ルセフィ(一般名:ルセオグリフロジン)の効果と副作用

糖を排出する糖尿病治療薬

ルセフィは大正製薬によって開発された糖尿病の治療薬で、SGLT2阻害薬に分類されます。

ルセフィは膵臓ではなく腎臓に作用することで効果を発揮し、血糖値を改善できます。

ただ、糖を尿として体外へ排出することができるため、やせる目的での適応外使用が問題となっています。

ここでは、ルセフィの効果と副作用について、その作用の仕組みから詳しく説明します。

ルセフィとは?

ルセフィは、大正製薬によって国内で創製・開発された糖尿病治療薬です。

ルセフィはSGLT2阻害薬に分類される錠剤で、2型糖尿病に使用できます。

1型糖尿病や腎臓の機能が低下している場合等は使用できないため、注意が必要です。

ルセフィは商品名で、一般名(成分名)はルセオグリフロジンです。

ルセフィは先発品で、ジェネリック医薬品は販売されていません。

錠剤だけではなくフィルム剤も販売されており、患者さんの生活様式における剤型選択が可能となっています。

ルセフィの適応と効果

ルセフィ(一般名:ルセオグリフロジン)の適応としては、以下が認められています。

  • 2型糖尿病
    あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること

ルセフィの用法

ルセフィの用法は、以下のようになっています。

  • 2.5mgを1日1回朝食前または朝食後に服用する(適宜増量)

ルセフィ適応外使用の実情

ルセフィを服用すると、6ヵ月で約2.7kg、1年間で約2.7kgの体重減少が示されていますが、これは2型糖尿病の患者さんを対象にしたデータです(ルセフィ開発時の臨床試験)。

高額な費用を出しリスクを抱えてまで、糖尿病でない方が服用する程の価値があるのでしょうか。

膀胱炎等の副作用が発生しても他の医療機関への受診を勧められ、つらい思いをするだけではなく、肩身の狭い思いまでするだけです。

また大きな有害事象が起こった場合にも、PMDAによる医薬品副作用被害救済制度の対象外となってしまいます。

ルセフィは2型糖尿病のお薬なので、ダイエット目的での服用はおすすめできません。

ルセフィの効果とメカニズム

まず最初に、高血糖時の尿糖排泄について説明します。

  1. ルセフィの作用のメカニズムについて、効果を医師が詳しく解説します。
    血液中の糖が腎臓で濾過されます。
  2. 濾過された糖は主にSGLT2(※2)の働きで血液中に再吸収されます。
  3. 再吸収しきれなかった糖が尿として排泄されます。

※SGLT2(エスジーエルティー・ツー):糖を運ぶたんぱく質のひとつ。SGLT1も腎臓に存在しているが、腎臓で糖の再吸収に関わるのは主にSGLT2である。

ルセフィを服用するとどうなるでしょうか。

ルセフィの作用メカニズムを、医師が詳しく解説していきます。

  1. 血液中の糖が腎臓で濾過されます。
  2. ルセフィがSGLT2による再吸収を妨げます。
  3. 再吸収しきれない糖が増え、尿中へ排泄される糖が増えます。

ルセフィを服用すると血液中へ戻る糖が減少するため、血糖値が低下します。

ルセフィの副作用

ルセフィの主な副作用として

  • 膀胱炎等の尿路感染
  • 頻尿
  • 便秘

が報告されています。

重篤な副作用としては、低血糖、腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症、脱水、ケトアシドーシスがあります。

※詳しく知りたい方は、『SGLT2阻害薬の効果と副作用』をお読みください。

ルセフィの剤型と薬価

ルセフィの剤型と薬価は以下の通りです。

  • 先発品:2.5mg錠160.8円・5mg錠239.3円・ODフィルム2.5mg160.8円
  • 後発品:未発売

ルセフィフィルム剤とは?

正式名称を「ルセフィODフィルム2.5mg」といい、ルセフィ錠の薬効を損なわずフィルム化したもの。薄いシート状のため携帯に便利であり、水なしでも服用が可能となっています。

OD(oral disintegrating) :「口腔内で崩壊する」の意味。

ルセフィのまとめ

  • ルセフィはSGLT2阻害薬に分類されるお薬で、膵臓ではなく腎臓に作用することで血糖値を改善します。
  • ルセフィは携帯に便利なフィルム剤が販売されており、生活様式における剤型選択が可能となっています。
  • ルセフィを服用すると血液中へ戻る糖が減少するため、血糖値が低下します。
  • ルセフィを服用すると尿量が増えるため、朝の服用となっています。

【お願い】
「こころみ医学の内容」や「病状のご相談」等に関しましては、クリニックへのお電話によるお問合せは承っておりません。

診察をご希望の方は、受診される前のお願いをお読みください。

【お読みいただいた方へ】
医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。

クリニック一覧

医療職はもちろんのこと、法人運営スタッフ(医療経験を問わない総合職)も随時募集しています。

(医)こころみ採用HP

取材や記事転載のご依頼は、最下部にあります問い合わせフォームよりお願いします。

大澤 亮太

執筆者紹介

大澤 亮太

医療法人社団こころみ理事長/株式会社こころみらい代表医師

日本精神神経学会

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了

カテゴリー:糖尿病治療薬  投稿日:2023-06-02

\ この記事をシェアする /

TWITTER FACEBOOK はてな POCKET LINE

関連記事

トルリシティ(一般名:デュラグルチド)の効果と副作用

週1回タイプの糖尿病治療薬 トルリシティは、本来は2型糖尿病の方にだけ使うことのできるお薬です。 最近では自由診療領域で、食欲抑制効果を利用した医療ダイエットとして使われている実情があります。 大きな特徴として、週1回タ… 続きを読む トルリシティ(一般名:デュラグルチド)の効果と副作用

カテゴリー:糖尿病治療薬  投稿日:

ザファテック(一般名:トレラグリプチン)の効果と副作用

世界初、週1回タイプの血糖降下薬 ザファテックは2型糖尿病の方に対して使用できる世界初の週1回タイプの血糖降下薬です。 食事をして血糖値が高くなる時だけ、膵臓からのインスリン分泌を促します。 このタイプのお薬は低血糖や体… 続きを読む ザファテック(一般名:トレラグリプチン)の効果と副作用

カテゴリー:糖尿病治療薬  投稿日:

グリニド薬の効果と副作用

グリニド薬とは グリニド薬は糖尿病の治療ガイドラインで定められている2型糖尿病の治療薬のひとつで、インスリン分泌を促し血糖値を下げる働きがあるお薬の名称です。 グリニド薬は速効型インスリン分泌促進薬と呼ばれることもありま… 続きを読む グリニド薬の効果と副作用

カテゴリー:糖尿病治療薬  投稿日:

人気記事

【医師が解説】喘息の長期管理薬(吸入ステロイド)の効果と副作用

喘息の長期管理薬とは? 喘息は、気道に慢性炎症が起きて狭くなっている状態です。それが引き金となって気道が過敏になり、ちょっとしたきっかけで咳や息苦しさをくり返します。 喘息の治療は、 炎症を抑え、喘息の悪化や発作を予防す… 続きを読む 【医師が解説】喘息の長期管理薬(吸入ステロイド)の効果と副作用

カテゴリー:喘息の長期管理薬(吸入ステロイド)  投稿日:

SGLT2阻害薬の効果と副作用

SGLT2阻害薬とは? SGLT2(エスジーエルティー・ツー)阻害薬は糖尿病の治療ガイドラインで定められている治療薬のひとつで、膵臓ではなく腎臓に作用することで血糖値を改善する働きがあります。 SGLT2は腎臓に存在する… 続きを読む SGLT2阻害薬の効果と副作用

カテゴリー:糖尿病治療薬  投稿日:

ノイロトロピン注射の効果と副作用

ノイロトロピン注射とヒスタグロビン注射 花粉症の注射で調べると、敷居が高いステロイドや効果が出るのに時間がかかる減感作療法が並ぶと思います。即効性がありながらも安全性の高い注射を探されている方にお勧めなのがノイロトロピン… 続きを読む ノイロトロピン注射の効果と副作用

カテゴリー:アレルギーの注射剤  投稿日: