舌がん

舌がんの症状と治療法:早期発見が重要な理由とは?

舌がんは、日本で比較的珍しいがんの一つですが、その早期発見と適切な治療が非常に重要です。
今回の記事では、舌がんの初期症状やリスク要因、診断方法、治療法について詳しく解説します。特に口腔内の健康を保つために日常的にできることも紹介していきますので、皆様の健康管理に役立てていただければと思います。

舌がんとは?

舌がんは、舌の表面や裏側に発生する悪性腫瘍(がん)の一種です。
舌がんは口腔がん(口の中にできるがん)の中でも半数以上を占めています。
口腔がんには、舌以外にも口腔底(舌と下側の歯ぐきの間)、歯肉(歯ぐき)、頬の内側の粘膜、上あご、そして唇にもできます。

舌がんの多くは、舌の表面を覆う細胞である扁平上皮細胞から発生する「扁平上皮(へんぺいじょうひ)がん」です。
がんが進行すると、舌の深い部分まで広がっていきます。

がんが転移する場合、主に首のリンパ節に広がることが多いですが、まれに肺に転移することもあります。

なお、舌の根元部分にできたがんは「中咽頭がん」として分類され、舌がんとは異なります。

舌がんは日本においては比較的発症率が低いものの、近年では口腔内がん全体の中で一定の割合を占めるようになっています。
舌がんは他の口腔がんと異なり、早期に発見されることで治療の成功率が高まるため、注意が必要です。

舌がんのリスク要因

舌がんのリスク要因には、喫煙や過度の飲酒が挙げられます。
これらの習慣は、口腔内の細胞に対する慢性的な刺激を引き起こし、がんの発生リスクを高めます。
また、HPV(ヒトパピローマウイルス)感染も口腔がんのリスクを増加させることが知られており、特に若年層において注意が必要です。

舌がんの初期症状

舌がんの初期症状としては、痛みのない口内のしこりや潰瘍が一般的です。
その他にも、舌の変色や厚みの変化、持続する口内の痛みや出血などが見られます。
また、白板症(はくばんしょう)という舌や口腔内に白い斑点が現れる症状も、舌がんの前兆として知られています。
これらの症状が2週間以上続く場合は、早めに専門医の診察を受けることをお勧めします。

舌がんの診断方法

舌がんの診断には、まず視診と触診が行われます。
疑わしい病変が見つかった場合には、生検(バイオプシー)が行われ、病理学的にがん細胞の有無を確認します。
さらに、CTやMRI、PETなどの画像診断も併用されることがあります。
これにより、腫瘍の大きさや周囲組織への浸潤度を詳しく評価することができます 。

舌がんの治療法

舌がんの治療法には、手術療法、放射線療法、化学療法があります。
がんが舌にとどまっており、他の場所に転移が無い場合には、まずは手術療法が行われます。
舌がんは原発巣の大きさ、浸潤の深さ、および周囲組織への進展により切除範囲が異なります。
具体的には、口底浸潤、舌根浸潤、下顎骨浸潤の有無などによります。

原発巣の切除範囲が大きければ、皮弁または筋皮弁による再建手術が必要となります。

放射線療法や化学療法は、手術後の補助療法として使用されることが多く、最近では免疫療法などの新しい治療法も注目されています 。
例えば、舌がんの放射線治療には、組織内照射(放射性同位元素をがん組織に直接挿入)、外部照射(体の外から放射線を照射)、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)、粒子線治療(陽子線・重粒子線)があります。
組織内照射は腫瘍の厚さが10mm以下の場合に適用され、外部照射は手術後の再発リスクが高い場合に行われます。

早期発見の重要性

舌がんの早期発見は、治療の成功率を大きく左右します。
定期的な歯科検診を受けることで、初期段階での発見が可能となります。
また、自分自身で口腔内の変化をチェックすることも有効です。
口内の異常を見逃さず、早めに医師の診察を受けることが重要です 。

舌がん予防のための日常的なケア

舌がんの予防には、禁煙と節酒が最も効果的です。
喫煙や過度の飲酒は口腔内の細胞に対する慢性的な刺激を引き起こし、がんのリスクを高めます。
これに加えて、以下のような健康的な生活習慣を維持することが重要です。

健康的な食生活

  • ビタミンやミネラルを豊富に含むバランスの取れた食事を心がける。
  • 抗酸化作用のある食品(例えば、果物や野菜)を多く摂取する。
  • 加工食品や高脂肪食品の摂取を控える。

口腔内の清潔を保つ

  • 毎日のブラッシングとフロスで歯垢や食べかすを取り除く。
  • 舌クリーナーを使用して舌の表面を清潔に保つ。
  • 定期的に歯科医で歯の健康状態に加え口腔チェックを受ける。

セルフチェックと早期発見

  • 毎日鏡を使って口腔内をチェックし、異常を見つけたらすぐに医師に相談する。
  • 特に、しこりや潰瘍、変色、白板症などの症状を注意深く観察する。
  • 定期的な歯科検診を受ける。

まとめ

舌がんは早期発見と適切な治療が重要です。
日常的な口腔内のケアや健康的な生活習慣を心掛けることで、そのリスクを減らすことは可能です。
定期的な歯科検診やセルフチェックを通じて、舌がんの早期発見に努めましょう。
今回の記事がお役に立てば幸いです。

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カテゴリー:喉の病気  投稿日:2024-08-29

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