世界で初めて承認されたDPP-4阻害薬
ジャヌビア/グラクティブは2型糖尿病の方に対して使用できるお薬です。
食事をして血糖値が高くなる時だけ膵臓からのインスリン分泌を促すタイプのお薬として、世界で初めて承認されました。
このタイプのお薬は低血糖や体重増加のリスクが低いため、安全性が高いと考えられています。
ここでは、ジャヌビア/グラクティブの効果と副作用について、その作用の仕組みから詳しく説明します。
ジャヌビア/グラクティブとは?
ジャヌビア/グラクティブはDPP-4(ディーピーピー・フォー)阻害薬に分類される錠剤で、2型糖尿病に使用できます。
ジャヌビア/グラクティブは世界で初めて承認されたDPP-4阻害薬で、134の国と地域で承認されています。(2018年6月現在)
ただし、1型糖尿病には使用できないため、注意が必要です。
ジャヌビア/グラクティブは商品名で、一般名(成分名)はシタグリプチンです。
ジャヌビア/グラクティブは先発品で、ジェネリック医薬品は販売されていません。
発がん性がある!?
過日、ニトロソアミン類の一種であるNTTPという物質がシタグリプチン製剤の一部のロットから検出されました。
一般的に、ニトロソアミン類は発がん性を有する可能性がありますが、NTTPが発がん性を有するかは不明です。
米国食品医薬品局(FDA)によると、自己判断でお薬の服用を中止するのは危険な可能性があるため、心配な場合は主治医にご相談ください。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000984209.pdf(厚生労働省)
ジャヌビア/グラクティブの適応と効果
ジャヌビア/グラクティブ(一般名:シタグリプチン)の適応としては、以下が認められています。
- 2型糖尿病
あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること
ジャヌビア/グラクティブの効果とメカニズム
まずはインクレチンの働きについて説明します。
インクレチンは食事をすると小腸から分泌される物質で、膵臓のインスリン分泌を促し血糖値を下げる働きがあります。
インクレチンは空腹時には効果を発揮せず、食事によって血糖値が上昇した時にのみ働くという非常に特異的な作用を持っています。
しかし、インクレチンはDPP-4という物質によって分解されてしまうため、実際に作用するのは産生されたインクレチンのごく一部です。
インクレチンの種類として、GIP(ジーアイピー)やGLP-1(ジーエルピー・ワン)が確認されています。
ジャヌビア/グラクティブを服用すると、次のような働きが体内で発生していることがお分かりいただけるかと思います。

- DPP-4を阻害しインクレチン(GLP-1等)が分解されるのを防ぐ
- 膵臓に作用するインクレチンの量が増えるため、インスリン分泌が促される
- 血糖値が下がる
ジャヌビア/グラクティブの用法
ジャヌビア/グラクティブの用法は、以下のようになっています。
腎機能が低下している場合は?
ジャヌビア/グラクティブは腎排泄型のお薬のため、腎機能が低下している場合はお薬を慎重に服用する必要があります。
ジャヌビア/グラクティブを飲み忘れた場合は?
ジャヌビア/グラクティブを飲み忘れた場合、決して2日分を一度に服用しないでください。
気がついたときに、できるだけ早く飲み忘れた分(1日分)を服用してください。
ただし、次の服用時間が近い場合は飲み忘れた分をとばして、次の日に1日分を服用してください。
ジャヌビア/グラクティブの副作用
ジャヌビア/グラクティブの主な副作用として
が報告されています。
重篤な副作用としては、低血糖、急性膵炎、腸閉塞、類天疱瘡等があります。
ジャヌビア/グラクティブの剤型と薬価
ジャヌビア/グラクティブの剤型と薬価は以下の通りです。
- 先発品:ジャヌビア12.5mg錠 52.9円・25mg錠 63.6円・50mg錠 117.9円・100mg錠 174.6円
グラクティブ12.5mg錠 53円・25mg錠 64.9円・50mg錠 119.8円・100mg錠 176.3円
- 後発品:未発売
ジャヌビア/グラクティブのまとめ
- ジャヌビア/グラクティブはDPP-4阻害薬に分類されるお薬で、2型糖尿病にのみ使用できます。
- ジャヌビア/グラクティブは世界で初めて承認されたDPP-4阻害薬です。
- ジャヌビア/グラクティブは食事をして血糖値が高くなる時だけインスリン分泌を促し、血糖値を改善します。