アデノウイルス感染症

アデノウイルス感染症の代表的な2つの病気


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アデノウイルス感染症とは

アデノウイルスというウイルスが原因で引き起こされる感染症です。アデノウイルスは67以上の型があり、1つの型が複数の病気を引き起こすことがあります。また、多くの臓器に感染するため、様々な病気を引き起こします。
例えば、眼疾患では流行性角結膜炎(はやり目)。呼吸器疾患では、咽頭炎、扁桃炎、肺炎など。消化器疾患では、胃腸炎などです。

主な型
流行性角結膜炎(はやり目) 8、19、37、53、54、56
咽頭結膜熱(プール熱) 3、4、7、11、14
呼吸器感染症 1、2、3、4、5、7、21
胃腸炎 31、40、41

アデノウイルスはアルコール消毒が効かないという特徴があり、また感染力が強いことから、学校などで集団感染を引き起こしやすいという特徴があります。

基本的にウイルスに対する特効薬はないので、アデノウイルス感染症でどの疾患を発症したとしても、治療は対症療法(症状をやわらげる治療)になります。

今回は代表的な咽頭結膜熱と流行性角結膜炎について解説します。

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱(プール熱)とは

咽頭結膜熱とは、アデノウイルスの中の3、4、7、11の型が原因で発症するとされています。咽頭炎と結膜炎の両方の症状があらわれるアデノウイルス感染症で、通称「プール熱」とも呼ばれます。

「プール熱」は夏に流行ることが多く、”子どもの三大夏風邪”の1つとされています。
咽頭結膜熱の登園登校については「症状が無くなった後2日経過するまでは、登園登校が禁止」とされています。

好発年齢・好発時期

主に幼児~学童の子どもで好発するとされています
好発時期は夏から秋にかけて、7・8月に流行のピークが来ることが多いです

感染経路

主な感染経路は、飛沫感染や接触感染です。プールの水を介した感染もあります

症状

  • 急な発熱
  • のどの痛みや発赤(咽頭炎)
  • 目の充血やかゆみ、目やに、涙が多くなる、(結膜炎)  など

この他にも、頭痛、食欲不振、全身倦怠感(体のだるさ)などがあります

治療

治療は主に対症療法になります

  • 発熱やのどの痛みに対しては、解熱鎮痛剤を内服します
  • 目の充血や痒みが強い場合には、抗生剤やステロイド、高ヒスタミン薬入りの点眼薬が処方される場合もあります

流行性活結膜炎(はやり目)

流行性角結膜炎(はやり目)とは

アデノウイルスの中の8、19、37、53、54、56の型が原因で発症するとされています。
重度の結膜炎症状と、耳前リンパ節腫脹を起こします。
とても感染力が強く「はやり目」とも呼ばれ、予防が重要とされています。

流行性角結膜炎は非常に感染力が強いため、一定期間の登園・登校禁止を求めることがあります。具体的には、目の充血や分泌物がなくなるまで、または医師から感染がないと判断されるまでは自宅での療養を指示されることが一般的です。

好発年齢・好発時期

年齢を問わず発生します
特に夏から秋にかけて流行する傾向があります

感染経路

飛沫感染や接触感染により広がります
人の手やタオル、化粧品など共有物を介した直接的な接触が主な感染経路です

症状

  • 眼の充血
  • 結膜の腫れ
  • 涙や粘性の分泌物の増加
  • 目やに
  • 光が眩しい感じ(光線過敏)
  • 異物感
  • 耳前リンパ節の腫れ など

治療

主症状である眼症状をやわらげる治療を行います。

  • 冷却パック: 目の周りに冷却パックを当てることで、炎症や不快感を和らげる
  • 人工涙液: 目の乾燥や不快感を和らげる
  • ステロイド点眼薬: 炎症を抑えるために、短期間ステロイド点眼薬が処方されることがある
  • 目の衛生: 感染した目をこすらないようにし、手洗いを頻繁に行うなど、衛生管理を徹底する

流行性角結膜炎自体が直接発熱を引き起こすことはあまりありませんが、アデノウイルス感染症に伴う全身症状として発熱が見られることがあります。そのような場合は、解熱剤などを使う場合もあります。

アデノウイルス感染症の予防/感染拡大防止の方法

アデノウイルスは非常に感染力が強く、直接接触、飛沫感染、または汚染された物体を介して伝播します。感染しないためにも、また感染を広げないためにも、しっかりと予防策を講じましょう。

手洗い

流水と石鹸での手洗いが、ウイルスの拡散を防ぐ最も基本的な方法です。特に食事前、トイレ後、外出から帰宅した後、鼻をかんだ後、咳やくしゃみをした後には手を洗うことを心がけてください。

咳エチケットの実践

咳やくしゃみをする際は、ティッシュや袖で口と鼻を覆い、飛沫の拡散を防ぎます。使用したティッシュはすぐに捨て、その後は手を洗ってください。

接触の回避

アデノウイルスに感染している人との密接な接触を避けることが重要です。また、自分が病気の時は、他人との接触を控え、必要であればマスクを着用してください。

物の共有を避ける

食器、タオル、寝具など個人の使用物は共有しないようにしてください。

表面の消毒

アデノウイルスは環境上で長時間生存することができるため、頻繁に触れる表面や物(ドアノブ、スイッチ、リモコン、おもちゃなど)を定期的に消毒することが感染防止に役立ちます。

空間の換気

換気が悪い場所ではウイルスが蓄積しやすいため、定期的に窓を開けて新鮮な空気を取り入れることが重要です。

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カテゴリー:夏に多い子供の病気  投稿日:2024-05-30

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