小児喘息の診断基準とは?自宅でできるチェック方法を解説します
「小児喘息っぽいね」「ゼーゼーしてるけど、小児喘息じゃない?」
このように言われたり不安を感じたりしたことはありませんか?
小児喘息は、何回か受診して診断されることもある病気です。
そのため、「小児喘息っぽい」と何回か言われたことがある場合には注意が必要です。
本記事では、小児喘息の診断基準や自宅でできるチェック法を解説します。お子さまが小児喘息かもしれないと悩まれている方のお役に立てれば幸いです。
小児喘息の診断基準とは
「専門的な検査」と「医師による問診」などの総合的な結果をみて、小児喘息は診断されます。
「長引く咳」や「息をするときにヒューヒューゼーゼー音がする」など小児喘息のような症状が一度出ただけでは、小児喘息と診断することが難しいことがあります。
とくに、小さいお子さまの場合は、小児喘息でなくても、風邪をひいたときやミルクを飲んだあとに小児喘息に似た症状が出ることがあるからです。
では、どのような検査や問診があるかそれぞれくわしくみてみましょう。
小児喘息が疑われるときの検査
小児喘息が疑われるときにおこなう代表的な検査は以下のとおりです。
検査の目的 | 検査の種類 |
---|---|
血液検査や皮膚検査 | アレルギー体質かどうかの確認(アレルギーを引き起こす原因を調べる) |
胸のレントゲン | 胸や気管支(空気のとおり道)のつくりに問題がないかの確認 |
呼吸機能検査/気道可逆性テスト 気道抵抗測定(さらに詳しい検査) |
気道が狭くなっていないかの確認 |
呼気NO(一酸化窒素)検査 | 呼気NO(一酸化窒素)検査 気道の炎症がどのくらいかの確認 |
気道過敏性テスト | 気道過敏性テスト 刺激に対しどのくらい気道が敏感か確認 |
どの検査をおこなうかは、お子さまの年齢や症状によって違うため、くわしくは小児科の医師に確認してみてください。
小児喘息が疑われるときの問診
小児喘息が疑われるときに問診でどのようなことを聞かれるのか、具体的にみてみましょう。
質問の目的 | 具体的な内容 |
---|---|
小児喘息の程度の確認 | この1ヶ月間、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」した日はどのくらいあったか |
呼吸困難な発作の回数の確認 | この1ヶ月間、「ヒューヒュ」「ゼーゼー」して息が苦しくなる発作はどのくらいあったか |
朝・夜にどのくらい咳が出たかを確認 (6ヶ月〜4歳未満のみ) |
この1ヶ月間、熱がないのに寝る直前や朝方に咳が気になることがあったか |
夜、目が覚める頻度の確認 | この1ヶ月間、喘息の症状が原因で寝ている間に目を覚ますことがどのくらいあったか |
運動したときの症状の確認 | この1ヶ月間、運動したときや大泣きしたときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」することがどのくらいあったか |
β2遮断薬(発作時に使用する咳止め)の使用頻度の確認 | この1ヶ月間に発作止めの「飲み薬」「貼り薬」「吸入薬」をどのくらい使ったか |
とくにまだうまく話せないお子さまの場合、ご両親からの日常の様子が問診では大切です。どんなことでもいいので、気になることは小児科の医師や看護師に伝えてくださいね。
小児喘息のチェックを自宅でする方法
小児喘息かどうか自宅でチェックする方法を紹介します。つぎの症状がある場合には小児科の受診を検討してください。
- 長引く咳がある(2週間以上が目安)
- 朝や寝るときに咳が出る
- 呼吸をするときに「ヒューヒュー」または「ゼーゼー」することがある
- 夜、咳が原因で眠れない
- 息をすうときにろっ骨の間がへこむ
- 息をすうときに小鼻が開く
- 息苦しくなることがある など
息苦しさが原因で「眠れない」「食べられない」「飲めない」などの症状があるときは早めの受診をおすすめします。
小児喘息のガイドラインの治療ステップ
「5歳以下」と「6〜15歳」の年齢にわかれて、小児喘息の治療はおこなわれます。
小児喘息のガイドラインには「治療ステップ」が4段階あり、小児喘息の症状によって、治療ステップを上げたり下げたりしながら、症状が悪くならないようコントロールします。
治療に関してくわしく知りたい方は、ぜひこちらもご覧ください。
よくある質問
小児喘息に関するよくある質問をまとめました。それぞれみてみましょう。
Q1:小児喘息の診断方法は何ですか?
つぎの情報をもとに、医師が総合的にみて小児喘息かどうか診断します。
- 症状に関する問診
- 血液検査
- 気道に関する検査 など
一度似た症状が出ただけでは小児喘息とは診断されず、繰り返す症状をもとに検査を進めます。日常生活での様子や症状が出る時間帯など、くわしく小児科の医師に話してみてくださいね。
Q2:小児喘息かどうか判断する基準はありますか?
小児喘息かどうかは検査の結果や医師の問診で判断されるため、症状だけで判断することは難しいです。しかしつぎのような症状は、小児喘息の可能性があるため小児科を受診することをおすすめします。
- 2週間以上続く咳がある
- 「ヒューヒュー」または「ゼーゼー」する
- 呼吸が苦しそう(苦しい)
- 朝や寝るときに咳が出る
- 息をすうときにろっ骨の間がへこむ
- 息をすうときに小鼻が開く など
Q3:小児喘息の検査数値はどのくらいですか?
小児喘息のおもな検査の数値をくわしくみてみましょう。
検査項目 | 検査の目的 | 検査の数値 |
---|---|---|
総IgE値 | アレルギーのなりやすさを調べるため | 一般的には200IU/mL以上あると高いと判断される 例)220IU/ml |
抗原特異的IgE抗体 | アレルゲン(アレルギーの原因)を調べるため | アレルゲンがわかる 例)ダニ、カビなど |
呼気NO(一酸化炭素)検査 | 気道(空気のとおり道)の炎症を調べるため | 36ppbを超えると喘息の可能性が高いと判断される 例)40ppb |
お子さまの年齢によって、検査数値の許容範囲がかわる場合があります。くわしくは主治医に確認してみてください。
Q4:小児喘息と気管支喘息の検査項目の違いはありますか?
一般的には、小児喘息と気管支喘息の検査項目は同じケースがあります。しかし、お子さまの年齢によって検査が難しい場合もあり、大人の方がおこなう検査をすべてやらない場合があります。
どのような検査をするのかは、お子さまの年齢や発達状況によって検査の内容が変わるため、くわしくは主治医に確認してみてください。
小児喘息かもしれないと言われた方へ
ご両親からの日頃のお子さまに関する情報が、小児喘息かどうか診断するときに役立ちます。繰り返される症状や検査の結果を総合的にみて、小児喘息と診断されるからです。
小さいお子さまの場合には自分で症状を伝えられなかったり、苦しさに気づけなかったりします。
症状が出る頻度やきっかけなど、ご両親が気になることは小児科の医師にくわしく伝えてみてくださいね。
小児喘息に関して、何かお困りなことがあればひとりで悩まずいつでもお気軽に当院までご相談ください。
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カテゴリー:通年の子供の病気 投稿日:2024-09-21
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