定期接種と任意接種の違い
子育てをしていると、子どもの予防接種に関する情報に触れる機会が増えます。
病院や保健所からのお知らせを見ても「定期接種」と「任意接種」がよくわからない……ということはありませんか?
この記事では「定期接種」と「任意接種」の違いについて、わかりやすく説明します。
定期接種
定期接種とは、予防接種法により対象者や期間が定められた予防接種のことです。
感染症に対する集団免疫を確立し、流行を防ぐことを目的としています。
定期接種は国や地方自治体が費用を負担するため、基本的には無料で受けることができます。
予防接種法で定められている期間外で接種する場合は、任意接種とみなされ費用がかかるため注意が必要です。
定期接種には、BCG、麻疹風疹(MR)ワクチン、DPT-IPV(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)などがあります。
詳細については、表1を参照してください。
定期接種は強制ですか?
定期接種は予防接種法に基づいて推奨されていますが、強制ではありません。
接種を受けるかどうかは、保護者や本人の判断に委ねられています。
予防接種を受けることで得られる感染症予防の効果は非常に大きいため、接種をお勧めします。
任意接種
任意接種は、予防接種法で定められておらず、個人の希望によって実施される予防接種です。
原則として費用は自己負担ですが、一部の自治体では公費助成を行っている場合もあります。
任意接種の例としては、季節性インフルエンザワクチン、おたふくかぜワクチンなどがあります。
これらは特定の状況や地域での感染リスクに応じて、接種が推奨されることが多いです。
表1 定期接種と任意接種のワクチン
任意接種はお金を払ってでも接種するべき?
任意と聞くと「接種しなくてもいいのかな」と感じるかもしれません。
しかし、任意接種も大切なワクチンであり、接種が推奨されます。
予防接種を受けることで、特定の病気を予防する効果があります。
ワクチンを接種しておけば、もし感染した場合でも重症化を防げます。
多くの人が予防接種を受ければ集団免疫が高まり、感染症の蔓延を防ぐことができます。
これにより、免疫力の弱い人々や、ワクチン接種を受けることができない人々も守られることになります。
集団免疫の力は、個人だけでなく社会全体の健康を守るために非常に重要です。
重篤な副反応が起こったら
どんなに安全なワクチンであっても、稀に重篤な副反応が発生することがあります。
定期接種によって健康被害を受けた場合の制度について、知っておくことが大切です。
予防接種健康被害救済制度という救済給付があります。
この制度は、稀に予期せぬ副反応が起こる可能性を考慮し、被害者やその家族を経済的に支援する目的で設けられています。
健康被害救済制度の詳細については、各自治体や厚生労働省のウェブサイトを参照してください。
予防接種健康被害救済制度について 厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_kenkouhigaikyuusai.html(外部サイト)
まとめ
定期接種と任意接種の違いを理解し、適切なタイミングで予防接種を受けましょう。
予防接種はお子さんの健康を守るために非常に重要な役割を果たします。
さらに、予防接種を通じて集団免疫を高め、感染症の蔓延を防ぐことができます。
正しい情報を持ち、計画的に予防接種を進めていきましょう。
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カテゴリー:こどものワクチン 投稿日:2024-12-16
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