朝・昼・晩の3食とる
- 睡眠時間を確保する
- 適度な運動または遊びをする
- バランスの取れた食事をとる
- 決まった時間に起きる・寝る
- スマホやゲームの時間を気をつける など
運動や遊びのときに、小児喘息の症状が出ないか心配な場合は、一度主治医に相談してみてくださいね。
よくある質問
よくある質問と回答を見てみましょう。
Q1:小児喘息の応急処置は?
発作時の薬や吸入薬を医師の指示通りに薬を使用しましょう。そのときに、身体の上体を起こした姿勢や、腹式呼吸を意識すると症状が改善される可能性があります。
発作時の薬や吸入薬を使っても、改善が見られないときは早めに受診を検討することをおすすめします。
あらかじめ主治医に発作時にはどのように対応したらいいのか確認してみてくださいね。
Q2:小児喘息で苦しいときはどうしたらいいですか?
からだを起こした姿勢をとらせてあげましょう。からだを起こすと呼吸がしやすくなることがあります。
そして、ゆっくり呼吸することを意識するように伝えてみてください。腹式呼吸ができる場合は、腹式呼吸を意識してみましょう。
姿勢や呼吸を意識しても変わらない場合は、受診の必要性を病院に確認してみてくださいね。
Q3:子どもが喘息気味のときの対処方法は?
喘息気味のときは「保育園」「幼稚園」「習い事」などに参加せず、できるだけ自宅でゆっくり過ごしましょう。
もし、ご両親以外の方が見られる場合には、症状が悪化したときにどのように対応すればいいかを共有しておくと安心です。