プール熱(咽頭結膜熱)の症状・診断・治療

プール熱(咽頭結膜熱)の症状・診断・治療

プール熱(咽頭結膜熱)とは?

プール熱(咽頭結膜熱)の症状・診断・治療について、こころみクリニックの小児科専門医が解説します。

  • 発熱、眼症状、咽頭炎を主症状とする疾患。幼児~学童の年齢で好発する。
  • アデノウイルスというウイルスに感染することで起こる。感染力が強く、学校などで集団感染を起こしやすい。
  • 7~8月に流行のピークが来ること、プールの水を介して感染が広がることから、「プール熱」と呼ばれている。
  • 治療は対症療法。安静に過ごし自身の免疫力が回復すれば、自然と治癒する。
  • 感染力が強いため、症状消退後2日間経過するまでは登園登校を控えなければならない。
  • 感染を拡大させない対策も重要。例えば、マスク、手洗い・うがい、タオルを共有しない、入浴の順番を最後にするなど。

プール熱とは、正式には「咽頭結膜熱」という疾患です。
「プール熱」「手足口病」「ヘルパンギーナ」を合わせて”子どもの三大夏風邪”と呼ばれるように、基本的には夏に流行します。しかし、近年では冬にも小規模な流行が見られます。

プール熱はアデノウイルスに感染することで起こる感染症の一つです。
アデノウイルスは67以上もの型があるのですが、その中でも3、4、7、11の型に感染すると、プール熱を発症します。
感染源・感染経路は、感染者の分泌物(目やに、便など)の接触感染と、咳やくしゃみなどを浴びる飛沫感染になります。

アデノウイルスは消毒剤や熱に対する抵抗力が強いので、予防対策には注意が必要です。

プール熱(咽頭結膜熱)の症状

  • 急な発熱(39度近い高熱)
  • のどの痛みや発赤(咽頭炎)
  • 目の充血、目やに、涙が多くなる(結膜炎)

この他にも、頭痛、食欲不振、全身倦怠感(体のだるさ)などがあります。

ウイルスの潜伏期間は5~7日程度と言われています。
感染力が強く、症状が消失した後でもウイルスを排出することから、「症状が無くなった後2日経過するまでは、登園登校が禁止」とされています。

プール熱(咽頭結膜熱)の診断

プール熱の診断は、現れている症状とウイルスの検出によって診断されます。

ウイルスの検出は、血液検査や簡易診断キットなどで行われます。
簡易診断キットでは綿棒のようなものでのどの奥をこすり、それを試薬と反応させることで判定されます。
感染初期でウイルス量が少ない場合には検出が困難な場合もあります。

プール熱(咽頭結膜熱)の治療法

プール熱(咽頭結膜熱)について小児科専門医が詳しく解説します。

プール熱の治療は、主に対症療法になります。解熱鎮痛剤を用いて、熱や痛みをやわらげます。
また、目の充血や痒みが強い場合には、抗生剤やステロイド、高ヒスタミン薬入りの点眼薬が処方される場合もあります。

安静にして体力が回復すれば、自然に自身の免疫力によって治癒していきます。

免疫力を上げるためには、疲れやストレスを取り除き、十分な睡眠を確保することが重要となるので、ゆっくり体を休められるようにしましょう。

プール熱(咽頭結膜熱)にかかった時の対応

子どもがプール熱にかかった時には、「子どもの回復を促すための対応」と、「家庭内での感染拡大を予防する対応」の2つの対応が必要になってきます。

子どもの回復を促すための対応

子どもの体力回復のために、十分に休息を取れるようにする

発熱が続くと体力を消耗します。適度に解熱剤を使うことは、体を休ませることにも効果的です。

こまめな水分補給

発熱がある中、のどの痛みで水分摂取が少なくなると、脱水状態に陥りやすくなります。1回量は少量でもいいので、こまめに水分をとれるようにしましょう。のどの痛みを考えると、オレンジジュースなど刺激があるものよりは、刺激のない麦茶やスポーツ飲料、冷めたスープなどが飲みやすいかもしれません。本人が飲めそうなものを準備しましょう。

食べやすいもので栄養補給

のどに痛みがあるので、のどごしの良いもの、刺激のないものが摂取しやすくなります。
例えば、ゼリー、プリン、ヨーグルト、卵豆腐、冷ましたうどんなどです。本人が食べられそうなものを、用意してあげましょう。

家庭内での感染拡大を予防するための対応

流水での手洗いとマスクの装着

感染源は、目やに、便、咳やくしゃみなどの飛沫になります。
アデノウイルスはアルコール消毒や高熱に対して耐性があるので、アルコール消毒ではなく流水と石鹸でしっかりと手洗いをしましょう。
また、症状が無くなってからもこれらの分泌物の中にウイルスの排出は続くと言われています。症状がある間だけでなく、症状が落ち着いてからも手洗いやおむつの取り扱いには注意しましょう。

清掃や消毒

患者の分泌物や飛沫が付着した部分の清掃や消毒には次亜塩素酸ナトリウム(家庭用の漂白剤、いわゆるキッチンハイターなど)を希釈して使用することが推奨されています。清掃のたびに準備するのが大変な場合は、希釈不要のものが市販品にもあるので、活用すると良いかもしれません。

タオルや食器の共有をやめる

タオルを共有すると、ウイルスを家庭内で広げてしまいます。また、目やにや唾液が多く付着したタオルなどは洗濯しても感染源となる場合があります。ですので、タオルは共有せず、別のものを使いましょう。また、目やになどを拭き取る際はティッシュなど捨てられるものを使うようにしましょう。

入浴は最後にする

プール熱は感染力が強いので、浴室での水を介して感染させてしまうということも考えられます。まだ症状が出ている、もしくは発病してまだ数日しか経過していないという場合は、入浴の順番を最後にすることで、感染を予防できると考えられます。

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カテゴリー:夏に多い子供の病気  投稿日:2024-05-30

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