ルセフィ(一般名:ルセオグリフロジン)の効果と副作用
- 更新日:2023年06月30日 11:31
- 作成日:2023年06月02日 18:50
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糖を排出する糖尿病治療薬
ルセフィは大正製薬によって開発された糖尿病の治療薬で、SGLT2阻害薬に分類されます。
ルセフィは膵臓ではなく腎臓に作用することで効果を発揮し、血糖値を改善できます。
ただ、糖を尿として体外へ排出することができるため、やせる目的での適応外使用が問題となっています。
ここでは、ルセフィの効果と副作用について、その作用の仕組みから詳しく説明します。
ルセフィとは?
ルセフィは、大正製薬によって国内で創製・開発された糖尿病治療薬です。
ルセフィはSGLT2阻害薬に分類される錠剤で、2型糖尿病に使用できます。
1型糖尿病や腎臓の機能が低下している場合等は使用できないため、注意が必要です。
ルセフィは商品名で、一般名(成分名)はルセオグリフロジンです。
ルセフィは先発品で、ジェネリック医薬品は販売されていません。
錠剤だけではなくフィルム剤も販売されており、患者さんの生活様式における剤型選択が可能となっています。
ルセフィの適応と効果
ルセフィ(一般名:ルセオグリフロジン)の適応としては、以下が認められています。
- 2型糖尿病
あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること
ルセフィの用法
ルセフィの用法は、以下のようになっています。
- 2.5mgを1日1回朝食前または朝食後に服用する(適宜増量)
ルセフィ適応外使用の実情
ルセフィを服用すると、6ヵ月で約2.7kg、1年間で約2.7kgの体重減少が示されていますが、これは2型糖尿病の患者さんを対象にしたデータです(ルセフィ開発時の臨床試験)。
高額な費用を出しリスクを抱えてまで、糖尿病でない方が服用する程の価値があるのでしょうか。
膀胱炎等の副作用が発生しても他の医療機関への受診を勧められ、つらい思いをするだけではなく、肩身の狭い思いまでするだけです。
また大きな有害事象が起こった場合にも、PMDAによる医薬品副作用被害救済制度の対象外となってしまいます。
ルセフィは2型糖尿病のお薬なので、ダイエット目的での服用はおすすめできません。
ルセフィの効果とメカニズム
まず最初に、高血糖時の尿糖排泄について説明します。
血液中の糖が腎臓で濾過されます。- 濾過された糖は主にSGLT2(※2)の働きで血液中に再吸収されます。
- 再吸収しきれなかった糖が尿として排泄されます。
※SGLT2(エスジーエルティー・ツー):糖を運ぶたんぱく質のひとつ。SGLT1も腎臓に存在しているが、腎臓で糖の再吸収に関わるのは主にSGLT2である。
ルセフィを服用するとどうなるでしょうか。
- 血液中の糖が腎臓で濾過されます。
- ルセフィがSGLT2による再吸収を妨げます。
- 再吸収しきれない糖が増え、尿中へ排泄される糖が増えます。
ルセフィを服用すると血液中へ戻る糖が減少するため、血糖値が低下します。
ルセフィの副作用
ルセフィの主な副作用として
- 膀胱炎等の尿路感染
- 頻尿
- 便秘
が報告されています。
重篤な副作用としては、低血糖、腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症、脱水、ケトアシドーシスがあります。
※詳しく知りたい方は、『SGLT2阻害薬の効果と副作用』をお読みください。
ルセフィの剤型と薬価
ルセフィの剤型と薬価は以下の通りです。
- 先発品:2.5mg錠160.8円・5mg錠239.3円・ODフィルム2.5mg160.8円
- 後発品:未発売
ルセフィフィルム剤とは?
正式名称を「ルセフィODフィルム2.5mg」といい、ルセフィ錠の薬効を損なわずフィルム化したもの。薄いシート状のため携帯に便利であり、水なしでも服用が可能となっています。
OD(oral disintegrating) :「口腔内で崩壊する」の意味。
ルセフィのまとめ
- ルセフィはSGLT2阻害薬に分類されるお薬で、膵臓ではなく腎臓に作用することで血糖値を改善します。
- ルセフィは携帯に便利なフィルム剤が販売されており、生活様式における剤型選択が可能となっています。
- ルセフィを服用すると血液中へ戻る糖が減少するため、血糖値が低下します。
- ルセフィを服用すると尿量が増えるため、朝の服用となっています。
執筆・監修
※2022年4月、田町三田院オープン!
磁気刺激による新たな心の治療、東京横浜TMSクリニック併設!
こちらの記事は、下記の精神科医が執筆・監修しております。

大澤亮太
- 役職:医療法人社団こころみ理事長/(株)こころみらい代表産業医
- 資格:精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医
- 学会:日本精神神経学会