突発性発疹

突発性発疹の症状や受診の目安

この記事では突発性発疹について解説します。
突発性発疹は、お母さんからの免疫がなくなる6か月から3歳のお子さんがかかりやすい疾患です。
突発性発疹の特徴は次の通りです。

  • 突然の高熱が3~4日続き、解熱前後に発疹が出てくる
  • 多くのお子さんは特別な治療を必要とせず、経時的に回復していく
  • 意識がぼんやりしていたり、けいれんを起こしたりした場合には緊急受診が必要

これ以降の項目で、突発性発疹の特徴や症状、受診の目安について詳しくお伝えします。

突発性発疹の特徴

突発性発疹はウイルス感染症の一つです。
原因ウイルスは次の2種類となります。

  • ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)
  • ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)

発熱と解熱前後の発疹が特徴的な疾患です。
季節性がないため、どの季節でも感染することがあります。
乳幼児期(特に6~18カ月)に発症のピークとなり、0~1歳で99%を占めると報告されています。
5歳以上で発症することは、まれです。
突発性発疹を初めて発症したときに免疫を獲得するため、基本的に複数回かかることはありません
成人までにほとんどの方が上記のウイルスに感染しますが、突発性発疹を発症しない方もいます(不顕性感染といいます)。

突発性発疹の症状

突発性発疹の症状は次の通りです。

  • 突然発熱(38℃以上)する
  • 発熱が3~4日持続する
  • のどが赤く腫れる
  • 軟便や下痢症状になる
  • 解熱前後に胸やお腹に発疹が出る
  • お子さんが不機嫌になる

まれに、熱性けいれんを発症することもあります。
突発性発疹の重篤な合併症として、脳炎・脳症、劇症肝炎、血小板減少性紫斑病があります。

突発性発疹の感染経路

突発性発疹は、お口を通して感染します(経口感染)。
ウイルスはこれまで感染した方の唾液中に含まれ、ウイルスを口から取り込むことで感染が成立します。
具体的な感染経路としては、次の通りです。

  • 飛沫感染:ウイルスの含まれる咳やくしゃみを吸い込む
  • 接触感染:ウイルスに触れた手でお子さんの口に触れる

突発性発疹の診断方法

突発性発疹では、お子さんの症状によって診断することが多いです。
具体的には次の症状で診断できます。

  • 3~4日持続する発熱
  • 解熱前後発疹

お子さんの症状で診断できることから、軽症の場合には特殊な検査は不要です。
重篤な合併症を発症してしまった場合には、原因ウイルスを調べたり他の疾患を除外したりするために検査することもあります。

突発性発疹の治療方法

突発性発疹には特効薬がありません
そのため、治療方法は対症療法が基本です。
発熱の程度がひどいお子さんには解熱剤を、下痢症状のあるお子さんには整腸剤を投薬することもあります。
脱水を防ぐために、こまめに水分を補給してあげてください。

受診の目安

突発性発疹の多くは自然と治っていきますが、次のような場合には受診が必要です。

  • 意識がぼんやりしている
  • けいれんが起こった
  • 顔色が悪い
  • 水分や栄養を補給できずおしっこが全くでない

特に、意識がぼんやりしていたり、けいれんを発症したりする場合には、脳炎や脳症が疑われます。
すぐに救急車を呼んで医療機関を受診しましょう。

保育園(幼稚園)への登園について

突発性発疹では、解熱後に発疹が出始めるころにはウイルスの排出が落ち着きます
そのため、解熱しお子さんの体調や機嫌に問題なければ、保育園や幼稚園に登園させることが可能です。
ただし、自治体や保育園が独自にルールを定めていたり、登園許可証が必要になったりする場合があります。
お子さんを登園させる前に、あらかじめ保育園や幼稚園へ確認しておきましょう。

突発性発疹に関するまとめ

この記事では次のことを解説しました。

  • 突発性発疹の特徴
  • 突発性発疹の症状
  • 突発性発疹の感染経路
  • 突発性発疹の診断
  • 突発性発疹の治療方法
  • 受診の目安

突発性発疹の特徴は次の通りです。

  • 原因ウイルスはヒトヘルペスウイルス6、7(HHV-6、HHV-7)
  • 発熱と解熱前後の発疹が特徴的
  • 季節性はない(どの季節でも感染しうる)
  • 特に6~18カ月が発症のピーク(0~1歳で99%を占める)

突発性発疹の症状は次の通りです。

  • 突然の高熱が3~4日持続する
  • のどが赤く腫れる
  • 軟便や下痢症状になる
  • 解熱前後に胸やお腹に発疹が出る
  • お子さんが不機嫌になる

突発性発疹の感染経路の感染経路は経口感染です。
ウイルス保有者からの飛沫を吸い込んだり、ウイルスが付着した物や手を舐めたりすることで感染が成立します。

突発性発疹はお子さんの症状から診断され、特別な検査は不要です。

治療方法としては、対症療法を行います。
発熱や下痢に対して、投薬で症状を緩和させることが可能です。

次の症状が認められた場合には、医療機関を受診させてください。

  • 意識がぼんやりしている
  • けいれんが起こった
  • 顔色が悪い
  • 水分や栄養を補給できずおしっこが全くでない

特に意識がぼんやりしていたり、けいれんが起こったりしたときには、脳炎や脳症が疑われるため救急車を呼びましょう。

突発性発疹は、特別な治療をすることなく多くのお子さんが経時的に回復していきます。
重大な合併症に注意しつつ、水分や栄養を補給してあげましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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カテゴリー:通年の子供の病気  投稿日:2024-06-10

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