子宮頸管ポリープとは?
子宮頸がん検診を受けたときに、
「ポリープがありますね。」
と言われたことがある方がいらっしゃるかと思います。
このポリープは、正しくは「子宮頸管(けいかん)ポリープ」のことを指しています。
子宮頸管とは、子宮の出入り口の部分のことを言います。
この場所にポリープができることは、めずらしいことではありません。
いきなりポリープと言われたらびっくりされるかと思いますが、心配する必要はありません。
この記事では子宮頸管ポリープについて解説します。
原因
子宮頸管ポリープが発生する理由は明らかになっていません。
ポリープがひとつだけできることもあれば、複数個同時に発生することもあります。
大人の女性によくみられる疾患で、めずらしいものではありません。
ポリープを切除した後も再発することがよくあります。
症状
痛みやかゆみが出ることはないため、特に症状が出ないことが多いです。
ポリープは少し触っただけでも出血しやすいので、不正性器出血や性交時出血が見られることがあります。
ポリープの大きさは、米粒大〜小豆大と小さなものであることが多いです。
稀ですが、サイズが大きくなり腟内に充満してしまうこともあります。
診断
内診台に上がって頂き、クスコという器械を腟内へ挿入し子宮頸部を観察すると、ポリープができているかどうかを簡単に確認することができます。
子宮頸がん検診のときに細胞を採取する場所にできるポリープなので、頸がん検診で指摘される方が多いです。
基本的には、子宮頸管ポリープは良性のできものです。
ただ約0.1%において悪性、約0.5%において異形成であったという報告があるため、要注意です。
治療
小さなポリープで、茎が太くない場合には簡単に切除することができます。
鉗子(かんし)というハサミのような形をした器具でポリープの根元を掴み、1回転させることで捻じれて取り除くことができます。
ほんの一瞬で取れてしまうので、いつ切除したのかわからないくらいです。
茎が太い場合には、電気メスやレーザーメスなどを使う必要があります。
ポリープを切除すると少し出血しますが、痛みは感じないことが多いです。
切除したポリープは病理検査に提出し、悪性所見がないかどうかを確認します。
結果が出るまで2-3週間かかります。
後日結果説明の外来診察があります。
※妊娠中の子宮頸管ポリープは慎重に取り扱う必要があります。
ポリープ切除によって出血や感染が助長され、流産・早産につながることがあるからです。
また、脱落膜ポリープといって、胎盤から発生しているポリープである可能性も考えられます。
ポリープを切除するかどうかは個別に判断します。
妊娠の可能性がある方は、担当医師に必ず申し出てください。
まとめ
子宮頸管ポリープは、成人女性においてよくみられるできものです。
ポリープは出血しやすいので、性器出血や帯下(おりもの)の原因となることがあります。
ほとんどの場合において良性ですが、まれに悪性や異形成がみられることもあり要注意です。
茎が細い場合には、痛みを感じることなく切除することが可能です。
切除することにより検査に出すことができるので、悪いものでないかどうかを確認し、安心できます。
頸がん検診を受けて子宮頸管ポリープがあると指摘されたときには、お気軽にご相談いただけると幸いです。
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カテゴリー:子宮がん 投稿日:2025-05-16
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