スーグラ(一般名:イプラグリフロジン)の効果と副作用
- 更新日:2023年06月30日 11:32
- 作成日:2023年06月02日 00:53
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余分な糖を排泄する糖尿病治療薬
スーグラは国内で創製された糖尿病治療薬で、1型糖尿病と2型糖尿病の両方に使用できます。
スーグラは膵臓に作用せず血糖値を改善することができます。
そのメカニズムとして、余分な糖分を尿として体外へ排出することがあげられます。
ただ、楽にやせるとダイエット目的に使われることもあり、問題視されてもいます。
ここでは、スーグラの効果と副作用について、その作用の仕組みから詳しく説明します。
スーグラとは?
スーグラは、アステラス製薬株式会社と寿製薬株式会社との共同研究によって見出され、国内で創製された糖尿病治療薬です。
スーグラはSGLT2(エスジーエルティー・ツー)阻害薬に分類される錠剤で、1型糖尿病・2型糖尿病の両方に使用できます。
また、インスリン治療とも併用できるのが大きな特徴といえます。
スーグラは商品名で、一般名(成分名)はイプラグリフロジンです。
スーグラは先発品で、ジェネリックは販売されていません。
スーグラの適応と効果
スーグラ(一般名:イプラグリフロジン)の適応としては、以下が認められています。
- 1型糖尿病
あらかじめ適切なインスリン治療を十分に行った上で、血糖コントロールが不十分な場合に限ること - 2型糖尿病
あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること
スーグラの用法
スーグラの用法は、以下のようになっています。
- 1型糖尿病・2型糖尿病
50mgを1日1回朝食前または朝食後に服用する(最大100mgまで)
スーグラを飲み忘れた場合は?
スーグラを飲み忘れた場合、その1回分は服用しないでください。
1回とばして、次の指示された時間に1回分飲んでください。
スーグラ開発時の臨床試験
1型糖尿病と2型糖尿病の両方に効果があることを疑問に思われる方もいるかもしれませんが、それについては開発時の臨床試験を簡単にご紹介します。
【1型糖尿病に対する臨床試験】
対象:インスリン製剤で血糖コントロールが不十分な1型糖尿病患者169例
方法:スーグラ錠50mgまたは100mg(増量時)を 1日1回52週間投与
結果:HbA1c値は服用開始前で8.68±0.81%、最終評価時までの変化量は-0.33±0.72%であった。(NGSP値:平均値±標準偏差)
【2型糖尿病に対する臨床試験】
対象:食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者182例
方法:スーグラ錠50mgまたは100mg(増量時)を 1日1回52週間投与
結果:HbA1c値は服用開始前で7.93±0.791%、最終評価時までの変化量は-0.51±0.806%であった。(NGSP値:平均値±標準偏差)
スーグラの効果とメカニズム
まず最初に、高血糖時の尿糖排泄について説明します。
- 血液中の糖が腎臓で濾過されます。
- 濾過された糖は主にSGLT2(※)の働きで血液中に再吸収されます。
- 再吸収しきれなかった糖が尿として排泄されます。
※SGLT2(エスジーエルティー・ツー):糖を運ぶたんぱく質のひとつ。SGLT1も腎臓に存在しているが、腎臓で糖の再吸収に関わるのは主にSGLT2である。
スーグラを服用するとどうなるでしょうか。
- 血液中の糖が腎臓で濾過されます。
- スーグラがSGLT2による再吸収を妨げます。
- 再吸収しきれない糖が腎臓で増えるため、尿中へ排泄される糖も増えます。
スーグラを服用すると血液中へ戻る糖が減少するため、血糖値が低下します。
また、糖が体外へ排泄されるためエネルギー量が減り、体重減少効果も期待できます。
スーグラの副作用
スーグラの主な副作用として
- 膀胱炎等の尿路感染
- 膣カンジダ症等の性器感染
- 頻尿
- 口渇
- 便秘
- 体重減少
が報告されています。
また、重篤な副作用としては、低血糖、腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症、脱水、ケトアシドーシス、ショック、アナフィラキシーがあります。
※詳しく知りたい方は、『SGLT2阻害薬の効果と副作用』をお読みください。
スーグラの剤型と薬価
スーグラの剤型と薬価は以下の通りです。
- 先発品:25mg錠 120.8円・50mg錠 180.6円
- 後発品:未発売
※2023年4月現在
スーグラのまとめ
- スーグラはSGLT2阻害薬に分類されるお薬で、インスリン治療と併用できます。
- スーグラを服用すると血液中へ戻る糖が減少するため、血糖値が低下します。
- スーグラを服用すると糖が体外へ排出されるため、体重減少効果も期待できます。
執筆・監修
※2022年4月、田町三田院オープン!
磁気刺激による新たな心の治療、東京横浜TMSクリニック併設!
こちらの記事は、下記の精神科医が執筆・監修しております。

大澤亮太
- 役職:医療法人社団こころみ理事長/(株)こころみらい代表産業医
- 資格:精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医
- 学会:日本精神神経学会